Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

-件のコメント

[C134]

もう出演者がたくさん、豪華ww
ある意味でトリを幽霧に以っていかれたようなもんだけど、
鼻血吹いて倒れるフェイトとかもう可愛ぇぇ!!
雪奈さんの人脈の広さにも脱帽ですね
  • 2008-08-10
  • 投稿者 : 恭也
  • URL
  • 編集

[C135] コメント追加

如月さんと神威さんはTPOを考えて欲しいですw
まぁそれを止めるのは野暮ってもんだけど...
長月部隊長...、普通に盗撮するって..底知れぬお方だ..
  • 2008-08-10
  • 投稿者 : 恭也
  • URL
  • 編集

[C136]  

ライブですなぁ~
出演者の多さに多少驚きですねw
アルフィトルテは成長するのですね、これはまた凄いですwwまぁ、幽霧もちょっとした発言もありましたがね。
それに、フェイトさんは言うまでも無く、色んな意味で凄いですw
  • 2008-08-10
  • 投稿者 : レキ・ジェハード
  • URL
  • 編集

[C137] ググッて参り

なんとも、いろんな意味で難易度が高い話ですね。
  • 2008-08-14
  • 投稿者 : REO
  • URL
  • 編集

[C138]

凄い話ですね……
やはりこういったライブにはアイドルオタクばかりなのでしょうか

闇があればそこはもう…ってことでしょうか
盗撮したものをどう使うのか気になります……
羨ましそうな琴羽ちゃんが可愛かったです
  • 2008-08-15
  • 投稿者 : 縹
  • URL
  • 編集

[C139]

やっぱり雪奈様最高です!

コメントの投稿

新規
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

-件のトラックバック

トラックバックURL
http://clowncraown.blog90.fc2.com/tb.php/80-224f551c
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

コメント返し④&「雪夜のライヴとカーチェイス」④

こんばんは。雪奈・長月です。

今夜は日曜日。
来週は夏のコミケ!
現在、涼香様の時空管理局ラジオ進行中!
自身の身体を大切に。

そういえば、涼香様の「時空管理局通信」と春日木様の「NYOWTYPE」が無事に完成したようですね。
良かった。良かった。
「NYOUTYPE」の内容がまずいですが、本当に大丈夫なのでしょうか・・・・・・
「時空管理局通信」は二人で甘ったるいSSですけどね♪
夏コミは行けないですね・・・・・・今は実家ですし・・・・・・・・

先日。ハードオフに出かけました。
そこで「マヴラヴ」の「オルタネイティヴ」が7千円で売ってました。
衝動で購入すると後悔することが多いので、情報収集・・・・・・・・

・・・・・・・後悔しました 川OTL

情報収集をして三十分後で有名な画像に行き着いてしまいました。
とりあえず、トラウマになりそうな画像でした・・・・・・・・
その反動か、更新用SSを書いている間もマヴラヴが気になってしょうがない・・・・・・・
ここに即席で一時的なマヴラヴ中毒者の出来上がり・・・・・・・
とりあえず、ニコニコのMADを見ながらやりました。
情報収集しただけの私が言うこと。
あれは最高の燃えゲー。シナリオも割りと好き。
グラフィックは最高すぎる。
しかしクリアできるプレイヤーが限られる。
興味本位で手を出したら、心にトラウマレベルの傷が出来る。
だって・・・・・・・あの画像がね・・・・・・・
更新用SSを書いている間にもその幻覚が・・・・・・・・・
治らないものでしょうか・・・・・・・・
アルフィトルテのモデルを探している時に見つけた純夏さんにひかれて・・・・・・現在に至りますね。
やりたいけどやりたくない。
例えると・・・・・・・ツンの部分は苦手だけど、デレた時は抱きしめたいほど好きな感じですね。
小説があるらしいですが・・・・・・・・あれが挿絵で載ってたら泣きそうですね・・・・・・・
良い意味でも悪い意味でも「マヴラブ」の「オルタネイティブ」は良い作品ですね。
私も良い意味でも悪い意味でも「マヴラヴ」の影響は受けましたが。
今、暗いところで更新しているのですが・・・・・・・何かの気配が・・・・・・・・・
背後を振り向いたら何かいそうです。
とりあえず、更新分を掲載いたします。



コメント返し④
「質量兵器といえばミサイルですがそんなもん町中でぶっ放す誘拐犯すごい人です色んな意味で尊敬です」
 ・仕事を完遂するなら何が何でも捕まえるか始末するかしないといけないじゃないですか
「ライヴの方は長月部隊長が場を繋いで……の下りで、ノリノリで踊る部隊長を幻視しました…」
 ・その答えは今回判明しますよ
「フェイトの夢はある意味で予知夢ッぽいが……」
 ・予告というか……警告?





