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  • 2008-12-09
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[C175]

カリムさんが女の子していてかわいいですねw

動きのある戦闘で楽しかったです

選択肢は⑨無限書庫で
  • 2008-12-12
  • 投稿者 : 羽
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魔法少女リリカルなのはギャルゲーテイストSS『Abbildung erwarteten kunftigen』 十五話『眠れない二日間』⑪

こんばんは。雪奈・長月です。

今夜は火曜日。
今回は色々とあって更新が遅れました。
というかまず先に私自身の精神をご自愛しないといけないですかね・・・・・
誰か作者に優しさを。

過去の部分が読みたい方は『戯言工房』へ。
ある種のカオス空間なのでご注意下さい

他に何かありましたら、『幻想寓話』へ。
匿名でも構いません。ご自由にお使い下さい。



今回は知り合いから回ってきたバトンをしてみたいと思います。
かなりオリジナルくさいですね・・・・・・

①HNをどうぞ
 雪奈・長月です

②自身をなんと称しますか? その理由もついでに
 SS職人。理由はどんな時もSSのネタが浮かんでいるからですね。

③自身はオタクだと思いますか? そう実感したときがあればどうぞ
 多分、オタクだと思います。実感した時は、通信販売限定の物を手に入れる為に元々の値段の四倍以上の値段を吹っかけられても迷わず購入したとき。

