FC2ブログ

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

-件のコメント

[C157]

クァットロ、なかなかいい仕事しましたねww

この3人はなかなか感情表現が難しそうですね
というか噴き出す笑顔だとは思いませんでしたよww

選択肢は④でw
  • 2008-10-05
  • 投稿者 : 羽
  • URL
  • 編集

[C158]

ディードの姉様には吹いたけど納得できるww
ノーヴェの葛藤はまぁよく判る、
でも彼女には彼女なりの個性があるからこれはこれで良いものですけど
メイドは人に夢を売る...まぁ間違ってないですね、
夢の国のネズミさんと同じようなものと思えば...
さて、ナンバーズの次は...①、査察部かな
どうせ緑の髪の人がセクハラ~って来そうだけどw
  • 2008-10-05
  • 投稿者 : 恭也
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

新規
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

-件のトラックバック

トラックバックURL
http://clowncraown.blog90.fc2.com/tb.php/88-26165cb1
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

『眠れない二日間』④(基本ルールつき)

こんばんは。雪奈・長月です。

今夜は日曜日。
現在、涼香様の時空管理局ラジオ進行中!
それもサンシャインクリエイション41SPラジオです。
ひとまず涼香様は自身の身体をご自愛ください。

というかまず先に私自身の精神をご自愛しないといけないですかね・・・・・

過去の部分が読みたい方は『戯言工房』へ。
ある種のカオス空間なのでご注意下さい

では、コメント返しの前に重要な物を。

自由奔放なSSだとよく言われます。なので、基本ルールを制定しました。
余程の事が無い限りは自ら制定した基本ルールに従事して行います。
読者(プレイヤー)の方々。一見さん。傍観しかしない人。
ちゃんと制定した基本ルールを読んで下さいね。



 正式名称は『Abbildung erwarteten kunftigen』
 色々略して、「なのはギャルゲーテイストSS」舞台はstsから約二年後。主人公も含め、オリジナルキャラクターが多い。
 時空管理局ラジオ実況チャットの方々やリスナーを現在進行形でかなり引きずりこんでいます。
 作者でもどうなるか分からないSS。
 あなたはついていけますか?

基本ルール編

・「なのはギャルゲーテイスト」の主人公について
  幽霧霞(ユウギリ カスミ)
  年齢は十五歳。
  諜報部所属の三等陸士。
  使用デバイスは火器型デバイス「アルフィトルテ」
  かなりの女顔で、初対面だと良く女性と勘違いされる。
  その為、潜入任務時は強制的に女装させられる。

  彼は「読者(プレイヤー)様の分身です、現実同様に様々な出会いと経験を繰り返すことで彼の行く先や人格が変化します
  なのでこのSSを見ている読者様も彼がどういう風に進むか、道を示してください」



・「なのはギャルゲーテイスト」の構成について
  この話は大まかに三つに分けられます。

  まず主人公である彼が攻略キャラクターと面識を深める第一部。

  攻略キャラクターのルートを決定付ける二部。
  攻略キャラクターによっては更なる分岐がある場合があります。
  例を述べると、フェイトルートの途中で起こるイベントでアリシアの攻略ルートに分岐するという感じです。

  そして攻略キャラクターとEDを迎える三部。

  流れの中には良い方向に持って行くイベントもあれば、悪い方向に持っていく落とし穴的なイベントもあります。
  頑張って攻略して下さい。



・ルートについて
  この「なのはギャルゲーテイスト」には大まかに分けると、
  →攻略ルート
  →裏ルート
  →オルタルート

  の三つに分けられています。

 →攻略ルート
  攻略キャラは、なのはさん・フェイトさん・はやてさんなどの既存キャラ。彼の所属する諜報部部隊長である長月部隊長や彼のパートナーであるアルフィトルテなどのオリジナルキャラクター。
  それら全てを含めて約二〇〇人以上のキャラクターを攻略ルートとなっています。
  王道とも言えるなのはさんたちと仲を深めるも良し。
  意外な脇役と交流を深めるも良し。
  「なのは」世界で活躍するオリジナルキャラクターとコミュニケーションを取るのも良しです。

