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[C97] 感想

中身が濃く、うまい感じに戦闘シーンがめり込まれていました。
最後に幽霧が出したあの魔法もまだ謎だらけですが、SLBを打ち抜くというだけでもかなりの魔力が凝縮されていると予想。

退院はやっとですかw
レンさんはそのままなのは当たり前、まぁあと1ヶ月以上は入院決定な気がする・・・・
シャマルさんの呟きはある意味意味深ですね

次の買い物はどうなるでしょうかねw
  • 2008-06-08
  • 投稿者 : 恭也
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[C98]

長らくコメント出来ず、申し訳ありません
まとめてコメントするコトにします

フラグが色々と立ってきたな~と感じがします
なのはさんのルートでいいのではないかと思いました(何
本当にどのルートに入るか判りませんね……

幽霧の能力もどうなるんでしょう……
それに幽霧もどこに向かうのでしょうかね……

レン……君はもう戻れないんだろうか……

色々周囲が騒がしいようですが、気にせずにいままで通りいればいいと思います
これからも頑張って下さい
  • 2008-06-08
  • 投稿者 : 如月
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[C99]

まとめて読んだので一気に感想書かせてもらいます。
幽霧くんはやっぱり創るほうの人だったんですね。しかっり受け継いでいるんですね
いろいろなフラグが立ってきてますねwでも、なのはさん濃い目ですね!あまあまでしたww
女の子って言われて落ち込む幽霧「くん」が可愛くってw
レンさん・・・不死身だったんですねw病院からはでられなさそうですけどw君は生き延びることができるか?
ナタネさんとシャマルさんの言葉・・・気になりますね
そして何より、幽霧無事に(?)退院できたんですねw
戦闘の描写が熱かったです!
退院していきなりなのはさんとやり合うなんて、パワフルですねw
買い物は一体どうなるのか楽しみに待たせてもらいます!

いろいろ大変そうですが、
これからもがんばって下さい
  • 2008-06-12
  • 投稿者 : 鋼鉄の亡霊
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[C100]

んにぃーww
とりあえず、レンはそのまま病院に縛り付けてしまいましょうとか考えたくなる入院期間でしたw
なのはさんとのバトル、短くても濃すぎるが故に死合にしか見えない私がいます
とはいえ、伏線や謎が複数登場して混迷を助長した休息というか入院期間
どんな意味合いを得て、どんな意味合いを綴り、どんな意味合いを失うのか
焦点となるべき部分が僅かずつ出てきている気がします

往くべき道のりは誰を求めるのかにて輝きを変える
胸の奥に秘めたる想いを糧に、歩むは騒乱の道

嘗てを想いながら、ジャンルが変化してきたように見える私はこれにて失礼します
  • 2008-06-12
  • 投稿者 : 神無月
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012.「病院。林檎と一時の休息」⑫

おはようございます。雪奈です。
やっと「病院。林檎と一時の休息」が終わりそうです。
疲れました。
いつのまにか10,000ヒット。
感慨深いですね。やっと10,000ヒットです。
なきそうです。
10,000ヒットするのにどのくらいかかったか分からないですからね。
これからも『交換戯言日誌』をよろしくお願いいたします。
では、「病院。林檎と一時の休息」⑫を開始します。





