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[C171]

羽さんのセリフ
《強くなる為にどうすれば良いか》……
自分なりの答えですと、何事も捨ててただひたすらに戦いに走ること・・・ですね
痛みすら戦意に変えて、恨みは身体を動かす動力源に、失われた命はさらなる強者を求める糧となる
うちのはそういうヤツですからw

>選択肢
⑦アインス&一部有志の店 【アイス「ゼーゲンヴィント」】
なんか最近アインスをプッシュしてるなオレw
  • 2008-11-16
  • 投稿者 : 恭也
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  • 2008-11-16
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魔法少女リリカルなのはギャルゲーテイストSS『Abbildung erwarteten kunftigen』 十五話『眠れない二日間』⑩

こんばんは。雪奈・長月です。

今夜は日曜日。
現在、涼香様の時空管理局ラジオ進行中!
ひとまず涼香様は自身の身体をご自愛ください。

というかまず先に私自身の精神をご自愛しないといけないですかね・・・・・

過去の部分が読みたい方は『戯言工房』へ。
ある種のカオス空間なのでご注意下さい

他に何かありましたら、『幻想寓話』へ。
匿名でも構いません。ご自由にお使い下さい。

(注)
これは『魔法少女なのはシリーズ』をギャルゲーにしたらどうなるか?
そういうコンセプトから始まった二次創作小説です。



では、コメント返しです。





コメント返し
「これ以降レンさんが仲直りできるのかな~ 」
 ・それは読者の方々次第です





〈【居酒屋「苺壱枝」】 二十時十五分〉

 【居酒屋「苺壱枝」】と書かれた暖簾の掛けられた屋台では、雪奈と雫が開店の準備をしていた。
 本来なら、諜報部の部隊長である雪奈と開発部主任である雫はこの店を開いているはずはない。
 しかし【居酒屋「苺壱枝」】をご贔屓にしている常連もいる為、開店しなければならなかった。
 一応は参加申請は出し、許可は貰ってあるので良いだろうが。
 ガスボンベを軽く開けてガスコンロに火を付ける雪奈。慣れているので、実に手際が良い。
 雫は火を付けたガスコンロで寸胴鍋の鍋の中一杯に入っている甘酒を温め始める。
「空も暗くなってきました。そろそろ冷えてきましたね………」
「そうだね。雫」
 雫は暗くなった空を見上げ、雪奈は手袋の上から息を吐きかける。
 橙色に燈された周辺の灯を見ながら雪奈は言う。
「そろそろ、温かい食べ物を売る部署が儲けを出す頃だね。
 今ごろ、喫茶店や甘味関係はメニューを温かい物に変えているだろうなぁ」
 雪奈の予想は完璧に的中していた。特にシチューやヒツジ汁を売っていた環境保護隊の売れ行きが伸びている。
 そして、喫茶店や甘味関係のお店は慌ててメニューの変更を余儀なくされていた。
「こんばんは」
 早くも【居酒屋「苺壱枝」】お客が来てしまった。
「こんばん…………」
 雪奈は客を見る。そして、ぎょっとする。
「はぁ~い♪」
 目の前には女性が座っていた。真紅のロングコートを羽織り、蒼みがかった黒色の髪をしている。
 その女性の瞳は雪奈と同じ蒼天のように澄んだ蒼色の瞳。顔立ちも妙に似ていた。
「何をしに来たんですか? ワルツハーゲン。」
 睨みつける雪奈。その目は少し怒っている。
 ワルツハーゲンと呼ばれた女性は軽く苦笑した。
「つれないなぁ。すみません。梔子酒「黄華」をお願いします」
 雪奈が睨みつける事を全く気にせず、ワルツハーゲンは梔子酒「黄華」を注文する。
 グラスに梔子酒「黄華」を注ぎ、ワルツハーゲンに渡す雫。
 ワルツハーゲンは美味しそうに梔子酒「黄華」を飲む。
 雪奈はワルツハーゲンに怒りながら尋ねる。
「本当に何をしに来たんですか!貴女は!」
 声まで荒げる雪奈にワルツハーゲンは言う。
「ん? 可愛い妹である雪奈の顔を見に来ちゃダメ?」
 その言葉に雪奈の顔が一瞬にして紅くなる。
 雪奈の姉は、楽しそうに笑う。笑う感じもよく似ていた。
 その光景を見て驚く雫。雪奈に姉がいる事も驚いたが、あの雪奈が手玉に取られているのを見たのは初めてだったからだ。
 雫が驚いている間にも、二人の会話は続いている。
「……………で、本当は何をしに来たんですか?」
「だから、雪奈の顔を見に来ただけだって。それに、昔の様に呼んでくれないの?
 緋桜おねえちゃんって」
 「緋桜」がワルツハーゲンの本名らしい。緋桜は綺麗な笑顔で笑っている。
 雪奈は微かに頬を赤らめたまま言う。
「恥ずかしいから嫌です」
「むう。つれないなぁ。昔は緋桜おねえちゃん。緋桜おねえちゃん。って、引っ付いてきたのに」
 頬を押さえながら激しく身体を振る緋桜。
 緋桜の仕草に雪奈は顔を赤らめる。
「昔の話じゃないですか!!」
「あ~。昔の雪奈が今は……!?」
 いきなり立ち上がる緋桜。
 突然の行動に雪奈と雫は不審に思うが、数秒後には二人も驚く。
 二人も異変に気付いたからだ。