 →裏ルート
  このルートはちょっとしたギャグネタが存分に盛り込まれたルートとなっています。
  間違っても18禁全開のルートではないのでご了承下さい。
  ギャグネタになる設定が盛り込まれている以外は、普通の攻略ルートと変わりありません。

 →オルタルート
  このルートの詳細は深く述べる事は出来ませんが、読者が今まで頑張ってきた成果を裏切るような後味の悪いEDを迎えるルートとなります。
  興味本位でこのルートの条件を満たさない事をお勧めします。
  このルートに至るかは、読者様のやる気にかかっています。



・EDについて
 それぞれのルートを攻略した結果によって至るEDは大まかに

  →最上級ED
  →グッドED
  →普通ED
  →バッドED
  →死亡ED

  →ハーレムED

  →オルタED

 の五つプラス二つとなっています。
 グッド・普通・バッド・死亡は予想がつかれている方が多いと思われるので、それらの説明は省略いたします。

 →最上級ED
  抽象的に言えば、その攻略キャラクターの救いとも言える幸せに至るEDです。
  このEDに至るにはその攻略キャラクターの高感度が他のキャラクターよりはるかに上なのが最重要条件です。
  最上級EDに至る前には…とある難関が存在しますが、このEDに至る事になった方々なら超えられると信じています。

 →ハーレムED
  ある意味で最上級EDより難易度が高いEDです
  簡単に言うと「ハーレムEDというかハーレムルートだと老若男女問わずの幽霧争奪戦」です
  色んなイベントが絡み合ってくるので危険なこと間違いなし。
  あえて自らこの惨劇に挑め! 皆さんは生き残れるか!
  

 →オルタED
  バッドや死亡のEDに至る前にはちょっとしたやり直しチャンスが存在しますが、このオルタEDに至るルートに突入するとそのまま一直線でオルタEDに至ります。
  今まで頑張ってきた読者様の期待を裏切るようなEDにしかなっておりません。救いなど無く、ただ後味の悪いEDです。
  興味本位で至らないようにご注意を



・選択肢
  この「なのはギャルゲーテイスト」のストーリーにおいて重要なものです。
  その選択肢が彼の行動などを決定付けます。
  多く支持される選択肢が彼の行動となり、攻略キャラクターの高感度を上下させます。



・投票
  選択肢とは別に、ストーリーの流れを決まる重要なものです。
  「好きな部隊は?」の投票の場合は、投票結果で票の多い部隊の方をその回で重点的に登場させます。
  たとえば・・・・

  戦技教導だったら、なのは・ヴィータなどの教導組。
  次元航行だったら、フェイト・ティアナ・クロノ・アインスなどの執務官組。
  陸士部隊捜査課だったら、はやて・リインフォースⅡなどの捜査課組。

  といった感じになります。投票結果で主人公の配属も決まります。
  これもネタばれですが、好感度が異様に高いキャラクターがいると、幽霧と同じ配属になる時があります。

(例)投票結果で配属先が戦技教導隊になっても、フェイトの好感度が異様に高いときは、フェイトが戦技教導隊の方に来る

  心配しなくても大丈夫です。三部に移行したときの話ですから。
  組み合わせによっては連鎖作用で、特別なEDに発展する時もあります。
  いろいろとお楽しみに。



・選択肢と投票の仕方について
  選択肢は基本的にブログのコメントかweb拍手でお願いします。時々、とあるチャットでしている時もあります。
  投票は自己紹介の部分に掲載しているので、そこからお願いします。



・リクエストイベント
  読者(プレイヤー)の方々がリクエストしてきたことを実現させるイベントです。内容によっては本編で採用されない場合がありますのでご了承下さい。
  しかし作者任せでいるとろくでもないことになるもので。
  リクエストは選択肢と同じく、ブログのコメントかweb拍手で行っております。