『雪夜のライヴとカーチェイス』④

 武道館の前で雪奈が幽霧たちを待っていた。
「長月さん」
 雪奈は弥生に笑いかける。
「ご苦労様。ちゃんと場は繋げたからね」
 そう言って雪奈は弥生たちを案内する。
 スタッフ専用通路では沢山の局員とスタッフが忙しなく動き回っている。
 弥生はステージの状況を知る為に備え付けのテレビをちらりと見る。
 そしてテレビに映る光景に唖然とする。
 ステージには一人の青年が立ち、司会進行を行っている。
「時空管理局感謝祭も遂に終盤です! 残すところ、後四人! ラスト四人目は時空管理局のアイドル。らぐ姉こと、蔵那クロエちゃんですっ!」
 軽快なBGMと共に白い帽子をかぶった少女が現れる。
 観客は現れた少女に大きな歓声を上げた。
 少女はマイクを両手で抱きしめ、観客たちに叫ぶ。
「みんなっ! きいてっ! 時空の……はちぇまでっ!」
「まさかあれって……」
 驚く弥生に雪奈は駆け寄り、笑顔で答えた。
「涼香さんとクロエさんですね」

《水面が揺らぐ。風の輪が広がる》
 風が輪の様に広がって水面を揺らす。そんな場所。

《触れ合った指先の……青い電流♪》
 隣にいる貴方にふと、触れみる。そしたら電撃みたいのがはしったの。

「一体どうやって……」
「私のコネをなめたらいけませんよ」
 雪奈は唖然とする弥生に笑いかけた。
 唖然としながらも弥生はテレビを見る。

《見つめあうだけで、孤独な加速度が……一瞬砕け散る。あなたが好きよ》
 貴方と見詰め合うだけで、寂しい気持ちが無くなっちゃう。
 きっと私は貴方が好きなんだね。

《透明な真珠のように宙に浮く涙》
 涙が宙に浮く。まるで透明な真珠みたい。

「凄い……」
 千歳は画面に移る光景を見ながら呟く。
 たった一曲で会場にいる観客を纏めつつあるからだ。
 歌っているのは『ミッドチルダの歌姫』と謳われたえーまひよーでも、『癒しの光輝』の八尋でも、『天壌の桜歌』という二つ名を持つ歌月久遠でもない。
 ラジオのリスナーの間で人気なだけの女性。
 それなのに観客が惹きつけられている。
 歌の才は経験と努力の差で上かもしれないが、人を惹きつける才は目の前で歌っているクロエの方が上かもしれないと千歳は思った。
 千歳は静かに歯噛みする。
「……千歳ちゃん」
 その時、隣で誰かが千歳の肩を叩く。
「琴羽」
「私たちもいつか、あの領域に上るのですよ」
「そうだぞ。千歳。お前と琴羽さんはあの領域に辿り着かないといけないんだ」
 弥生も千歳の肩を叩いて笑う。
「兄さん……琴羽……」

《悲劇だってかまわない……あなたと生きたい~♪ キラッ!》
 例え待っているのが悲劇の結末でも良い。
 それでも私は貴方と一緒にいたいの。

 そこで右手の親指・人差し指・小指の三本を立てながらウィンクするクロエ。
 クロエのウィンクに観客が鼻血を噴水のように噴出する。
 中には鼻血を霧のように噴出しながら倒れる人も出てきた。
「おいっ! 大丈夫か!?」
「シンデレラが……時空管理局のシンデレラが光臨した……」
 倒れた人は今もなお、鼻血を噴出しながら呟く。
「すかり~ん!!」

《流星にまたがって、あなたに急降下 ah ah》
 私は流星にまたがって貴方の元に行くよ。

「ウオぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
 観客たちの熱気も最高潮に達し、腕を振り上げながら叫び声があげた。
 中には鼻血を流しながら腕を振り上げる観客もいる。
 舞踏間の床には既に血溜りが出来、倒れているものは全員が至福の表情を浮かべている。
「おwまwいwらw飼い慣らされやがって!」
 根っからの『ウィンドワルツ』ファンらしき男が周囲で発狂している観客に叫ぶ。
 そして激昂する男に周辺の観客は答える。
「「サーセン!」」