④オタクという事で困ったときは?
 食費に支障が出た時。
 自身の知らない事を知っているという理由でオタクと呼ばれた時は相手に軽く殺意が芽生えました。

⑤他に回す人は?
 これを見た方々



ひとまずやってみましたが、どうコメントすれば良いか分からないですね・・・・・・
とりあえず、本編開始





魔法少女リリカルなのはギャルゲーテイストSS『Abbildung erwarteten kunftigen』 十五話『眠れない二日間』⑪

〈【喫茶「白桜雪」】 二十一時二十分〉

「よーしバトンタッチ、後は任せた!」
「ちょ、おい! 逃げんなタコ!」
 せわしなく動く厨房の中。ヴィアフは時間きっかりに仕事を終えると、厨房を飛び出していった。
 残った仕事はすべて、交代のヴィータに押し付けて。
 厨房から逃げながら服を脱ぎ捨てている辺り、ヴィアフがよほどウェイトレス姿が嫌いであることがうかがえる。
「ったくあのバカっ!
 ……ってああ!!
 フライパン火にかけっぱなしじゃねーかぁあ!」
 ダッシュでフランパンに向かい、菜箸を片手に調理を始める。
 周りは片付かない料理だらけ。全く何も言わないまま、さっさと逃げてしまったのだ。
 普段は頼れる姉御だと言うのに、こういうときは自分中心になってしまうのだからやってられない。
「幽霧です。ただ今戻りました」
「おぅ。つべこべ言わずに手伝え」
 周囲の状況で事情をある程度判断した幽霧は着替えずにそのまま溜まっているオーダーを消化する為に調理を開始する。
「ヴィータちゃん。手伝おう……か?」
 レジ打ちと注文を受けていたなのはが、時間を見計らって厨房にやってきた。
 ボードじゃ張り切れず、シンクにまで貼られた大量の伝票を見ている状態のまま絶句するなのは。
 片手でリズミカルにフライパンを振りながらヴィータは怒鳴る。
「なのはぁっ! 手伝いに来たなら、硬直してしてないで動けっ! このバカっ!」
 ヴィータの怒鳴り声で我に返ったなのはは少し躊躇いがちに訊ねた。
「もしかして……ヴィアさん?」
「あぁ」
 作ったオムライスを更に盛りながら唸るヴィータ。
 こんな状態でなければ、ずっとヴィアフの逃走について悪態をついたかもしれない。
「まあヴィアさんのことだし、仕方ないよ。」
「仕方ないとか言うな。
 ったくよ……なんでお前が厨房に回んなきゃいけない状況になってんだ?」
 あの格好でヴィアフが耐えられるとも思えず、どうせ何も片付けずに脱兎のごとく逃げるのだろうと、流石のなのはも予想していたのだ。
 案の定、それがそのまま現実となっている。
「まあ、あとできっちり絞っておくから」
「ヴィアフの奴も、なのはには頭あがらんのな……」
「そりゃあ……ね?」
 過去にいろいろ痛い目に遭わされたことのあるなのはにとって、ヴィアフを弄るのはこれ以上なく楽な事だった。
 あまり気は進まないが、仕事に支障が出てしまうのはいただけない。
 厨房にいる全員で周辺を整理しつつ、逃走したヴィアフの開けた穴を埋めながら仕事を進めていく。なんだかんだで、料理も運ばれていき、調理も上手く行っている。
 結果オーライというものか。ここ最近というか店を出す為の関係でヴィータが料理を覚えた事で、厨房の回転はとても良くなっている。
「さて、そろそろ片付いたみたいだし、私はまた戻るね?」
「おう、頑張って来い。こっちは任せとけ。」
 ヴィータは胸をグーの手で叩き、ドンと来い、といった雰囲気をかもし出す。
 頼りになる反面、ほとんどない胸を叩く姿はある意味滑稽である。それを言うと本人がキレ出すため、誰も口には出さないがほとんどの局員は見た事を考えていた。
「幽霧くんもありがとうね」
「ええ」
 顔をなのはの方へは向けずに調理をしながら幽霧は返事を返す。
 なのはは軽く汚れを払い、注文を受けに厨房を出て行く。
「なぁ。幽霧」
「……なんでしょうか?」
 シフォンケーキを作るために必要なタネを容器に流し込む幽霧に話しかけるヴィータ。
「お前、リンドウという名に聞き覚えは無いか?」
「いいえ。ありませんが」
 そう言って幽霧はタネが流し込まれた容器をオーブンに入れ、時間調整をする。
 ヴィータは頭をかきながら話し始めた。
「実はてめぇの戦闘スタイルがどこかで見覚えがあると思ってたんだ。この前、教導隊にある模擬戦のVTRを整理していたら、ちょうど似ている奴がいた。それが……」
「リンドウという方だったんですね」
 ヴィータの言葉を先取りするかのように幽霧はリンドウの名を口に出した。
「あぁ……。お前、本当に聞き覚えは無いのか?」
 目の前のヴィータは怪訝そうな顔をするが、聞き覚えも無い幽霧は首を横に振るばかりであった。