 106号室に戻った幽霧はベッドの隣に置かれた冷蔵庫を開け、なのはたちに尋ねる。
「キャロさんたちからプリンやケーキを貰ったのですが、食べますか?」
「ずっと気になっていたんだけど……冷蔵庫の上に乗っているそれ……なに?」
 冷蔵庫の上に乗っている虹色の大きなビンを指差しながら尋ね返すなのは。
 それはアインを経由して渡された雪奈特製の『ユグドラシルの蜜』。
「長月部隊長特製の栄養剤ですが、食べますか?」
 幽霧はあまったスプーンをビンの中に突っ込み、粘液状の中身を取り出す。
 水飴の様に糸の引くそれには光沢があり、窓から差す日差しで虹色がより輝く。
 虹色に輝くそれをスプーンで巻き、なのはに差し出す。
「……いただきます」
 幽霧が差し出した『ユグドラシルの蜜』を口に含むなのは。
 口の中に甘みと鼻を突き抜けるような爽やかな感じが広がる。
 そして徐々に身体が温かくなっていき、リンカーコアも熱を持ち始めた。
「……はぐっ……うっ。くっ……」
 リンカーコアのある胸部を押えるなのは。
 顔や身体が熱で朱に染まっていく。しかし熱は上がっていく。
 意味も無くリンカーコアが熱を持つ事はこれまでに一度も無かった。
 原因が分からないまま、リンカーコアの熱は急速に冷めていった。
 身体はまだ少し火照っているが、妙な爽快感がある。
 まるで長年、身体を蝕んでいた疲労や損傷が払拭された様な感じだ。
「大丈夫ですか?」
 心配そうな幽霧はなのはに尋ねる。
「うん……大丈夫」
 そう言うなのはだが、汗びっしょりである時点で説得力がない。
 汗ばんだ肌に服が貼りつき、妙な色気もにじみ出ている。
 しかしなのはが大丈夫と言っているのだから、大丈夫なのだろう。
「自分はシャマル医務官に診断して頂いて来ます。冷蔵庫の物は食べても良いですよ」
「私も行く」
 アルフィトルテと共に106号室を出ようとする幽霧になのはは言った。



「さて、診察を開始しましょうか」
 『クラールヴィント』を起動させるシャマル。指にはめられた指輪が微かに発光する。
「お願いします」
 幽霧は着ているパジャマのボタンを全て外し、シャツをまくる。
 露になった幽霧の肌には傷一つも無く、白磁気の様に白くて滑らかな肌であった。
 幽霧の肌になのはは感嘆し、シャマルは生唾を飲んだ。
「どうかしましたか?」
 不思議そうな幽霧の声にシャマルは我に返り、本来の目的である診察を始める。
 ほのかに温かい幽霧の上半身にシャマルの冷たい指が触れる。
「ひゃっ……」
 余りの冷たさに幽霧は女の子の様な悲鳴を小さく上げた。
 しかしそれはシャマルの嗜虐心に似た何かを刺激するだけだった。
 幽霧の身体中を撫でるシャマルの息は徐々に荒くなっていく。
「シャマルさん?」
 妙に息が荒いシャマルに声をかけるなのは。その声は異様なまでに冷たい。
 なのはから放たれる殺気に似た気配に流石のシャマルも我に帰る。
 診察が終わったシャマルは『クラールヴィント』を停止させた。
 そしてシャマルはカルテをまとめながら幽霧に診断を下す。
「筋繊維などの内部も完治し、前より強固になっています。これなら退院も許可できます」
「ありがとうございます」
 幽霧はまくっていたシャツと脱いだパジャマを着直す為に背を向ける。
 その間になのははシャマルに声を掛ける。
「シャマル先生」
「なにかしら? なのはちゃん」
 いきなり呼び方が変わったなのはにシャマルは首を傾げる。
「軽くで良いので、身体を診てくれませんか? 特にリンカーコアの部分をお願いします」
「ん~? 分かったわ」
 なのはの言葉の意図が分からないが、シャマルは診察を開始する。
 シャマルは隊服の上からなのはの身体に触れた。
 再起動された『クラールヴィント』が再び輝く。
 触診を開始した途端、シャマルの顔が驚きに変わる。
「こんな事が……」
「どうしたんですか?」
 着直した幽霧がシャマルに話しかけた。
「治る筈が無いと言われていた後遺症が綺麗さっぱり……治ってる。」
「え……?」
 シャマルの口から出た驚愕の実態になのはも驚きが隠せない。
「それだけじゃないです。ダウンしていた最大魔力値も遥かに上昇しています」 
 なのは以上にシャマルが驚きで声が震えていた。
「やっぱり、あの飴のせいなのかな……?」
「飴?」
 シャマルはなのはの口から出た単語に首を傾げた。
「長月部隊長お手製の栄養剤です」
 幽霧は『ユグドラシルの蜜』について説明する。
 話を聞いたシャマルは驚きながらも一言だけ呟いた。
「民間療法で匙を投げられたリンカーコアの損傷を修復出来たというのも恐ろしいものですね……」