〈二十時二十九分 綺璃斗〉

「はあ……はぐっ! ……ぐはっ…ぁぁぁ…にぎっ………」
 身体の中を這いずり回る不快な物に少女は両手で肩を抱きながらうめき声をあげた。身体からは黒いもやが漏れる。
 うめき声を上げるたび、少女の周辺が綺麗になっていく。
 それと同時に周辺にいた人たちの様子がおかしくなっていく。
 頭を抱えたり、周辺の人を襲ったりしている。
 彼女が神から与えられた権能だと考えているモノの正体は、彼女の身に宿っていた先天性古代遺失物能力。
 先天性古代遺失物能力は一部の魔導師が持っているレアスキルとは比べ物にならない程の効果を起こす。
 その効果は失われし古代文明によって創られた古代遺失物 ロストロギアにも匹敵する。
 そんな古代遺失物ロストロギアに匹敵する能力者の総称が『先天性古代遺失物能力者』インヒレント・ロストロギア
 彼女に宿る能力の効果は煩悩や悪意を取り込み、浄化して放出する能力。銘は……まだ無い。
 そんな能力でありながらも、撒き散らかされるのはより濃密な狂気。
 彼女は急ぎ過ぎたのだ。この能力の本質は煩悩や悪意を取り込んで浄化。
 一度は他人の悪意や煩悩を請け負わないといけない。その上、人は必ずしも悪意や煩悩を持っている。
 彼女が一度に能力の許容範囲を越える位まで吸収した為に、能力自体が暴走しているのだ。
 悪意や煩悩だけが吸収され、浄化されずに狂気に変換されて撒き散らかされる。
 他人の悪意や煩悩に飲み込まれる中で彼女は呟く。
「神よ…何故……私に………重荷を…課し……た…」
 彼女は飲み込まれた。
 そして、『神よ。何故、私に重荷を課した』が暴走する。