《濃紺の星空に。私たち花火みたい》
 まるで私たち。濃紺の星空に咲く花火みたいだね。

《心が光の矢を放つ》
 思いが伝わるように私は貴方の心に光の矢を放つよ

「はいはい。千歳さんも琴羽さんもメイクや衣装を直さないとね~」
 笑顔で手を叩く雪奈。
 千歳と琴羽はメイクアーティストの待つ待合室へと入る。
 幽霧は雪奈に尋ねる。
「自分は何をすればよろしいのでしょうか?」
「ん~。こっちの部屋に入ってくれれば良いよ」
 千歳と琴羽の入った部屋の隣にある待合室を指差す雪奈。
 その顔は何かろくでもない事を考えている時の黒い笑顔であった。
 雪奈の意図が全く分からないが、幽霧は隣の待合室に入る。
 待合室で待っていたのは左右の髪にリボンを縛り、メイク道具を持った女性であった。
「天音さん」
「ちょっとだけ久しぶりですね~。幽霧さん。いや……至高の歌姫オーヴァストゥディーヴァ?」
 そこにいたのは居酒屋『苺壱枝』の女主人。月城天音であった。
 楽しそうに笑う天音に幽霧は苦笑しながら答える。
至高の歌姫オーヴァストゥディーヴァ? って……あの時は……」
「じゃあ。もう一度、天音の言う至高の歌姫オーヴァストゥディーヴァになってもらおっか。幽霧♪」
 ドアを背にして、雪奈は笑う。
「どう言う事でしょうか?」
 大体のことは予想がついているが、あえて雪奈に尋ねる幽霧。
 幽霧の問いに雪奈と天音は笑顔を浮かべる。
 雪奈の笑みはあらゆる物を自身の思い通りに操るような黒い笑顔。
 片や、天音の笑みはあらゆる物を従えるような威圧のある笑顔であった。
「簡単だよ。ちょっと取引の材料で幽霧を使う事になっただけだよ」
 そう言って雪奈は待合室にあるテレビの電源をつける。

「ラスト三人目は超豪華ゲスト! 『ミッドチルダの歌姫』えーまひよー嬢と『癒しの光輝』八尋嬢!」
 涼香の言葉に観客全員が唖然とする。
 『ウィンドワルツ』のコンサートを見に来たのにまさか、クラナガンのトップアイドル二名が登場するとは思っても見なかったからだ。
 静かになった会場の中で涼香は歌われる曲の題名を告げた。
「歌われるのはこの曲! え~まひよ~さんの「それでもあなたを愛してる」です。今回はえーまひよーさんと八尋さんのデュエットver! 嬉し過ぎて発狂しないで下さいね!」
 スピーカーから少しテンポが早いBGMが流れる。
 二人の口から紡がれるのは孤独な哀しさの中にも力強さを秘めた壮大なバラード曲。
 片想いの彼に気持ちを伝えたいけど、不器用な私はドキドキするばかりで恋の一歩が踏み出せない。
 一人の夜は寂しく、そんな時こそ貴方が側に居て欲しいと想う女性のせつない感情。
 例え貴方がどんな過去を背負っていたとしても、私はあなたを好きになってしまった。
 スローテンポの中にも感じ取れる力強いメロディーが、聞いた人の心に響かせる愛の歌。
 今回はライヴ用にテンポが従来の物より速く、歌詞も幾つかがアレンジされている。