〈二十一時二十一分 綺璃斗〉

「【喫茶「白桜雪」】のミルフィーユはウマかったな」
「そうですね」
 教導隊が出している喫茶店から出たカリムたちは至福そうな表情で歩行者天国を歩いていた。
 外食をする人たちが多いのか、はたまた既に参拝へ行く予定なのか、外には大勢の人が歩いている。
 向こうから歩いてくる人たちを避ける様に歩きながらアキは訊ねる。
「次はどこに行くか?」
「この時刻なら至高の遺産がレストランになっているらしいから、そこで良いだろ~。そこの雰囲気の方がカリムに合っているかもしれないからな~」
 夕食について話し合う二人にカリムは少しおどおどしながらも割り込もうとする。
「あっ。あの……」
「他にカリムが気になっている店があれば、そこでもいいんだぞ。心配するなぁ~。私はお金を余り使わないからたんまりとある。どんどん言いたまえ~」
「教導時に破壊した物の修理費が経費で落ちなかったら、財布が極寒地獄と化していたけどな」
 ぽつりと口にこぼすアキ。
「何をぉ~!」
 アキの一言が癇に障ったアサギは怒り出す。
 怒りの余り、専用デバイスである『雷皇麒』か『雷鮫』を抜くのではないだろうか。
「本当の事じゃねぇか」
 茶色いスラックスのポケットに両手を突っ込みながらにやりと笑うアキ。
 民間人の密集する歩行者天国で戦闘が開始されそうな雰囲気を醸し出す二人の間にカリムが割り込んだ。
「私はホットドックとかが良いです。私にとっては何を食べたかというより、二人と何を食べたかの方が重要ですから」
「カリム……」
 その一言で熱くなった頭が冷えたアサギは武器に伸ばしていた手を戻す。
「なら、陸士部隊の「冬天市場」か自然環境保護隊の「闇鍋屋」になりそうだな」
 少し黒くなって見える空を怪訝そうに見上げながらアキは、カリムの要望に沿った物を出す店の名前をピックアップする。
「じゃあ、そこに行こうじゃないかぁ~」
 そう言ったアサギは隣にいるカリムの手を何気なく握る。その仕草はとても自然であった。
 アサギが何気なく手を握って来た事に驚くカリムであったが、微笑みながら頷いた。
「……はい」
 カリムと手を繋いだアサギは大きく手を振りながら歩き、アキはそんな二人の後ろから眺めていた。
「そろそろ陸士の部隊が屋台を出している位置だな」
 アキが前方で楽しそうに歩いている二人にそう言ったその時の事だった。
 少し先にある建物の影から少女がよろけながら出てきた。
 身体から煙の様な物が噴き出ている。
 咄嗟にカリムはアサギの手を振り払い、歩行者天国に倒れた少女に駆け寄る。
「はあ……はっ………か…がふぅっ……」
 少女の吐息から吐き出さる吐息は荒々しくてとても痛々しい。
「かふ…………」
 いきなり喀血する少女。アスファルトに落ちたその血は異様に黒かった。
 そして喉を痛めるのではないかと思えるくらい大きな声で少女は絶叫する。
「あがっ……あっ…ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 周囲の悪意や煩悩が黒い靄となって少女の身体を飲み込み、渦を巻きながら新たなる姿をとる。
 レキとの戦闘時は石像のような姿であったが、今度は西洋甲冑を装備した騎士のような姿であった。
 身長が三メートルぐらいありそうな漆黒の騎士は拳を振り上げ、カリムを強引に叩き潰さんと振り下ろす。
 カリムは恐怖で瞼をぎゅっと閉じる。目の前にいる恐怖を拒絶するかのように。
 地面を砕くような威力を孕んだ騎士の拳が振り下ろされる。しかしカリムに衝撃が来る事はなかった。
 少しおどおどしながらもカリムは瞼を開く。瞼を開くとアキの顔が間近にあった。
 いつの間にかアキの腕の中にいたカリムは突然の事に状況判断が出来なくなり、頬を紅潮させながらも目を白黒させる。
 カリムを横抱きにしながらもアキは器用に携帯電話を操作し、友好のある陸士部隊の部隊長宛てに電話をかける。
 約三十秒ぐらい時間が経過してから相手が電話に出た。
[おぅ。アキか……どうした]
 電話の相手は陸士一〇八部隊の部隊長であるゲンヤ・ナカジマ三等陸佐であった。
「えっと……少々申し訳ないですが、交通規制を引いて貰えませんか? ナカジマ三佐」