〈【甘味処「華蝶風月」】 二十時三十分〉

 客足が止まり始めた【甘味処「華蝶風月」】。
 少し時間に余裕が出来てきたからか、局員たちが時間つぶしに雑談をし始めた。
 甚平姿の風切羽捜査員は隣にいる色無地に白いエプロン姿の幽霧に話しかける。
「そういえば、久しぶりですね。幽霧霞三等陸士」
「はい。言われてみればそうですね。風切羽特務員。いえ、今は風切羽捜査員ですか」
 羽は軽く苦笑しながら返す。
「わざわざ言い換えなくても良いよ。実質、仕事の内容は諜報部とさほど大差ないから……むしろ、陸士部隊捜査課 こっちの方が少し生ぬるいかな?」
「いきなりテロリストの潜伏している部屋に飛び込んだり、生死ギリギリの所に息を潜めながら情報収集しなくても良いからですか?」
「うん、そうだね。諜報部は他の部署からは忌み嫌われているけど、陸士部隊捜査課 こっちが光の部分を受け持ち、諜報部 そっちが闇の部分を受け持っているような感じだと思うよ」
 壁によしかかりながら羽は軽くため息をつきながら愚痴を漏らす。
「機動六課を設立し、大事件を止めた八神はやて二等陸佐の率いる部署だからある種のエリートの部署だと思う人が多いけど……内容的には諜報部と余り変わらないんだよね。踏み込む度合いが陸士部隊捜査課 こっちがある程度浅くて、諜報部 そっちが深い部分まで踏み込んでいるだけで……そんな捜査課の同僚だって諜報部を蔑んでいるんだ。長月諜報部隊長の率いる諜報部に所属するその道のプロフェッショナルが作ったマニュアルという基礎があるから、治安維持の陸士部隊と一線を画した捜査のプロのいる部署である陸士部隊捜査課が成り立っているのにね……」
 それが戦闘機人事件で上司と仲間を失い、自暴自棄になって暴走していた所をはやてによって拾われ、機動六課運営時は部隊長となったはやての個人的な諜報員として諜報部と共に仕事をしていた羽の本音であった。
 暗い雰囲気を醸し出す羽の気分を少しでも変える為に幽霧は別の話題を切り出す。
「そういえば、風切捜査員が探していた答えは見つかったのですか?」
「ははっ。まだ見つかってないかな」
 話が変わった事で少しは気が紛れたらしく、羽は乾いた笑みを見せる。
「《強くなる為にどうすれば良いか》……幽霧はどう思う?」
 幽霧は軽く思考を巡らせてから羽の問いに自身の答えられる程度で答える。
「まず何も考えない事です。例えそれが他人の命を無慈悲で奪う場合でさえも」
「ふむぅ……」
 幽霧らしいといえば幽霧らしいが無理難題に近い言葉に羽は困ったような顔をする。
 そこで幽霧は何か思い出したように呟く。
「もう一つありました……自身の出来る事と出来ない事を知る事ですね。
 自身の出来る事を知っていれば、それを実践にどう行かせるか分かってきます。逆に出来ない事を知っていれば、無駄な所で無謀な賭けに出る事も少なくなります」
「確かにそれは一理あるかも。きっとそれが確実に任務から生きて帰る術なのだろうね……で、そんな理論をどこで聞いてきたんですか?」
 羽から新たに出てきた疑問を投げかけられた幽霧はまたもや考えるが、今度は頭を振った。
「すみません。誰から聞いたのか思い出せません。でも……何故か懐かしい感じがしたんですよね」
「羽~。幽霧三等陸士~。三名ずつお客さぁ~ん」
 入り口で仕事をしている局人に声をかけられる幽霧と羽。
 幽霧はある種の懐かしさと羽からの問いかけを思考の外に締め出し、来客の出迎えに向かう。