「実はえーまさんと涼香さんに緊急で交渉したら、交換条件として幽霧がライヴで歌って欲しいと言われちゃってね~♪ 八尋さんは友情出演ですが」
 雪奈はかなり黒い笑顔で説明する。
「私も嬉しいですね~。もう一度、至高の歌姫オーヴァストゥディーヴァを見られるなんて~」
 化粧道具を構えながら距離を詰めて来る天音。
 唯一の出口は雪奈がいる。
 そして目の前には天音が化粧道具を構えている。
 確実に逃げられる状況ではない。
「……分かりました」
 ため息をつきながら幽霧は同意した。
「じゃあ、衣装を着るので脱いで下さい」
「……はい」
 雪奈たちの前で幽霧はカッターシャツのボタンを外し始めた。
 幽霧の着ていたカッターシャツとTシャツが床に落ちる。蛍光灯の光を浴び、綺麗にくぼんだ鎖骨のラインが、彫像を思わせる白くきめ細かな肌が露わになる。
 何故か天音はゴクリと唾を飲んだ。
「やっぱり肌……綺麗なんですね」
「そうですか?」
 首を傾げる幽霧。
「だって幽霧だからね~」
 爽やかな笑顔で親指を立てる雪奈。
「はぁ。納得です」
 天音はそう言って、一着のドレスを渡す。
 渡されたのは今回もマーメイドスタイルのドレス。
 純白の生地を基調に右肩から縦にブルーラインが引かれている。首の部分を含めた要所にひだが幾重にもあしらわれており、本来は舞踏会などの礼装。
 人魚の名を示す通り身体に密着するように設計され、いやでもボディラインが浮き彫りになる。
 幽霧は胸部に胸パッドを付け、マーメイドスタイルのドレスを着用した。
 ドレスのデザインで胸パッドが見えないので、まるで幽霧の胸が本当に膨らんでいるように見えた。
「……どうでしょうか?」
「流石です。慣れていると言うのは伊達じゃありませんね。同じ女の子として、貴女に憧れますね♪」
「だから……自分は男です」
 一種の賛美も入った天音の冗談に幽霧は苦笑する。
 最後に幽霧の唇に口紅を塗り、髪に髪飾りをつけた。
「う~ん」
 雪奈はドレスを着た幽霧を見ながら唸る。
 何故か満足しているようには感じられない。
 自身の見立てが悪かったのかと思った天音は雪奈に尋ねる。
「えっと……あの……私のセンスが悪かったでしょうか?」
「いいや。天音の選択はグッド。でも何か足りない……」
 唸りながら雪奈は幽霧の上から下までジロジロと見る。
 流石にジロジロと見られるのは恥ずかしいらしく、幽霧の頬は微かに赤い。
 そしてアルフィトルテを見た。
「そうだ! パートナーだ!」
 雪奈はアルフィトルテの前で手を差し出す。
 突然の行動にアルフィトルテは首を傾げる。
「アルフィトルテ。幽霧と同じ年齢の身体になって。ドレスは赤と黒。私の魔力を幾らでも吸収しても良いよ」
 差し出された雪奈の手を握るアルフィトルテ。
 幽霧たちの目の前でアルフィトルテの身体が急成長する。
 成長した少女の身体に光が纏わりつき、赤と黒のドレスを形成した。
 アルフィトルテの姿に幽霧と天音は唖然とする。
 まさか目の前にいる少女がアルフィトルテだと思わなかったからだ。
 元々のアルフィトルテも可憐であるが、目の前にいる少女は半端じゃないくらいの美少女であった。
 無表情の多い幽霧も流石の変化には目が点になっている。
「どう? ママ」
 アルフィトルテは幽霧に尋ねる。
 呆然としながら幽霧は一言だけ呟く。
「……あーおねえちゃん……?」
「えっ?」
 幽霧の呟きにアルフィトルテは聞き返す。
 雪奈の顔が一瞬だけ驚いた顔をする。
「はい? 何か言った?」
 無意識の独り言だったらしく、幽霧は首を傾げる。
 話を聞いていないと思ったアルフィトルテは怒りながら言い直す。
「だから! ……どう? ママ……」
 尋ねるアルフィトルテの頬はとても赤い。
 幽霧は微笑みを浮かべながら、アルフィトルテの問いに答える。
「可愛いよ。アルフィトルテ」
「やったぁ♪」
 褒めて貰えた事が嬉しかったらしく、幽霧に抱きつくアルフィトルテ。
「さて、そろそろ行かないとね」
 雪奈はそう言って待合室の扉を開く。
 扉を開いた途端、フェイトが入ってきた。
 そして硬直した。
「大丈夫! ……幽……霧……くん……?」
 女装をした幽霧を始めて見るフェイトは凍りついたかのように硬直。
「どうですか? フェイトさん」
 フェイトに向けて妖艶な笑顔を浮かべる幽霧とアルフィトルテ。
 その瞬間、フェイトの鼻から鼻血が噴水の様に噴出しながら倒れた。
「あ~らら♪」
 鼻血を噴きながら至福の表情を浮かべるフェイトに雪奈は苦笑した。



「ラスト二人目は管理局と芸能界で囁かれている伝説の歌姫! ミラージュです!」
 涼香が告げた瞬間、会場の電気が全て消される。
 突然の闇に観客たちが騒ぎ始めた。
 スピーカーから、さっきより静かでゆっくりとしたテンポの曲が流れる。