基本ルールに変更や追加がある場合は、再度掲載いたします。

では、コメント返しです。





コメント返し⑪
「なんかもうアルフィトルテが大人っぽいですし、ヤンデレぽいですね~」
 ・アルフィトルテは主人公(読者兼プレイヤー)の娘ですよw
  献身的で可愛い娘をヤンデレと呼ぶとはねw
  私も思いませんでした☆
「結論 ③ 次元航行部隊でのオレンジさんのその後を希望!(爆笑) 」
 ・ごめんなさい。ナンバーズの店がぶっちぎりでしたw

作者である私に「○○ならないように○○して欲しい」や「○○に○○して欲しい」というコメントがあればありがたいです。
「はやてちゃんの出番出せ!」とか「なのはさんをもっと」でもOKです。
中にはある期限までに何かに気づくコメントが必要な場合があります。一定人数が気づかないという事でシナリオが変わる時がありますからね・・・・・・・



本編に入りま~す。
選択肢の結果により、ナンバーズのお店でした。
いいぶっちぎりでした。





『眠れない二日間』④


〈【喫茶「ファミグリィア」】 十六時十五分〉

「いらっしゃいませ。ご主人様」
 幽霧は黒いメイド服で客を出迎える。何故か頭の上には髪の色と同じ焦げ茶色の猫耳が揺れている。
 現在、幽霧はスカリエッティとナンバーズが出店しているメイド喫茶「ファミグリィア」で助っ人として仕事をしていた。割と評判は良いらしく、席は満席だ。
「すまないな。幽霧くん」
 スカリエッティがカウンターで幽霧に言う。どうやら、ネコミミメイドの事を言っているらしい。
 約十分前に裏口から入ったらそこでクアットロが待ち構えており、いきなり頭の上に焦げ茶色の猫耳をつけられた。
 何か特殊な仕掛けがしてあるらしく、その猫耳はしっかりと幽霧の頭に引っ付いてしまった。
 仕事上の理由でつけるのだと思って幽霧はそのままの状態で仕事をしていたのだがナンバーズやヴィヴィオはつけていない。
 どうやらクアットロにはめられたらしい。あえて言うならば、これに関わっていると思われる長月部隊長にも。
 物理でも魔法でもない方法で接着する方法を扱えるとしたら長月諜報部部隊長か鏡月開発部主任くらいだからだ。
 鏡月開発部主任はそんな事をする人には思えないし、こんな悪戯にそんな技術を応用するようには思えない。
 逆に長月部隊長なら何をしてもおかしくないし、悪戯の為ならば自身の持つ技術を惜しむ事も無く湯水のようにフル活用する。
 犯人が分かっていてもどうしようもないし、客にはネコミミメイドとして好評であった。
「いえ。良いです。慣れてますから。」
「そうだったね。じゃあ、幽霧くんは五番テーブルにこのオムライスを頼む。ヴィヴィオは十五番テーブルにこのチョコレートケーキを」
 スカリエッティは幽霧とヴィヴィオにオムライスとチョコレートケーキを渡す。
「了解しました」
「うん。わかった」
 幽霧とヴィヴィオは指定されたテーブルにメニューを持っていく。
「ご主人様。オムライスです」
 幽霧は男性の前にオムライスを置く。
「オムライスには何と書きますか?」
「嵯峨野と書いてくれ」
 少し老けている男性が言う。言動からして、メイド喫茶は初めてなのだろうと感じ取れた。
 幽霧はケチャップを取り出し、綺麗に「嵯峨野」と書く。
 隣でメニュー待ちをしているカップルも、綺麗にオムライスの上に書かれた「嵯峨野」の文字に驚いている。
 嵯峨野と名乗った男性はカップル以上に驚いていた。
「すまないが少し聞いて良いか?」
「何でしょうか?」
 銀色のお盆を胸元で持ちながら首を小さく傾げる幽霧。化粧や格好が相まって、愛らしい。正直、誰が見ても女にしか見えないだろう。
 男性は言う。
「この店では、君たちメイドが食べさせてくれるとは本当かね」
「はい。ご主人様」
 幽霧は笑顔で笑う。
 その笑顔で男性は頬を赤くする。そして、恥ずかしそうに言った。
「すまないが一口だけ、食べさせてくれないか?
 実は………そんな事をされるのが夢だったんだ」
 幽霧は男性の告白に少し驚いた顔をしたが、微笑みながら男性に言った。
「ご主人様の為なら喜んで」
 男性の向かいに座り、オムライスをスプーンで取る。
「ご主人様。口を開けて下さい」
 少し頬を紅潮させながら、幽霧はスプーンを差し出す。
 あまりの可愛らしさに男性は唾を飲んだ。
 意を決して、男性はスプーンを口に含む。
 幽霧は男性に問う。
「美味しいですか?ご主人様」
 笑顔で尋ねる幽霧に男性は満足げに微笑みながら頷いた。そして周辺で見ていた客は羨ましそうであった。