〈二十時三十五分 綺璃斗〉

 大晦日はバー『Devil Tear』の稼ぎ時であるレキは一人で買出しに出かけていた。
 歩行者天国と化している通りとは逆に人気の少ない路地裏を歩きながら思うのは、戦闘機人事件で失った仲間たちと過ごした大晦日。
 あの時は色んな場所で発生するトラブルの鎮圧をする任務の為に首都中を汗だくになって奔走していた。
 大晦日の任務は色んな意味で面倒くさくて大変であったが、とても楽しかった事には変わりない。
 しかしその楽しかった頃に回帰する事は出来ない。
 部隊を率いていた上司は身体をいじくられた後は幽鬼の如く彷徨い、最後には後輩の騎士に斬殺された。
 同僚の一人は仮死状態でずっと生かされ、その事件が完全に終結するまでは愛娘を事件の犯人たちに利用され続けていた。
 レキ自身も特殊な種族という事で犯人たちに拉致されて身体を切り刻まれ、機械が組み込まれた身体にされた。
 そしてレキが片思いを抱いていた同僚も拉致されて身体を切り刻まれた上に洗脳までさせられ、とある事件の末にレキと対峙し、レキによってその命を刈り取られた。
 唯一無事であった同僚も自身が生き残ってしまった事に絶望して自暴自棄になり、しばらくは生き急いでいるかのように暴走し続けていたらしい。
 一度は片思いの人を失った喪失感と、守れなかった自責の念で自身の存在自体に絶望を感じた事もあった。
 その過程で『先天性古代遺失物能力者』インヒレント・ロストロギアに目覚め、機械を組み込む事で強引に生かされた状態の上に洗脳までされた片思いの相手を自身の手で焼いた。
 今はレキによって殺される直前で意識を取り戻した相手との約束によって生きる道を選んだ。
 どんなにみっともなくても良いから、自身の手で殺したその人の分まで命を掛けて生き延びる事を。
「!」
 いきなりレキの顔が変わる。周囲の空気も一変する。妙に息苦しい。
 呼吸するたびに喉や頭が痛くなってきた。そして段々、寒気に似た感覚も感じてきた。
 それと同時に何かが近付いてくる感覚も感じる。
「……オレと同類か」
 レキは一人小さく呟く。何かが向こうから歩いてくる。
 革靴の靴底で道路のアスファルトを叩く音だけが周囲に響く。
 向こうから歩いてくる何かに神経を研ぎ澄ますレキ。
 しばらくして、向こうから歩いてくる何かが姿を現した。
 向こうから歩いてきたのは少女であった。ただし、見た目だけで表現するならばの話。
 具体的に言うのならば、少女の姿を象った漆黒の石像であった。
 何故か身体からは真っ黒な靄が途切れず噴き出している。
「う~ん。やっぱり、オレと同じ先天性古代遺失物能力者か……」
 『絶影』の柄を強く握りながらレキは呟く。そして、魔法陣を展開。熱風が発生してレキの頬に傷が入る。
 頬から流れる血液を指にとり、警戒しながらもレキは尋ねる。
「すみません。大丈夫ですか?」
「……くぁzxsdcfvtgびゅhにjm、おkk@;・「:\\\}」
 喋るものの、人間が発音するような音ではなかった。
 レキは瞬時に判断した。完璧に暴走していると。
 昔の自分自身と同じように。
 彼女の姿が昔の自分とついダブってしまって、嘆息するレキ。