《みつめていることさえ 罪に思える》
 貴方を見つける事でさえ、私には罪であると思えてしまう

 次の瞬間、柔らかな声が広がった。
 優しく、包み込むような、そんな温かい歌声。
 そして透明で夜の闇に溶けてしまいそうであった。

《あなたの心を知りたい……もしも盗めるなら》
 もし盗めるのなら、私は貴方の心を知りたい

 会場に旋律が流れる。
 それは哀しくて寂しくも、どこか優しくて懐かしい旋律。
 ステージに一筋の光が落ちる。
 現れたのは二人の少女。
 一人は茶色の髪に濡れた様な黒い瞳に、うっすらと唇に引かれた夜色の口紅。
 もう一人は 夜の闇に隠される事無く浮かび上がるような紅い髪に鮮血をそのまま固めて出来たような真紅の瞳。
 二人の身に纏うのはマーメイドスタイルのドレス。
 片方は青と白で、片方は赤と黒のドレス。まるで対称にしたかのようであった。
 胸から腰に出来たくびれやほっそりとした華奢なボディラインが浮き彫りになっている。
 まるでどこかのパーティから抜け出したような感じであった。

《報われない想いに濡れて行く。傘もささない帰り道》
 雨が降る日に傘もささずに歩く帰り道。決して叶わない想いに私の心も涙で濡れてしまう

 硝子の鈴を想わせる様な澄みきった声音が流れる。

《通りがかる車 はね返す。つめたい しずく 雨》
 その冷たい雨の雫が見も心も濡らしてしまう

 建物の中なのに一陣の風が前触れもなく通り過ぎる。
 これはそよ風の響きだろうか。
 否。それは夜を思わせる闇の中で流れるささやかな歌だった。

《ほんのちょっとでもいいから ねえ 私を見て あなたに心を見せたい いっそすべて言えたら》
 少しでも良いから、私は貴方に全てを見て欲しい。
 いっそ、全てを言えたら良いのにね。

 その旋律はか細くて弱弱しさを感じたが、明確に人の心を打つ何かがあった。
 特別な技法など無く、殊更に美声というわけでもない。
 しかしその声から織り成す音の連なりはひどく純粋で、心の模様を音に変えた様な飾り気の無い美しさがあった。
 まさしく、魂の歌声。
 ただあるがまま、自然に歌い上げるその響きは多くの歌い手が最初に望み、得られぬままに忘れ果てていく一つの極致。

《報われない想いをどうするの 傘もささない帰り道》
 帰り道、傘もささずに歩きながら貴方を想う。
 この報われない想いを私はどうすれば良いの。

 全員が、己の吐息の音さえ押し殺して聞き入った。
 不粋な自分の呼吸音が切ない程に純粋な歌をかき乱さないように。
 それと一緒に調理の音や食事の音も消える。
 余計な物音が歌の持つ透明さに濁りを与えては仕舞わぬ様に。

《好きよ キライよ いいえ 愛してる》
 私は貴方が好きです。でも嫌いです。
 ううん、違います……私は貴方を愛しています

 夜を思わせる闇に極光を思わせる旋律が流れる。
 その旋律は空気の様に聴く者を包み込む。

《迷う しずく 雨》
 雨が降り注ぐ中で濡れながら私は迷う。

「あ……あれ?」
 観客の一人が自身の頬を拭う。
 頬に流れていたのは一筋の涙。

《報われない想いが濡れてく 傘もささないひとり道》
 報われない想いで心が濡れている一人の帰り道。

 歌姫たちから紡ぎ出される曲も終わりに向かっていく。
 その時点で、聴くという動作をしていない人はいなかった。
 全員が瞼を閉じ、身動きもとらないでその曲に聞き入る。
 まるでわずかな音色すら取りこぼすまいとするように。
 観客たちは涙を止めようとせず、そのままステージを見る。

《決して あなた気づくことはない 涙 しずく 雨 》
 その想いに決して貴方は気付かないだろう。
 雨と一緒に涙が雫となってこぼれる。

 ついに聞いている人全員が涙を流し始める。
 しかし誰も拭おうとはしなかった。

《報われない想いに濡れて行く。傘もささない帰り道》
 決して報われることの無い貴方への想いだけが心を満たしていく。

「これが……えーまさんのいう逸材の歌声ですか?」
「ええ……」
 涙をぼろぼろと流す八尋。
 えーまは指の腹で涙を拭いながら答えた。
 幽霧とアルフィトルテの歌は歌詞が切ないというのもある。
 しかしその歌は胸をつくほど悲しくなるような歌声であった。
 無意識に涙を出させてしまうかのように。

《通りがかる車 はね返す。つめたい しずく 雨》
 通る車が跳ねた水は冷たく、心も冷えていく。
 私は貴方の想いで満たして欲しいのに。
 しかしそれは決して叶わない願い。