 
「はぁ……」
 溜め息をつきながら、幽霧となのはの二人は診療室から出る。
 長月部隊長特製の栄養剤『ユグドラシルの蜜』の話が出たせいで、しばらくシャマルに問い詰められていたからだ。
 何故か診察を受ける前よりも身体が重かった。
 廊下のベンチに座っていたアルフィトルテとヴィヴィオが二人に気づく。
「ママ~!」
 アルフィトルテは幽霧に。ヴィヴィオはなのはの足にしがみつく。
「大丈夫……?」
「なのはママ。大丈夫だった?」
 自分たちの保護者の安否を気遣うアルフィトルテとヴィヴィオ。
「大丈夫だよ」
「ヴィヴィオ。私も大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」
 幽霧となのははしがみついてくる二人の頭を撫でる。
 アルフィトルテとヴィヴィオは嬉しそうに笑った。
「ねぇ。幽霧くん」
「……何でしょうか?」
 少しだけ真剣な感じがするなのはの声に幽霧も身構える。
「身体慣らしも兼ねて、模擬戦しよっか」
「分かりました」
 断れない雰囲気に幽霧は頷くしかない。
 幽霧はなのはを病院の訓練室まで案内する。
「ココです」
 そう言って、幽霧は訓練室のスライドドアを開ける。
「わぁ……」
 目の前に広がる訓練室の大きさに感嘆の声を上げるなのは。
 訓練室の中は何も無いが、中は結構広いからだ。
「じゃあ。初めよっか」
 なのはは訓練室の奥まで走り、幽霧と向かい合う。
「はい。お手柔らかにお願いします」
 幽霧はゆっくりと頷き、コート型のバリアジャケットを羽織る。
「どこからでもかかってきて。レイジングハートっ!」
 『レイジングハート』を起動し、エクシードモードとなるなのは。
 幽霧は閉じていた瞼を開く。その目は死んだ魚の様な目であった。
 死んだ魚の様に濁った目から放たれる幽霧の冷たい殺気に一瞬だけ押されるなのは。
 その一瞬の隙を突き、幽霧はなのはに疾駆する。
 しかし、まだ拳銃形態の『アルフィトルテ』は抜かない。
〈アクセルシューター〉
「シューートっ!」
 なのはは接近してくる幽霧に向かって[アクセルシューター]を発動。
 桃色の魔弾が幽霧に向かって撃たれる。その多さあえて形容するならば、桃色の弾幕。
 幽霧はそこで『アルフィトルテ』を抜き、前方にある桃色の弾幕に向けて引き金を引いた。
 銃口から灰色の魔弾が撃ち出され、弾幕の一部を相殺する。
 しかしそれだけでは弾幕を避ける事も越える事も出来ず、幽霧は弾き飛ばされた。
「ディバイン……」
 徹底的に幽霧を潰そうと言わんがばかりに[ディバインバスター]のチャ-ジを開始するなのは。
 音叉の様な形状をした『レイジングハート』の先に魔力が集束する。
 しかし易々となのはに[ディバインバスター]を撃たせるわけにはいかない。
〈シュートバレット〉
 幽霧は「アルフィトルテ」を抜き、早撃ちの応用で銃口から[シュートバレット]を発動。
 銃口から圧縮された魔力が弾丸として撃ち出される。
 [シュートバレット]がなのはのバリアジャケットの上から腹部に衝撃を叩き込んだ。
「……ぐふっ……バスタぁぁぁぁぁぁ!」
 腹部を襲う衝撃になのはは耐え、[ディバインバスター]を発動。
 桃色の閃光が幽霧を襲うが、紙一重でかわす。
 避けた幽霧をなのはは[アクセルフィン]で追いながら、詠唱を破棄した[アクセルシューター]を大量発生させる。