 そして、自身の持つ先天性古代遺失物能力『煉獄の檻籠』を発動した。
「『煉獄の檻籠』発動。」
 指に取った血液が一気に燃え上がる。レキは彼女に言う。
「さて。ちょっと熱いですが、我慢してくださいね」
 今、ここに『煉獄の檻籠』と『神よ。何故、私に重荷を課した』の戦いが始まった。
 レキは『絶影』を構え、音もなく少女に接近する。狙うは少女の昏倒。
 少女の身体に『絶影』の刃が迫り来る。
 突然吼える少女。黒い靄が集まり、黒い槍を形成する。その槍はレキの身体へと飛ぶ。
「舐めるなっ!」
 指についた血液を燃焼させるレキ。発生した紅蓮の炎は黒い槍を跡形も泣く蒸発させた。
 その瞬間、レキの身体から黒い靄が噴出する。噴出した靄を少女は吸い込み、嚥下する。更に靄の色がより濃い黒となる。
 そして再び、少女は黒い靄から武器を形成する。しかし数はさっきより上。形成された武器は少女の合図でレキの方に飛ぶ。
 レキは瞬時に親指の皮膚を噛み切って血液を飛ばす。血液は紅蓮の槍となり、黒い武器とぶつかり合う。
 紅蓮の槍は黒い武器を掃討し、少女へと肉薄する。
 黒い靄が漆黒の翼となり、宙へと逃げる。
「逃がすかよ!」
 レキは紅蓮の槍を操作して漆黒の翼に突き刺し、片翼を焼き払う。
 片翼が無くなる事でバランスが一瞬だけ崩れる。しかし瞬時に翼を形成する事でバランスを持ち直す。
 しかし、その一瞬はレキの新たな攻撃を行うには十分だった。
 レキは『絶影』の刃に自身の血液を塗り、振りかぶる。
「灰燼に帰せ…煉獄の……サイズエッジ!!」
 振り切ると同時に『煉獄の檻籠』を発動。
 炎を纏った衝撃波が打ち出される。
 打ち出された衝撃波は空中にいる少女が纏っている靄を焼き払う。
 靄を焼き払われた事で少女はレキに撃墜されたかのように思われた。
 しかし、まだ甘い。少女は獣の如き動きで綺麗に着地をし、靄を噴出し始めた。
 レキは瞬時に『絶影』の形態を1stから2ndに変更。
 『絶影』は大鎌から手甲に姿を変えた。形態を変更させると同時にレキは少女の所へと走る。
 同時に頬を手甲でより傷つけて傷をより深くする。頬からより勢い良く出血した。
 頬からは勢い良く流れる血液は炎に変わり、カートリッジのシリンダーも高速回転する。
 レキの頬から溢れ出す炎は高速回転するシリンダーに吸い込まれていき、手甲から燐火が漏れる。
「煉獄の……紅・砕・滅・閃!!」
 燃え上がる手甲を叩き込むと同時に『煉獄の檻籠』を最大出力で発動。
 黒い靄に包まれた少女が開放された煉獄の劫火で灰燼に帰した。
[レキさん]
 パチパチと音を上げる前方をぼんやりと眺めるレキに通信が入る。
 相手は諜報部の部隊長である雪奈・長月。
[……用件は何ですか?]
 レキは溜息をつきながら聞く。
[いやね~。暴走した先天性古代遺失物能力者がフラついているから、捕まえてもらおうと思って。]
[今、交戦したのですが……]
 レキは『紅砕滅閃』を発動した後の焦げ跡を見る。
[えっ!?]
 驚く雪奈。
[でも逃げられてしまいました]
 確かに焦げ跡は在るが、肝心の少女がいなかった。