 騎士と鎬を削りあうアサギを軽く一瞥してからアキはゲンヤに頼み込む。
 電話の向こうからゲンヤが楽しそうな声で笑う。
[てめぇがそう言うなんて珍しいな]
「いや~。資質のある子が暴走したんで……今、アサギが対応しているんですよ……」
 そう言ってアキはため息をつきながらも、飛んできた槍を蹴り飛ばす。
 ため息の意味が分かると同時に修理費の文字が思い浮かんだゲンヤもため息をつきながら言った。
[……分かった。他の奴らにも連絡を回してやる。お願いだから、公共物を破壊するなよ]
「無理」
 アサギか騎士のどちらかが道路を砕いた事によって飛んできたアスファルトの破片を展開した結界で防ぎながら即答する。
[…絶対、通行人に怪我を負わせるな。それ以外は……この際、目をつぶってやる]
 軽く間を置いてから疲れた様な声で言うゲンヤ。電話の向こうで頭を抱えている様が頭に浮かぶようだ。
「りょ~かいっと」
「篠鷹アキ戦技教導官」
 ゲンヤと電話を終わらせたアキは甚平を着た局員に声をかけられた。きっとその格好で警邏に出させられていたのだろう。
「カリム・グラシア中将を安全区域までお願いします。規制範囲はココから半径二十五mのプラスマイナス五m以内で」
 通信が終わるまでずっと待っていたと思われる局員にカリムを引き渡し、アキは二人に背を向けて歩いていく。
「了解いたしました。皆さん! 今からココは戦場になります。危険回避の為に避難して下さい!」
 局員の言葉に周囲で見ていた通行人たちは蜘蛛の子を散らす様に走り出す。
「グラシア中将。私たちも……」
 カリムの安全を確保する為に局員も離れようとするが、カリムはその場から離れようとしない。
「アキさんっ!」
 被害をこうむらない様に避難しようとする人ごみに押されそうになりながらもカリムはアキの方を向いて叫ぶ。
「大丈夫です。アサギと自分が……負けると思いますか?」
「……いいえ」
 騎士の飛ばして来たトゲを野太刀で打ち据えるアサギを見たカリムは一瞬でも友人を信じられなかった事が恥ずかしいらしく目を伏せる。
 そんなカリムにアキは軽く苦笑する。
「じゃあ、待ってて下さい。ちゃんと迎えに行きますから」
 出来るだけ被害を出さないように戦うアサギと今も結界を展開してカリムたちを守っているアキの背中を見つめながらカリムは懇願するかのように言った。
「……負けないで下さいね」
「ヤーヴォール」
 アキはカリムたちに背中を向けたまま、そう答えた。
 安心したカリムは顔を戻し、局員に背を押されながら他の人と共に避難する。
 しばらくしてから展開していた結界を解除し、アキは苦笑する。
「楽しそうだな。私たちの姫さんは何て言ってたんだ? 全部吐き出したまえ」
 いつの間にかアキの隣に立っていたアサギがニヤニヤしながら訊ねる。
「『負けないで下さい』だってさ」
「そりゃあ、負けられないな」
 飛んでくるトゲを魔力球で相殺しながらアサギは笑う。
「どっちが前衛?」
 前面に重力の壁を発生させる事で飛んでくるトゲを落とすアキにアサギは答える。
「愚問だなぁ。制圧の類いはお前の十八番ではないか」
「りょ~かい。アサギっ!」
 首にかけていたゴーグルをつけるアキ。前方に展開した重力の壁を解除すると同時に重力制御魔法で周囲の重力を下げ、地を強く踏み込む事で初速を高める。そして質量に変換した魔力を纏わせる事で更にスピードを上げた。
 弾丸の如きスピードを得たアキは両手の先に漆黒の魔力球を生み出す。
 騎士も迎撃する為にモヤを終息させてナイフを作り出そうとする。
 しかしその隙にアキは騎士の懐へ入り込み、黒球のついた左の拳で騎士の腹部を突く。
 質量を上乗せされた拳を叩き込まれた騎士の装甲はメキメキという音を立てながらひしゃげた。
 その一撃で意識が飛んだのか、ナイフの形を取っていた靄が霧散する。
 更にその隙を狙ってアキは右の拳をすくい上げ、騎士の胸部に叩き込む。
 重量を秘めた黒球のついた拳を叩き込まれた騎士はズドンという鈍い音と共に上へ殴り飛ばされる。
 アサギは騎士を指差して呟く。
紫雷の猟狐フォックスハウンド
 その言葉が空間に紡がれて溶けた瞬間、アサギの周りに狐が何匹も出現する。
狩りの時間だセット&イグニッション