 その撃ち出される魔弾の弾数は連射の領域ではなく掃射の領域だ。
 幽霧は迫り来る桃色の弾幕を時に避け、時に魔弾を撃ち出して相殺していく。
「エクセリオン……バスタぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 遂に大量発生させた魔弾が無くなったらしく、今度は[エクセリオンバスター]を叩き込むなのは。
 幽霧は敢えて、迫ってくる桃色の閃光に突っ込む。
 ある種の自殺行為に仰天するなのは。
 しかし幽霧の行う行為は自殺行為ではなく、なのはへの反撃だった。
 なのはの[エクセリオンバスター]を紙一重で避けると同時にアルフィトルテの銃口を向けた。
〈ラウンドシールド〉
 次の瞬間に[其は白き炎]を発動された前回を忘れてはいなかったのか、『レイジングハート』はオートで[ラウンドシールド]を展開。
 幽霧が発動した魔法は[レイジングハート]の予想外の魔法であった。
「アイギス」
 展開された[ラウンドシールド]を幽霧は[アイギス]で石化。身体を軽く捻り、石化した[ラウンドシールド]に蹴りを叩き込んだ。
 なのはに石の壁が叩きつけられ、訓練室の壁に叩きつけられる。
 流石の幽霧も模擬戦としてはやりすぎかと思った。
 しかしその隙をなのはが突く。
「レイジングハート! カートリッジロード!」
〈アクセルシューター〉
 カートリッジを廃莢する音と同時に石の壁を突き破り、桃色の弾幕が幽霧を襲う。
「アルフィトルテ。アクセルシューター」
〈あくせるちゅーたー!〉
 その弾幕を幽霧は[アクセルシューター]で相殺する。
 一度に魔力を使い過ぎたのか、幽霧は溜め息をつく。
「カートリッジロード」
〈ディバインバスターA.C.S.〉
 幽霧が一息ついた隙になのはが[ディバインバスターA.C.S.]を発動。
 槍状の『レイジングハート』の先に半実体化魔力刃を展開させ、幽霧に突っ込んできた。
 身体に突き刺さるギリギリで幽霧は[ラウンドシールド]を展開。しかし既に遅い。
 [ラウンドシールド]を砕き、幽霧を弾き飛ばす。
 幽霧と距離をとると同時になのはが[ストレイトバスター]を撃つ。
 咄嗟に幽霧は[アイギス]を発動。
 なのはの[ストレイトバスター]を石化させる。
〈アクセスシューター〉
「シューットッ!!」
 間髪も無く、なのはが「アクセルシューター」を発動。
 集束して一本の閃光となったが石化した「ストレイトバスター」も撃ち抜いて幽霧に迫る。
「バリアバースト」
 幽霧は拳に「バリアバースト」を纏わせた状態で集束された「アクセルシューター」に突っ込む。
 「アクセルシューター」が零距離に迫る。
 しかし、それはもはや致命ではない。
 常人を凌駕した知覚にはその一撃までの刹那は無限であった。
 踏み締める大地、そして跳躍。
 虚空に幽霧の体が舞う。蝶の如く軽やかに宙を跳び、大地へと舞い降りる。
「えっ……!?」
「なっ……」
「はい!?」
 なのはの驚愕が訓練所に響く。
 当然だった、確かになのはの「アクセルシューター」は幽霧を捕らえたはずなのに一瞬でその姿が掻き消えたのだ。
 今もなお、幽霧は拳に「バリアバースト」を纏わせて突貫する。 迷いはなく、ただ真っ直ぐ突き進むのみ。
〈ディバインバスター・エクステンション〉