 こうして、歌姫の歌は終わる。
 歌姫たちはゆっくりと息を吐く。
 夜色と紅の唇から漏れる吐息が夜を思わせる闇の中に溶けて消えた。
 ここでやっと聴いていた人たちも深く息を吐いた。
 徐々に歌姫たちを照らしていた照明が消える。
 照明が消えた闇の中で観客たちの嗚咽だけが聞こえた。

「みなさ~ん! 何泣いてんですか!」
 会場に明るい声が響き渡る。
 同時にステージの照明が一気につく。
 そこにいたのは衣装を着た千歳と琴羽。
「私達がその涙を吹き飛ばしてあげる!」
「ついにラスト! 真 打 登 場 ! アイドルグループ『ウィンドワルツ』の如月千歳と音無琴羽です!」
 服の裾で流れた涙を拭いながら涼香はその名を叫んだ。



「ご苦労様」
 舞台袖では雪奈たちが笑顔で幽霧とアルフィトルテを迎えた。
「ありがとうございました」
 幽霧は出迎えた人たちに一礼する。
 ステージでのドレスを元の姿に合わせて戻ったアルフィトルテもぺこりと一礼した。
 二人の一礼に和みながらも歓声を上げた。
「ねぇ。幽霧くん。アイドルをしてみない?」
 悪戯っぽく笑いながら幽霧に言うえーま。
「丁重にお断りさせて頂きます」
「残念だね♪」
 何故かえーまではなく、八尋が楽しそうに笑う。
「らぐぅ~。凄かったにゃ~」
「ありがとうございます」
 幽霧は話しかけてきたクロエに頭を下げる。
「……流石、私の……お姉さまなのにゃ……」
「はい?」
「何でもないにゃ~」
 顔を隠しながら走っていくクロエ。何故か頬が赤かったのは気のせいだろうか。
「……幽霧くん」
「大丈夫ですか? フェイトさん」
 スタッフたちの端にフェイトの姿があった。何故か鼻にティッシュをつめている。
「うん……」
 顔を真っ赤にさせ、左右の指をもつれさせながら頷くフェイト。
 フェイトは幽霧をチラチラ見ながら尋ねる。
「えっと……綺麗だよ……幽霧くん……」
 幽霧はフェイトの言葉に硬直する。
 元々、幽霧の目には生気が余り無いのに、ついに目が死んでしまった。
 舞台裏にいた人たちが幽霧の死んだ目にギョッとする。
 笑っているのは上司である雪奈だけだ。
 死んだ魚のような無機質な目で幽霧はフェイトに言った。
「……そうですか」
「ごめん……なさい……」
 幽霧に見つめられたフェイトはガタガタ震えながら謝罪する。
 フェイトの中にある何かしらのトラウマを刺激してしまったのだろうか。
「まぁ……良いで……」
 何かを諦めてた様な幽霧。
 そしていきなりぶっ倒れる。
「駄目だよ……ふぇ?」
 フェイトは突然の事に慌てながらも幽霧の身体を受け止めた。
 突然の事態に舞台裏が騒然となる。
「ちょっと貸して」
 雪奈だけは平然とした様子で幽霧を抱きかかえた。
 そして雪奈は幽霧の顔に耳元を当てる。
 幽霧は静かに寝息を立てていた。
「疲れて寝ちゃったんだね……」
 苦笑する雪奈。その顔は妙に優しげであった。
 舞台袖にいた全員は安心で胸を撫で下ろす。