 幽霧と男性を羨ましく見ているのは客だけではなかった。
 ノーヴェは幽霧を見ながら、どんな客にも笑顔を見せることが出来る幽霧を羨ましく感じていた。
 なぜか上手く他人に笑顔を見せる事が出来ないとノーヴェ自身も考えているからだ。
 胸にモヤモヤとした感覚を抱えながら、ノーヴェは仕事をする。
 その時、店のカウベルが鳴る。
「お帰りなさいませ……」
 ノーヴェは硬直する。
「おう。ノーヴェ。ちゃんとやってるか?」
「こんにちは~」
 そこにいたのはゲンヤとはやてだった。
「ちゃんとやってるか?ノーヴェ。」
「まあな」
 ノーヴェは二人をテーブルに案内し、注文を取る。
 側では、幽霧が忙しなく、走り回る。
「幽霧ちゃ~ん。僕にもオムライス~。」
「は~い」
 様々な所から呼ばれている。
「凄いな」
 ゲンヤは呟く。
「まあ。幽霧だからな……」
 苦々しそうに言うノーヴェ。そして、ゲンヤに尋ねた。
「やっぱり、幽霧みたいにしている方が良いとのか?」
 ゲンヤはノーヴェの問いに驚く。すぐに苦笑し、ノーヴェの頭に手を乗せて言った。
「ノーヴェはノーヴェらしくやれ。無理に人のまねをしなくても良い。おれは別にノーヴェみたいなやつも嫌いじゃないからな」
 そう言って、ゲンヤはノーヴェの頭を撫でる。
「おとうさん……」
 ゲンヤにそう言われて、ノーヴェは胸にあったモヤモヤが取れたような気がした。
 はやては注文するメニューを決めたらしく、顔を上げてノーヴェに言う。
「ノーヴェ。あたしはミートパスタを頼むわ。」
「おれはコーヒーだけで良い。」
「かしこまりました。ご主人様。」
 その顔はノーヴェは気づいていないが、晴れやかで綺麗な笑顔であった。
「そう言いながらもちゃんとした良い笑顔が出来るやんけぇ」
「うるせぇ!」
 茶化してくるはやてにノーヴェは顔を真っ赤にして言い返した。