〈【甘味処「華蝶風月」】 二十時五十九分〉

 休憩時間に幽霧とアルフィトルテは休憩室のソファーに座り、熱い番茶を飲みながら一服していた。
「お二人も休憩ですか?」
 声のする方を見る二人。そこには青髪の少女がいた。
「リインおねえちゃん」
「こんにちは。リインフォース・ツヴァイ空曹長」
 笑顔を浮かべながら返したのは陸士部隊捜査課の部隊長である八神はやて二等陸佐の秘書にして、次元航行部隊に所属するクロノ・ハラオウン提督の秘書をしているアイン秘書官の妹機であるリインフォース・ツヴァイ空曹長であった。
「お隣良いですかぁ~?」
「どうぞ」
「失礼するですぅ~」
 そう言って幽霧の隣に座るリイン。馴れ馴れしく幽霧の隣に座られるのが嫌なのか、リインの事を可愛らしく睨みつけるアルフィトルテ。
 リインの身体がソファーに身体が触れるか触れないかの瞬間に軽い破裂音を上げながら発生した白煙がリインの身体を包む。
 紫紺の色無地と白いエプロンが床に落ち、煙が晴れた時には二十五センチ前後まで縮んだリインがいた。
「魔力が足りなくなっちゃったみたいですね~」
 自身の身体が小さくなった原因を冷静に推測するリイン。
「……大丈夫なんですか?」
「はやてちゃんが魔力供給をしてくれるまでこのままです」
 そこで湯飲みに息を吹きかけながら番茶を飲んでいたアルフィトルテが口を挟む。
「じゃあ、ママに魔力を分けてもらうと良いよ」
「……はい?」
 魔力を分ける技術は知っていたが、それを自身がする事になるとは思わなかった幽霧は唖然とする。
「それは良い考えですっ!」
 アルフィトルテのアイディアをリインは嬉しそうに受けいれる。
「幽霧さん。人差し指を出してくれませんか?」
 何をされるのか全く分からなかったが、言われるままに幽霧はリインの方へ指を差し出す。
 リインは幽霧の人差し指に軽く口付けをしてからパクリと咥える。
 指先は感覚がはっきりしてる為にリインの舌の柔らかさが分かった。
 今までに体験のした事が無い感触に幽霧はリインの口から指を抜こうとする。
 しかしリインは舌を幽霧の指に絡めて放そうとしない。
 指を甘噛みしたり、執拗に舌で転がしたり、その間から喘ぐように息を漏らしたりするリインに幽霧は色っぽさを感じた。
「あぅ……」
 そして何かが背筋を這い上がってくるような寒気と同時に軽い虚脱感に襲われ、幽霧の口から少し変な声が出る。
 何故かリインが指を咥えながら上目遣いで見つめてくるせいで幽霧の中である種の背徳観と征服感が鎌をもたげる。
「リインさんばかりずるいっ!」
 魔力を貰っているリインが羨ましくなったアルフィトルテは幽霧のあいている手を掴み、その人差し指を口に含んで転がす。
 アルフィトルテはその幼い顔からは想像もできない絶妙な舌使いで、人差し指にねっとりと絡みついてきた。
 リインも負けじと、幽霧の指を喉の奥まで咥え込む。
 左右から魔力を吸われている幽霧は腰がガタガタと震え、思考も少しずつ曖昧になっていく。
「ひゃぁ。あぅ…ぐはっ……」
 幽霧の口から出る吐息も熱っぽくなっていく。
「はふぅ……ご馳走様です♪」
 口元から涎を垂らしながらもリインは幽霧の指を口から出す。何故か微かに頬も熱で上気している。
 リインが咥えていた幽霧の指を抜いた事によって、アルフィトルテも少し名残惜しそうに指を口から抜く。
 幽霧は一度立ち上がろうとするのだが、身体に全く力が入らない。
 まさかリインとアルフィトルテに魔力吸収をされたせいで腰が抜けたのだろうか。
 そこでいきなり身体の大きさを変えるリイン。幽霧は瞬時に顔をリインの方からそらす。
 誰もが無言でいるために、休憩室はしばらく布擦れの音だけしか聞こえなかった。
 色無地を着なおしたリインは口元で垂れていた涎を袖で軽く拭きながら呟く。
「幽霧さんの魔力はとても澄んでますね。何にでも染まるのに、何にも染まっていないようです。だから魔力を取り込みやすかったです♪」
「……そうなんですか」
 魔力の良し悪しについてよく分からない幽霧はそんな曖昧な返事を返す事しか出来ない。
「ママのまりょくはおいしかったよ」
「じゃあ、そろそろ私は休憩時間が終わりなので~♪」
 白い前掛けをつけたリインは休憩室から出て行く。