 アサギの一言を合図に周囲で待機していた狐が紫電を放ちながら騎士へ様々な方向から攻めにかかる。
 騎士は咄嗟に靄を集めて厚い壁を作り出し、アサギの飛ばして来た狐たちに備える。
 ガリガリという音を立てながら狐たちは壁を削っていき、壁を突破した最後の数匹は騎士の装甲に突き刺さって爆発する。
 人差し指と中指を騎士に向けたアキは黒の雫シュヴァルツトロプツェンと呟き、詠唱を破棄して魔法を発動。
 指先に魔力が集束し、小さな黒球が形成される。
さっさとくたばれグゥーテ ナハト♪」
 黒い奇跡を描きながら黒球は機関銃の様に撃ち出され、騎士の右腕を貫通する。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 甲冑の中から少女らしき声がくぐもって聞こえてきた。
「女の子の腕に貫通痕を作るのは胸が痛むなぁ~」
 騎士の右腕に出来た貫通痕から黒い靄が血の様に噴き出す様を眺めながら楽しそうに笑うアキ。
「でも仕事だからなぁ~。黒き断頭台シュナイデン シュヴァルツシルト
 落下してくる騎士に止めを刺すように魔力が集束して出来た刃が叩き落される。
 本来なら重量で強引に物体を切断する魔法であるが、流石に人体を切断する訳には行かない。
 威力は道路に軽くめり込む程度まで軽減されていているのだが、グシャっという耳障りな音と共に騎士は地面にめり込んだ。
「ひとまず鎮圧完了?」
「そんな訳無いだろ~。馬鹿めぇ~」
 気楽なアキの呟きにアサギは武装を解除せずに突っ込みを入れた。
 二人によって一方的にやられっぱなしであった騎士は周囲に漂う煩悩などを吸収しながら立ち上がる。
「まだまだ大丈夫なようだな」
「あぁ、戦り甲斐があるではないか」
 鎧を修復し、身体も十mぐらいまで肥大した騎士を見上げながら呟くアキとアサギ。
「本体の位置は分かっているのか?」
「アサギこそ」
 騎士を見上げながら楽しそうな笑みを浮かべるアサギに、アキは両手の指を鳴らしながら返す。
「今夜は陸士部隊の奴らが優しいなぁ。交通規制だけじゃなくて、ご丁寧に結界まで張ってくれているぞ」
「あいつが壊れるまで思う存分、戦っても良いという事だろ~」
 騎士を見ながらニヤリと笑う二人。獣のように歯を剥き、新しい玩具を貰った子供のように目をキラキラさせている。
 その二人から放たれる気配に騎士もわずかに退いたように見えた。
 雷皇麒を納刀したアサギと左手に超重力を孕んだ黒球を生み出したアキが動いたほとんど同時。
 二人を潰さんと、高密度の靄で作った大剣を叩きつける。
 しかしアサギはその攻撃を回避し、大剣の刃を駆け上がる。
 騎士の顔面に右の拳を叩きつけると同時にアサギは楽しそうに魔法の銘を紡ぐ。
「スタン…クレイモア♪」
 アサギの右拳から高圧電流に変換された魔力がスタンガンのように弾けた次の瞬間には爆発音と共に騎士の頭が弾け飛んだ。
 反撃の隙を与えない為か、擬似的に作り出した無重力空間で瞬間移動と言っても過言ではないスピードまで加速したアキが騎士に突っ込んできた。
「必殺っ! ディバイぃぃぃぃぃン……」
 銃弾如きスピートまで加速した状態で腰を捻ると同時に右肘を軽く引き、騎士の装甲めがけて突きを叩き込む。
 超重力を孕んだ右拳の魔力球が騎士の装甲を突き破り、右腕がめり込んだ。
「おろしがねぇぇぇぇぇっ!」
 騎士の装甲にめり込んだ程度でその勢いは納まらず、道路のアスファルトと騎士の装甲をガリガリと削りながらも前に進み、アスファルトの破片と靄を撒き散らす。
 更にアキは開いた左拳の先に重力球を展開し、再び強烈な一撃を騎士の胸部に叩き込んだ。
 地面に叩きつけられ、大きくバウンドしたところで重力と質量を利用して瞬間移動したアキの追撃が騎士に突き刺さった。
 弾き飛ばされた騎士であったが、陸士部隊の展開した結界に背中を叩きつけられることで止まり、そのままその場に倒れ込んだ。
 凄く満足げな顔をするアキの隣に立ったアサギは淡々とした口調でツッコミを入れる。
「アキ……その技。使うのは止めといた方が良いと思うぞ」
「ん? 何でだ?」
 周囲に漂う黒い靄が騎士に集まるのを眺めながらアキは適当な返事を返す。
「スバル・ナカジマ一等陸士が泣くから」