「はぁ……」
 深いため息をつく弥生。
 弥生がいるのは観客がいなくなった武道館。
「やっと二人もここまで来たんですね……」
 ステージの床を撫でながら弥生は呟く。
 ここまで辿り着く間までに色々とあった。
 千歳が弥生のいた事務所のオーディションを受けた事から始まった。
 妹である千歳と同じく、新人である音無琴羽との出会い。
 そして二人のプロデューサー兼マネージャーとして再び芸能界に足を踏み入れた。
 ある日突然、千歳の声が出なくなった。
 琴羽が家出して、如月家の居候となった時もあった。
「まだまだこれからだな……」
「弥生」
 背後を振り向くとそこには神威の姿があった。
「ご苦労さん」
 にやりと笑いながら神威は弥生に缶コーヒーを差し出す。
 弥生は缶コーヒーを受け取る。
 自動販売機ですぐに買ったものらしく、とても温かい。
 プルタブを開ける音が二人しかいない会場に響く。
 缶コーヒーを嚥下する弥生。
 疲弊した身体に缶コーヒーの甘さと温かさが身体に染みた。
 神威は弥生の隣に座る。
「今夜は色々あったな~。大丈夫か~? 弥生~」
「まあ、大丈夫」
 しばらく会場が沈黙で満たされる。
「あの……さ……」
 弥生はゆっくりと口を開いた。
「大晦日は社長に無理言ってでも休むから……その……」
 言う事も恥ずかしいらしく、弥生の頬は微かに赤い。
「お前の仕事の合間にデートしないか?」
 弥生の告白に神威は何も言わなかった。
「神威?」
 隣を見る弥生。
 弥生の肩に頭を乗せながら神威は寝ていた。
 意味の無い告白をしてしまったことが恥ずかしかったらしく、しばらく硬直する。
「はぁ……なかなかうまく行かないなぁ……」
 我に返った弥生は苦笑しながらため息をつく。
 そして隣で眠る神威の顔に触れる。
「……そういえば、神威にこうして触れるのも久しぶりと言ったら、久しぶりかな……」
 弥生の指が神威の肌を滑る。
 いつもは関西方面の方言を使う男勝りでセクハラ魔な神威だが、眠っている時の顔や身体の柔らかさは女の子であった。
 眺めたり触ったりしている内に弥生は神威にキスしたいという衝動に襲われた。
 寝ている神威に無理矢理するのも悪いとは弥生も思ったが、キスしようと思った。
 何故なら起きている神威はのらりくらりとかわすし、迫っても恥ずかしがるからなかなかさせてくれないからだ。
 神威にゆっくりと顔を寄せる弥生。そして神威の唇に触れる。
 触れた神威の唇は瑞々しく、とても柔らかかった。
 名残惜しそうに唇を離す弥生。
「……ヘタレやなぁ」
「!?」
 いきなり目を開いた神威にぎょっとする弥生。
 まさか起きているとは思わなかったようだ。
「数多い特技の一つ。秘技『狸寝入り』や」
 その声は弥生に届いていない。
 起きていたと言う事はさっきの告白まで聞かれていたという事になる。
 わたわたする弥生の頬を神威は両手で挟む。
 神威の顔が徐々に近づいていく。
 弥生と神威の唇がゆっくりと触れる。
「答えは……これで駄目か?」
 顔を真っ赤にしながら首を左右に激しく振る弥生。
「でも残念やな……寝ているときじゃないとキスしてくれないなんて」
 左目を閉じながら右目を半分だけ開け、人差し指を唇に当てる神威。
 微かに赤い頬と濡れた唇で妙に艶っぽい。
「だって、神威が……」
 妙に色っぽい神威に弥生はドギマギする。
「男はちょっと強引な感じの方が良いんやで」
「じゃあ……」
 いきなり神威を押し倒す弥生。
 神威の両腕は弥生に押さえつけられる。
 冷や汗を流し始める神威。
「や……弥生?」
「少し強引な方が良いのでしょう?」
 弥生は神威に覆いかぶさり、唇を塞ぐ。
 そして舌で唇を開き、神威の口内に侵入し始めた。



「うわっ……公共施設で奥さん押し倒したよ……」
「兄さんの節操なし」
 雪奈と千歳はステージの二人を見ながら呟く。
 弥生は誰もいないと思っているようだが、実は椅子の影からステージの二人を見ている人が何十人もいたのだ。
 現場スタッフもいたし、時空管理局感謝祭に出た人たちは一人残らずいる。
 二人を茶化したい衝動を抑えながらも息を殺して、その場を見守る。
「如月マネージャー……」
 押し倒されながら弥生に濃厚すぎるディープキスをされている神威を羨ましそうに見る琴羽。
 となりで千歳は自身の相方に突っ込みを入れた。
「はい。そこっ。羨ましそうな顔をしないで下さい」
「そろそろこんな所ではヤバい意味でハッテンしそうな気がするのは気のせいでしょうか……」
 ある局員の呟きで全員がギョッとする。
 雪奈はカメラや創作魔法でその場の出来事を録画しながら言った。
「まあ、良いんじゃない? 恋は自由って言うし、これはこれで……弱みが握れるし……ふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……」
 黒い笑顔で不気味な笑い声を上げる雪奈を見た局員たちは思っただろう。
 この場でハッテンしようとしている二人もヤバいかもしれないが、一番やばいのはここでカメラや創作魔法で盗撮している諜報部部隊長だと。
 そこにいる全員が決意した。
 盗撮をしている諜報部部隊長を止める事は出来なくても、ステージでハッテンしている二人を止めないといけない。
 動こうとする人たちに雪奈はステージの二人を眺めながら小さく呟いた。
「……ステルスバインド・アイギステイスト」
 その場にいた人全員の身体が硬直し、姿や声が一瞬にして消えた。
 雪奈が魔法で動こうとした局員の身体を硬直させ、姿と声を隠したのだ。
 動く事を決意しようとした人たちは黒い笑顔を浮かべながら魔法を発動した雪奈にぞっとした。
「ふふふふふ……」
 雪奈の不気味な笑い声を小さくあげた。