「はぁ……」
 リインに魔力を吸い取られた幽霧は深いため息をつく。
 他者に自身の持っている魔力を与える技術は存在するが、まさかこんなに疲れるとはおもわなかったからだ。
「ゆ~ぎりくんっ!」
 背後からはやてらしき声が聞こえたと思ったら、いつの間にか背後から抱きしめられていた。
「何で溜息ついとるん? そんなに疲れた?」
「いえ……はやてさん。リインフォース・ツヴァイ空曹長への魔力供給を怠ったでしょう?」
 背中に触れている温かくて柔らかい物を思考の中から締め切り、軽くため息をつきながら幽霧は訊ねた。
 幽霧の一言によってリインの魔力供給を怠っていた事に気づき、幽霧がやつれている理由も予想がついたはやては申し訳なさそうに言う。
「もしかして、幽霧君が魔力を譲渡してくれたん? ありがとうなぁ」
 感謝の意を表すためか、はやては幽霧を抱き締めている腕に力を入れる。
 ほとんど背中に押し付けられている状態でも幽霧は全く表情を変えない。
「顔色一つ変えないんか……つれないなぁ」
「すみません」
 口から出たのは謝罪の言葉であっても幽霧は顔色を変えない。
「まぁ、ええわ……幽霧君は『デュランダル』って知ってる?」
「時空管理局次元航行部隊所属のクロノ・ハラオウン提督の使用していらっしゃるデバイスの一つだったと思いますが」
「正解や」
 まるで機械のように淡々と読み上げる幽霧の方に顎を乗せ、はやては嬉しそうに微笑む。
「その『デュランダル』の前のマスター……ギル・グレアムというんやけどな。その使い魔から聞いた話や」
 そういう前置きをして、はやては語り始める。
「その『デュランダル』はまだちゃんと調整され取らんで、グレアムおじさんたらな……魔力制御を間違えて魔力を行使したから『デュランダル』が中破してしまったんよ」
「それが?」
 話の意図が分からない幽霧は小さく首を傾げながらはやてを見る。
「それで個人的な知り合いに修理に頼んだら……『デュランダル』の基本フレームの修理だけではなく、スペック自体が格段に上がって帰ってきたんや。
 ココからが本題や……その修理した人の名前が…」
 はやては幽霧を焦らすかのように軽く間を置いてから、『デュランダル』の修理をした人の名前を口出した。
「幽霧白零。苗字は幽霧君と同じく、幽霊の幽に夕霧の霧や。今は幽霧家の当主やって」
 自身と同じ苗字の人がいるとは思わなかった幽霧の顔に驚きの色が浮かぶ。
 驚いている幽霧の顔を見たはやては嬉しそうな顔をしながら話を続けた。
「実はな…時空管理局にも幽霧という名の局員がいるんや。今は任務や何かで辺境の世界に飛ばされ取るらしい。名前は幽霧白と言うんやって」
 そしてはやては真剣な声で幽霧に問いかけた。
「もしかして……幽霧白零が幽霧君のおじいちゃんで、幽霧白さんが幽霧のお父さんかお母さんやないのか?」
 真剣な顔で見つめてくるはやての言葉に幽霧は少し考える。
「分かりません。自分には五歳から前の記憶が無いらしいですし、里親をしてくれていた長月部隊長からそんな話を聞いた事はありません」
「そっか……知らへんのか。良い情報かなと思ったのに……残念や」
 真剣の顔で訊ねた問いを知らないと返された事に落胆しているはやて。
 幽霧は思いついた質問を何となくはやてにぶつける。
「さっきの話に出てきたギル・グレアムさんって、はやてさんの元恋人か何かですか?」
 これはあくまで何となく思い浮かんだから訊ねた質問であって、幽霧には何の意図も無い。
 はやては見る見るうちに顔を紅潮させ、慌てているかのように答える。
「ち…違うんや! グレアムおじさんは財産管理や資金援助をしてくれた人で……初恋の人や無いんや……幽霧君の初恋はいつなんや?」
「初恋ですか」
 動揺しているはやてが苦し紛れにした問いに幽霧は考えるような仕草を取る。まるで初恋の経験があるかのように。
「うんうん。お姉さんに言ってみぃ♪」
 浮ついた話がなさそうな幽霧に初恋の経験があることに驚き、興味津々なはやて。
 しかし幽霧の口から出たのは衝撃の一言であった。
「しんじゃいました」
「……えっ…?」
 その一言で沈黙するはやて。その顔には深刻そうであった。愛するものの死。それは、はやてにとっても根深いものだった。
 事故で亡くなった両親。
 そしてはやての扱うデバイス『夜天の書』の管理人格であった初代リインフォース。
 大切な人を失う気持ちは、はやてにも痛いほど分かった。
 幽霧はゆっくりと立ち上がる。その顔は無表情で、目も感情が欠落してしまったかのようであった。
「あっ、うん。ありがとうな」




選択肢
「次はどこに行く?」
①教導隊の【喫茶「白桜雪」】
②首都防衛部隊のお店 【中華「覇道軒」】
③次元航行部隊 【イタリアンレストラン「光の女神てんし」】
④ナイツのお店 【喫茶「砂糖の王冠クラウンオブシュガー」】
⑤査察部のお店 【メイド&執事喫茶「Oberste Erbe至高の遺産」】
⑥陸士部隊 【屋台群「冬天市場」】
⑦アインス&一部有志の店 【アイス「ゼーゲンヴィント」】
⑧自然環境保護隊の店 【屋台「和み鍋」】
⑨無限書庫
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雪奈

Author:雪奈
「交換戯言日誌」を見に来て下さってありがとうございます。
終焉の引き金を引くのは貴方。
物語の続きを作るのもまた……
読んでいる貴方なのです。






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