「シューっトっ!」
 高密度で圧縮された魔力が減衰することなく対象を撃ち抜く、強力な砲撃魔法が魔法陣から放たれる。
「聖鎧布」
 幽霧は詠唱を破棄して[聖鎧布]を発動。
 迫り来る[ディバインバスター・エクステンション」にただ真っ直ぐに拳を叩き込む。。
 その拳撃は刹那を超え、認識を超え、大気を超え、 知覚を凌駕した認識領域で幽霧の拳が叩き込まれる。
 [聖鎧布]を纏った拳と大気が放たれた砲撃魔法を爆砕する。
 爆砕した大気が暴風を生む。 質量を伴った残像が放たれた砲撃魔法に顕現する。
 繰り出す拳は無限数、穿たれ抉られ放たれた砲撃魔法は拡散される。
 同時に[聖鎧布]が硝子が砕ける様な音を立てながら強制解除された。
〈バレルショット〉
 なのはは[聖鎧布]が解除されるのとほぼ同時に「バレルショット」を幽霧に叩き込む。
 幽霧はなのはの「バレルショット」によって吹き飛ぶ。
 衝撃波を喰らった幽霧は動こうとした途端、身体が動かないのに気付いた。
 どうやら不可視のバインドを喰らっているらしい。
 なのはの方を見ると[レイジングハート]を中心に魔法陣が展開され、周辺からの魔力を集束されていた。
 どうやら、集束魔法を放とうとしているらしい。
〈ジャケットパージ〉
 [アルフィトルテ]は幽霧にかけられたバインドを解く。
 しかし、既にもう遅い。
 なのはの前に巨大な魔法陣がされ、幽霧を狙っている。
 効果範囲は、なのはの前にある訓練室全体。
 回避する事も叶わない。
 幽霧はなのはの魔法を回避するという選択肢を破棄。
 残る手段はただ一つ。
 なのはの集束魔法を迎撃する事だが、幽霧はそんな魔法を持っていない。
 確かに幽霧は迎撃する魔法は持っていない。
 しかし、なのはに一矢報いる魔法を一つだけ持っていた。
 なのはに『アルフィトルテ』の銃口を向け、幽霧は呟く。
「白夜と闇夜の狭間にありし黄昏。その中に黄金の月は見えるか」
 『アルフィトルテ』を握る腕がぼんやりと輝く。
 その魔法は周囲の魔力を吸い込み、幽霧の魔力も吸収していく。
「集束魔法……?」
 今も尚、魔力を集束させ続けるなのはは怪訝な顔をする。
「其は全てを貫く極星。其は全てを穿つ月の雫。其は全てを灼く紅陽」
 集束した魔力は強制的に銃弾サイズまで圧縮され、『アルフィトルテ』に装填される。
「受けてみて幽霧くん!」
 なのはの集束魔法はほとんど完成し、あとは撃つだけだ。
「スターライト……」
 なのはは『レイジングハート』を振り下ろす。
 幽霧は『アルフィトルテ』のトリガーを引く。
「ブレイカあぁ!!」
 魔方陣から桃色の魔力の奔流が撃ち出される。
「其は神と魔王すら撃ち抜く英雄の魔弾」
 『アルフィトルテ』の銃口から限界まで魔力の集束と圧縮がなされた魔弾が撃ち出された。
 桃色の奔流が魔弾を飲み込み、幽霧をも飲み込む。
 幽霧は桃色の奔流によって、訓練室の壁に叩きつけられる。
 完全に魔力が霧散した時、その場に残されたのは壁にめり込んだ幽霧と頬から血が流れたなのは。
 なのはは驚きで言葉を失っていた。
 確かになのはの[スターライトブレイカー]は幽霧を壁にめり込ませる位の威力があった。
 しかし幽霧が最後に撃った魔弾は[スターライトブレイカー]を撃ち抜き、なのはの頬に一筋に傷をつけた。
 今までになのははそんな魔法に出会ったことは無かった。