〈【喫茶「ファミグリィア」】 十六時四十分〉

 幽霧は厨房でオーダーされたメニューを無言で淡々と作っていた。客で賑わっているホールとは正反対に、厨房は包丁で物を切る音とフライパンで物を焼く音しか聞こえない。
 それは厨房で共に作業しているセッテ、オットー、ディードの三人が原因であった。
 三人はジェイル・スカリエッティによって作られた十二体の戦闘機人「ナンバーズ」の中で最終製作機に当たる。
 彼女たちはナンバーズで四番の名を冠すクアットロのプランによって人間味の排除がなされていた為に感情の発露が乏しい。
 後見人や保護責任者からもなるべく素直な表情を出すように指導を受けているらしいが、まだ素直な感情と表情を上手く出せないようだ。
 幽霧は別に静かな雰囲気であるのが嫌いではないし、三人はきちんとオーダーされたメニューをしっかりと作っている。しかし賑やかなホールとは正反対に厨房が静か過ぎる事に不気味さを感じていた。
 流石に静か過ぎるのはどうかと考える幽霧。紫紺の髪をした青年が厨房に入ってきた。それはこの店のオーナー権限を持った局員であり、彼女たちの主であるジェイル・スカリエティ開発員の姿であった。
「幽霧くん」
「スカリエッティ開発員。何かありましたか?」
 まだ交代時間でもないのに厨房へ顔を出したスカリエッティに幽霧は首を傾げる。
 申し分けなさそうに後頭部を掻きながらスカリエッティは幽霧に頼み込んだ。
「すまないが……三人にご飯を作ってくれないか? ホールもある程度は落ちついてはきたのだが、まだ手が放せそうも無いからな」
「了解いたしました」
 スカリエッティの頼みに幽霧はあっさりと了承した。業務用の冷蔵庫から卵を取り出し、熱していないフライパンにバターを塗り込む。そして一つのボールに卵を一つずつ割りいれ、一摘まみの塩と大盛りの砂糖を一緒に入れて溶いていく。
 溶いた卵はバターを塗った後に熱していたフライパンに入れて焼き始める。バターの良い香りが厨房に広がっていく。
 軽くかき混ぜる事で空気を絡ませ、手首の動きとフライ返しの先で形を整える。その手際は妙に鮮やかであった。
 きつね色の焦げ目がついた黄色いオムレツ四つ作った幽霧は一つずつ皿に乗せていく。
「セッテさん。オットーさん。ディードさん。一息つきましょうか」
「了解しました。幽霧」
 コンロの火を消し、折りたたみの椅子にちょこんと座るセッテ。
「はい。幽霧姉様」
「自分は一応……男なんですが」
 姉様と呼んで来たディードに幽霧は苦笑する。
 魔力で構築されたツインブレイズの刀身を消したディードは幽霧の方を向き、真剣そうな顔で答えた。
「今は姉様です」
 余り表情が浮かんでいなかったが、ディードの顔には妙な凄みだけは感じられた。これ以上は言ってもきりがないと判断した幽霧は洗い終えたグラスを磨くオットーを呼ぶ。
「オットーさんも一息つきましょうか」
「僕は後で良いです。まだ磨かないといけない物がありますし」
 そう言ってオットーはグラス磨きを続ける。
 断固として休憩しようとしないオットーに苦笑しながらも仕事に従事する姿勢に感心する幽霧。布巾を持ってオットーの隣に並び、共にグラスや食器を磨き始めた。
 幽霧の行動に疑問を感じたのか、不思議そうに首を傾げるオットー。
「貴方までやる必要が……」
「二人でやった方が早く終わるでしょう?」
 そう言って微笑む幽霧にオットーは何も言えなくなり、何故か顔を紅潮させながら俯く。
「私も手伝います!」
 ディードは折りたたみ椅子から立ち上がり、幽霧の隣で食器を磨き始める。それに釣られてセッテもオットーの隣で食器を磨き始めた。
 四人でやったらかグラスと食器を磨く作業はすぐに終わった。
「じゃあ、作ったオムレツが冷めてしまいましたが食べましょうか」
 幽霧の提案に三人は首肯し、折りたたみの椅子に座る。
「これ……甘いんですね」
「すみません。最近、アルフィトルテが甘い玉子焼きをせがんで来るので」
 ディードの感想に幽霧は淡々と答える。
 セッテとオットーは黙々と黄色いオムレツを口に運んでいる。
「ママぁ~!」
 扉が開くと同時に少女の声が厨房に響く。そこにいたのはメイド服を着たアルフィトルテであった。
 アルフィトルテは幽霧に走り寄ってその足にしがみつき、頬擦りをし始めた。
 そんなアルフィトルテの行動に幽霧は全く動じず、慣れているかのように抱き上げる。
「甘いオムレツ食べる?」
「たべるっ!」
 元気に答えたアルフィトルテに、幽霧は微笑みながらオムレツの前に置いた椅子に座らせる。
「いただきま~す」
 アルフィトルテは小さな両手を合わせてからフォークで食べ始める。無我夢中にオムレツをほお張る姿は小動物を思わせた。
「美味しい?」
「うんっ!」
 幽霧の問いにアルフィトルテは満悦の笑顔を浮かべながら答える。 その笑顔はアマリリスの様に清楚で可愛らしく、見る全ての頬を緩ませてしまいそうであった。
 その凄く嬉しそうな笑顔に幽霧の頬もゆるんでいく。
 セッテは無表情で幽霧とアルフィトルテを見つめながら話しかける。
「……幽霧」
「なんでしょうか?」
 余りしゃべる事が無く、感情や表情を出すことが少ないセッテが話しかけてきたことに幽霧は少しだけ驚く。セッテは機械のように淡々と言った。
「笑顔とは……どうやって作るのでしょうか?」
 突拍子も無いその問いに幽霧は言葉を失ってしまった。オットーとディードも笑顔の作り方について気になるらしく、じっと幽霧を見つめてきた。
「そうですね……」
 自身の唇辺りを指でなぞりながら幽霧は笑顔の作り方に考える。約五分ぐらい悩んでからセッテの問いに対する答えを三人に伝えた。
「作るものじゃなくて自然に出てくるものだと言ってしまえば、それまでなんですが……」
 そう言ってセッテの背後に回り、肩を揉み始める幽霧。
 幽霧に肩を揉まれているセッテは意味が分からず、首を傾ける事しか出来ない。オットーとディードもその行動による幽霧の考えが分からないらしく、セッテ同様に首を傾げている。
「セッテさんたちは身体に力が入りすぎているのだと思いますよ。意識し過ぎると力が入るので、上手く笑顔が作れないのだと思いますよ」
 そっとセッテの肩から手を放し、再び幽霧は三人の前に立つ。妙に艶っぽい笑顔を浮かべながら言った。
「自分の笑顔は訓練によって出来た物なので、すぐに出来るようなものではありません。まず、皆さんに必要なのは肩の力を抜く事です。後は自然にしていれば出来る様になって行きますよ」
 妖艶な笑顔を浮かべる幽霧に三人は顔を真っ赤にする。 いきなり顔を真っ赤にする三人に幽霧は首を傾げるしかなかった。
「……うっ。その顔は反則です。幽霧姉様」
「はい?」
 幽霧から顔をそらしながらディードはポツリと言った。
 言葉の意味が上手く掴めない幽霧は更に首を傾げる。
「もう良いです……」
 顔を真っ赤にさせながらもディードは上目遣いで幽霧の方を見つめる。なんだか分からないが幽霧もとりあえずディードをじっと見返す。
 どのくらいの時間が経ったのだろうか。
「ふふっ……」
 沈黙に耐え切れなくなったディードがいきなり噴き出す。
「……噴き出す事は無いじゃないですか」
 幽霧は少し困った顔で言う。しかし次の瞬間にはディードを見ながら微笑んだ。
「でも、ちゃんと……笑えたじゃないですか」
「私……笑えたのですか?」
 自身がいつの間にか笑っていた事に気づかなかったディードはきょとんとする。
 ディードの顔に手を伸ばし、幽霧はそっとディードの頬に触れる。
「じゃあ、次のステップです。まず口元を軽く横に引いて下さい。でも歯を見せないように」
 幽霧の指示に従ってディードは口元を軽く横に引く。口に笑みに似た何かが浮かぶ、
 じっとディードの目を見ながら幽霧は次の指示を下す。
「まぶたの力を軽く抜いて下さい。ちょっと難しいかもしれませんが、相手を優しく見る感じで」
 相手を優しく見る感じが分からなかったが、ディードは出来るだけ力を抜く。
 それによって少しぎこちなさがあるものの、目から優しさが感じられた。
 幽霧は軽く後ろに下がり、メイド服のポケットに仕舞っていた小さな鏡でディードの顔を映す。
「これが笑顔というものですよ。ディードさん」
「はい……これが…笑顔……」
 ディードは幽霧の鏡で映された自身の顔を心の中では驚きながら見ていた。