「そうか」
 立ち上がった騎士を一瞥したアサギは楽しそうに笑う。
 靄によって新しい姿を得た騎士が二人の方に歩み寄ってきた。その姿は禍々しく、凶悪でなっていた。
 まるで相手に畏怖を与え、心に恐怖を植えつけるように。
「はっ。戦意を失わせようとする気なのか知らんが……甘いなぁ~。ブリッツ・リヒト……シュトライヒェン」
 片目が紅く染まり、片目が黒く染まったアサギが楽しそうに笑いながら抜刀する。
 魔法の発動と轟音はほぼ同時。紫電を纏った野太刀が勢い良く抜刀された野太刀が煌めいた。
 光となった雷皇麒の刃が腹部から騎士の身体を分かち、腹部から下を焼き尽くした。その切り口はまるで定規を当てたのごとく綺麗な一文字。
「恐怖心を与える事による戦意喪失は良いアイディアだけど……悪いね。俺たち…こっちが壊れちゃっているから。黒き断頭台シュナイデン シュヴァルツシルト
 魔力が集束する事で発生した巨大な断頭台が騎士の両肩に落ち、両肩を重量で強引に切断する。
 腹部から下の部分と両腕を失った騎士にアサギはニヤリと笑いながら呟く。
「ダルマの出来上がりだな……」
 隙を見せたアサギを睨みながら、口から黒い槍を勢いよく吐き出す。
星喰らう暴食者エッセン・シュヴァルツシルト
 アサギの前に躍り出たアキが手を合わせて魔法を発動。開かれた手の間から黒い球体が出現し、飛んできた騎士の槍を飲み込む。
「あぶねっ……」
 間一髪で騎士の攻撃からアサギを守ったアキは冷や汗をかきながら息を吐き出す。
 青筋をぴくぴくさせながら笑みを浮かべているアサギはアキを呼ぶ。
「何だ?」
 アサギの口から出たのは一言のみ。
れ」
「ええっ!」
 ろくでもない命令をされたアキはギョッとする。
 しかし妙に嬉しそうなアキにアサギはため息をつきながら補足説明をした。
「別に青姦……路上プレイしろと言っているわけではないぞ」
「ちょっ! 言い繕っても意味は同じだからっ!」
 ツッコミを入れるアキにアサギはいつの間にか納刀していた雷皇麒の鞘でその喉に突きを入れた。
「ちょっと黙りたまえ」
「い…イエズ……ザー……」
 咳き込みながら頷くアキ。
「アレを使うから時間稼ぎをしてくれたまえ~。アキなら、動きながら準備は出来るだろう?」
「まぁ……な。でも、何でれって言ったんだ?」
 アサギに騎士の黒い槍を飲み込んだ球体を渡し、指を鳴らしながら訊ねるアキ。アサギはのんびりと答える。
「人外でもノンケでも食べるんだろ~?」
「それは朱乃さんだけですから!」
 アサギの口から出た意味の分からない理論に焦る余り、アキの口調がいつの間にか敬語になる。
 息を吹きかけるようにアサギはアキの耳元で囁く。
「……ご褒美ですよっ♪」
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 悲鳴の様な叫び声を上げながらアキは周囲の悪意を吸収して身体を修復する騎士に突っ込む。
 騎士は突っ込んでくるアキを迎撃する為に身体を修復しながらも靄を槍に変えて発射する。
 アキの身体に槍が突き刺さるが、全く動じずにニヤリと笑って魔法を発動した。
スタぁーライトっ!」
 周囲の上空に漆黒の球体が幾つも精製されて配置された。
 騎士は身体を修復し終えると、発射する槍の数を増やす。
 身体に槍が突き刺さりながらもアキは笑みを崩さすに魔法を完成させる。
フォーリンッ堕ちつ》……ダウンっ!」
 上空に浮いていた漆黒の球体が一気に落とされる。
 落ちた球体は地面にクレーターを作り、球体を喰らった騎士はいきなりかけられた重みで膝をつく。
「流石、高町教導官の対SLB用として編み出した魔法だな……」
 自身が編み出した魔法の一つによって膝を突いた騎士を見ながら呟くアキ。
 その言葉が挑発に聞こえた騎士はアキを睨みながら身体を少しずつ持ち上げていく。
「マジっ!?」
「アキが時間稼ぎをしてくれている事だし、手早く完成しないとなぁ……」
 アサギは雷鮫に球体を装填。電気へ変換された魔力を注ぎ込み、銃身に小さいが強力な磁場を作り出す。
 漆黒の球体は銃身の中で急速に回転し始め、ひし形のような長細い物体へと姿を変える。
「アサギっ! 早くしろっ! 押し切られるぞ」