 待合室で幽霧は壁にもたれかかりながら熟睡していた。
 今もなお、着ているのはマーメイドスタイルのドレス。
 暖房が入っているが流石に薄いドレスだと風邪を引くからか、身体には毛布がかけられていた。
 隣ではアルフィトルテが幽霧の肩に頭を預けながら眠っている。
「……」
 フェイトは椅子に座りながら眠る二人を見守っていた。
 そして小さく呟いた。
「うん。やっぱり綺麗だな……」
 眠っている幽霧の顔は起きている時の幽霧を知っている者であれば、本人か疑ってしまうくらい綺麗な寝顔であった。
 起きている時の幽霧は無表情で大人びているように感じられるが、寝ている時はまるで子供のように純粋無垢な感じがした。
 その上。ドレスとあいまって、二人の眠り姫という言葉が似合うような感じになっている。
 そんな幽霧を見ているフェイトは思う。
 目の前で寝ている少年の過去に一体、何があったのだろうか。
「ふわぁ……」
 フェイトはあくびする。
 誘拐されていた時は寝ていたとはいえ、フェイトの身体には疲労が残っていた。
 そしてその時に見た夢も余りよろしくなかった。
 フェイトは幽霧の隣に歩み寄って座る。
「……おやすみ。幽霧くん」
 何気なくフェイトは幽霧の額にキスをした。
 幽霧の毛布に身体を潜り込ましてからやっと事の次第に気づく。
「ううっ……幽霧くんが可愛いと言うか、いつもエリオやキャロにしてからというか、割と好きだからというか……」
 フェイトは頬を赤らめながら自身に言い訳をしていた。
 雪奈たちが打ち上げをする為に待合室へ戻って来る後十分前の事であった。


スポンサーサイト

6件のコメント

[C134]

もう出演者がたくさん、豪華ww
ある意味でトリを幽霧に以っていかれたようなもんだけど、
鼻血吹いて倒れるフェイトとかもう可愛ぇぇ!!
雪奈さんの人脈の広さにも脱帽ですね
  • 2008-08-10
  • 投稿者 : 恭也
  • URL
  • 編集

[C135] コメント追加

如月さんと神威さんはTPOを考えて欲しいですw
まぁそれを止めるのは野暮ってもんだけど...
長月部隊長...、普通に盗撮するって..底知れぬお方だ..
  • 2008-08-10
  • 投稿者 : 恭也
  • URL
  • 編集

[C136]  

ライブですなぁ~
出演者の多さに多少驚きですねw
アルフィトルテは成長するのですね、これはまた凄いですwwまぁ、幽霧もちょっとした発言もありましたがね。
それに、フェイトさんは言うまでも無く、色んな意味で凄いですw
  • 2008-08-10
  • 投稿者 : レキ・ジェハード
  • URL
  • 編集

[C137] ググッて参り

なんとも、いろんな意味で難易度が高い話ですね。
  • 2008-08-14
  • 投稿者 : REO
  • URL
  • 編集

[C138]

凄い話ですね……
やはりこういったライブにはアイドルオタクばかりなのでしょうか

闇があればそこはもう…ってことでしょうか
盗撮したものをどう使うのか気になります……
羨ましそうな琴羽ちゃんが可愛かったです
  • 2008-08-15
  • 投稿者 : 縹
  • URL
  • 編集

[C139]

やっぱり雪奈様最高です!

コメントの投稿

新規
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

0件のトラックバック

トラックバックURL
http://clowncraown.blog90.fc2.com/tb.php/80-224f551c
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

Appendix

プロフィール

雪奈

Author:雪奈
「交換戯言日誌」を見に来て下さってありがとうございます。
終焉の引き金を引くのは貴方。
物語の続きを作るのもまた……
読んでいる貴方なのです。






無料アクセス解析

最近の記事

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。