 それは来店客も少なくなり始めたホールでオーダーを待っている時の事であった。チンクは隣にいる幽霧に話しかける。
「……なぁ、幽霧殿」
「なんですか?」
 チンクはホールを見ながら呟く。
「私たちが良い服を着て給仕しているだけで、客からお金をぼったくるのはどうなんだろうかなぁ」
 こういう商売だと思っていた幽霧は回答に困ってしまう。
 幽霧だったらきっとその答えを出してくれるだろうと思っているらしく、チンクは幽霧をじっと見つめながら答えるのを待っている。
 しばらく考えてから幽霧はチンクに答えを伝えた。
「数少ない友人の話だと、メイド喫茶のメイドさんは人に夢を売る存在らしいです」
「そういうものなのか?」
 予想だにしない答えにチンクは驚いたような顔をする。
「はい。そういうものだそうです」
 幽霧は無表情で淡々とした声で頷いた。
「……そうか」
 チンクはしばらく考えるような仕草を取ったが、どうにか幽霧の友人が言っていた言葉で納得したようだ。
 次に幽霧の格好をじっと見つめながらポツリと言った。
「やっぱり、幽霧殿は女性にしか見えないな」
「……それでも自分は男です」
 流石に性別については譲れないものがあるらしく、幽霧は溜め息をつきながらも返す。
「完璧に女性にしか見えない女装もれっきとしたスキルだぞ」
「そんなスキルはいりません」
 溜め息をつきながら幽霧はチンクの言葉を一蹴した。
「まだ少しぎこちないが、ディードも笑顔を作ることが出来るようになったようだな……これは幽霧殿が?」
 チンクの視線の先には笑顔で働いているディードの姿があった。幽霧は機械のように淡々と答えた。
「自分は仕方を教えただけで、出来るようになったのはディードさん自身の努力です」
 その言い方はまるで自分は何もしていないと言うかのようであった。
「幽霧殿」
「……なんでしょうか?」
「ありがとう。感謝する」
 そう言ってチンクは幽霧に頭を下げる。
 照れくさいのか、あえて自身に頭を下げているチンクを見ずに幽霧は言った。
「……どういたしまして」