「……OKだっ!」
 その言葉を合図にアキは騎士から退き、〈スターライトフォーリングダウン星堕ちつ日〉を解除する。
抉り穿ち抜くストレイト……」
 アサギの前に超重力に変換された魔力の壁が出来上がる。
神威ディヴァインド!」
 超重力の壁に向けてアサギは作り出した磁場の中にいる物体を解き放つ。
 弾が纏った電流とレールの電流に発生する磁場の相互作用によって、針のような形をした球体が加速して発射される。
 超重力の空間でスピードが微かに落ちたが、勢いを失って落ちることなくそのままその空間を抜けて騎士へと迫る。
 咄嗟に騎士は靄を限界まで使って分厚い壁を形成する。
 超重力の空間を突き抜けた一撃は空気摩擦で白銀の閃光に変わる。その解き放たれた一閃は空気を押し出し、発射時に立ち込める粉塵すら吹き飛ばす。
 発生した衝撃波が分厚い靄の壁を少しだけ吹き飛ばし、一閃は壁を穿ち抜いて騎士の身体を貫かんと突き進む。
「……ちっ」
 アサギはわざとらしく舌打ちをする。
 二人の放った〈抉り穿ち抜く神威ストレイトディヴァインド〉は騎士の装甲に接触するギリギリで止まってしまう。
 騎士は二人の攻撃を封じた歓喜に身を震わせながら展開していた壁を靄に還元して攻撃を叩き込もうとした時。
 騎士が見たのは、凄く嬉しそうな笑顔を浮かべる二人の姿。
 獰猛な肉食獣のように歯を剥き、新しい玩具を貰った純粋無垢な子供のように目をキラキラさせている。
「あぁ……本当に残念だ」
 アサギはニヤリと笑いながら騎士に言った。
 立てた人差し指と中指を騎士に向けながらアキは、魔法の銘を紡ぐ事で発動させる。
「喰らいつけ―――黒の暴君テュラン・シュヴァルツシルト
 その言葉に従うようにアキの周囲に漆黒の球体が幾つも精製される。
 精製した球体が泡を立てながら膨らみ、漆黒の鮫を生み出す。
「喰い散らかせ―――白銀の雷鮫グラトニー・ヴァイス
 直後、魔力がアサギの身体からほとばしる。
 魔力は放電に似た現象を起こし、まるでイルミネーションのように周囲で雷球が作られる。複数の雷球が多数の雷球となって分離し、遂には無数の雷球を生む。
 雷球は空中で回転し、雷球は紫電を纏う白い鮫となる。
「破軍!」
「抜砦!」
「「破軍鮫陣ストレイト・オーヴァ!!」」
 アサギとアキは腕を横に大きく振り抜いて怒鳴ったのを合図に、白と黒の鮫は鋭い牙を見せつけるように大きく口を開けて騎士へと迫る。
 白銀の鮫は纏った雷をほとばしらせながら弾丸のように突っ込み、漆黒の鮫はその身を跳躍させて自重で相手を潰しにかかる。
 騎士も二人の〈破軍鮫陣ストレイト・オーヴァ〉から身を守るために再び靄を集めて壁を展開。今回は白と黒の鮫を破壊する為に巨大なとげが無数に生えていた。
 しかし鮫たちはその身がトゲで突き刺さって霧散しようとも、機関銃から撃ち出される銃弾の様に特攻を行う。
 その身を滅ぼしながらもトゲの生えた壁を穿ち抜き、粉砕し、破壊していく白と黒の鮫たちの姿は消える前に一際輝くろうそくの炎の様にある種の儚さと命の輝きを感じさせた。
 黒い靄となった悪意や煩悩が陸士部隊が張った結界を透過して騎士に集束し、装甲と展開されている壁が徐々に凶悪な姿に変わりながらも分厚くなっていく。
 それでもアサギとアキが放つ〈破軍鮫陣ストレイト・オーヴァ〉は二人の魔力を貪りながら、騎士が壁を強化するのを上回る速度と物量で壁を削り取って行く。
 遂には展開されただけではなく騎士の装甲まで抉り取り、最終的には核となっていた少女が地面に叩きつけられた。
 アキは少女が逃げないように重力結界で押さえつける。
 数分後に結界は解除され、陸士部隊の局員が走ってきた。
「和泉アサギ教導官。篠鷹アキ教導官。お疲れ様でした。護送は私たちが行います」
「ん……悪いね」
 少女に局員が駆け寄ってきた事を確認したアキは重力結界を解除する。
 その瞬間、少女が自身を包み込むように球体を形成。全方位に巨大なトゲを出して近づいてきた局員をひるませる。
 局員をひるませた少女は球体を靄に戻して羽に変え、そのまま空に飛び立ってしまった。
 アキは黒っぽい空を見上げながらアサギに尋ねる。
「なぁ、逃がしたのは俺の責任になるかな?」
「……ならんだろ」



〈二十一時四十五分 幽霧〉

 ヴィアフが抜けた緊急時に仕事をした事と、人の入りが少し収まったという二つの理由で幽霧は休憩を貰っていた。
 休憩時間を誰かと一緒に出かけるという事が無い幽霧は次の仕事先へ向かおうと裏口の扉を開ける。
「こんばんは」
「雫先生……」
 そこにいたのは開発部主任の雫・鏡月だった。
 何故かいつものように男物スーツを着た上に白衣を羽織っている。
 驚く幽霧に雫は微笑みながら言った。
「デートしましょうか」





選択肢
「次はどこに行く?」
①首都防衛部隊のお店 【中華「覇道軒」】
②次元航行部隊 【イタリアンレストラン「光の女神てんし」】
③ナイツのお店 【喫茶「砂糖の王冠クラウンオブシュガー」】
④査察部のお店 【メイド&執事喫茶「Oberste Erbe至高の遺産」】
⑤陸士部隊 【屋台群「冬天市場」】
⑥アインス&一部有志の店 【アイス「ゼーゲンヴィント」】
⑦自然環境保護隊の店 【屋台「和み鍋」】
⑧ナンバーズのお店【喫茶「ハレルヤ」】
⑨無限書庫
⑩その他
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Author:雪奈
「交換戯言日誌」を見に来て下さってありがとうございます。
終焉の引き金を引くのは貴方。
物語の続きを作るのもまた……
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