選択肢
「次はどこに行く?」
①査察部のお店
②首都防衛部隊のお店
③次元航行部隊
④ナイツのお店
⑤フリー(ご自由にどうぞ)



明日は誕生日かぁ・・・・・・・
スポンサーサイト

2件のコメント

[C157]

クァットロ、なかなかいい仕事しましたねww

この3人はなかなか感情表現が難しそうですね
というか噴き出す笑顔だとは思いませんでしたよww

選択肢は④でw
  • 2008-10-05
  • 投稿者 : 羽
  • URL
  • 編集

[C158]

ディードの姉様には吹いたけど納得できるww
ノーヴェの葛藤はまぁよく判る、
でも彼女には彼女なりの個性があるからこれはこれで良いものですけど
メイドは人に夢を売る...まぁ間違ってないですね、
夢の国のネズミさんと同じようなものと思えば...
さて、ナンバーズの次は...①、査察部かな
どうせ緑の髪の人がセクハラ~って来そうだけどw
  • 2008-10-05
  • 投稿者 : 恭也
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

新規
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

0件のトラックバック

トラックバックURL
http://clowncraown.blog90.fc2.com/tb.php/88-26165cb1
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

Appendix

プロフィール

雪奈

Author:雪奈
「交換戯言日誌」を見に来て下さってありがとうございます。
終焉の引き金を引くのは貴方。
物語の続きを作るのもまた……
読んでいる貴方なのです。






無料アクセス解析

最近の記事

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。