 ――集束された魔力の奔流を貫く射撃魔法など

 無言で壁にめり込んだ幽霧の方に歩み寄るなのは。
「幽霧くん。大丈夫?」
「どうにか……」
 やはりダメージがあるらしく、幽霧は呻く様に言う
 なのはは頬に走った一本の傷が少し痛かったが、笑顔で幽霧に言った。
「ごくろうさま」





 次の日。
 幽霧は退院と言う事もあり、早朝からシャマルとスフィーダの診療室に来ていた。
「これで幽霧くんも退院か……」
「短い間でしたが、お世話になりました」
 回転椅子に座りながら頭を下げる幽霧。
 そして診療室を立ち去ろうとした時、シャマルに呼び止められる。
「最後にちょっと聞きたい事があるんだけど……良い?」
「何でしょうか?」
 呼び止められる理由が分からない幽霧は首を傾げる。
「私の知り合いからよく聞く[聖鎧布]って何? それに昨日、訓練室で使ったあの魔法は?」
「覗いていたのですか」
 シャマルに見られていたとは思わなかった幽霧は少しだけ驚く。
「話を逸らさないで」
 驚いている幽霧にシャマルは冷たく言い放つ。
 そのまま何も言わないで出るのも手だが、シャマルから逃げ切れるとは思ってはいなかった。
 幽霧は軽く溜め息をつき、簡潔に答える。
「皆様の言う[聖鎧布]は自分の造った防御魔法です。昨日、使用した魔法は魔力を極限にまで圧縮して撃ち出す射撃魔法です」
「そう……ありがと」
「では、失礼します」
 シャマルに幽霧は黙礼し、診療室を後にする。
 幽霧が去った後、スフィーダはシャマルに尋ねた。
「今日はずいぶんと幽霧霞に絡んでいましたが、何かありましたか?」
 シャマルは背もたれに体重を預ける。椅子の背もたれがシャマルの身体を受け止める。
 溜め息をつくようにシャマルはスフィーダに答えた。
「幽霧霞さんの身体は常人以上に魔力伝導率が高かったんです。まるで幽霧くんの身体自体が……」
 軽く間を置き、シャマルは呟く。
「……デバイス」



「おはよう。幽霧」
「おはようございます」
 106号室に戻ると、雪奈と雫が幽霧を出迎える。
「雪奈さん。それに先生。お仕事は大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよ。鉈部隊長代行に押し付けてきたから」
「私一人がいなくても、開発部はちゃんと仕事をして下さるはずです」
 幽霧の問いに雪奈と雫は笑顔で答える。
 自身の部署の局員を信じている様な雫の言動はともかく、鉈に仕事を押し付けてきた雪奈は意外と酷い。
 軽く嘆息しながら幽霧は残りの荷物を片付け始める。
 その時、スライドドアが開く。
「おはよう。幽霧くん。元気そうで何よりや」
 入ってきたのは捜査課部隊長のはやて。
「八神さん」
「幽霧くんが今日、退院すると聞いてな。仕事行く前に来させてもらったわ」
 はやては幽霧に笑いかける。
「それと、仕事で忙しいなのはちゃんとフェイトちゃんから伝言を預かってきたわ。退院おめでとう」
 はやての口から伝言という形で伝えられたなのはとフェイトの言葉に幽霧は少しだけ胸が温かくなる。
「さて、そろそろいこっか。今晩は私と雫の家で幽霧の快気祝いでもしよう」
「そうですね」
 雪奈の提案に雫も微笑む。
「夜なら、なのはちゃんもフェイトちゃんたちも大丈夫なはずですね。私も伺わせていただきます」
 三人が楽しそうに話す中、幽霧は包帯巻きになったレンに歩み寄る。
「自分は先に退院します。自身の身体をご自愛下さい。レン・ジオレンス陸曹長」
「別れの印にキスプリースっ!」
 無理にでもキスする為に幽霧に飛び掛ろうとするレン。
 しかし話がうまく進むはずもない。
其は呪いの魔弾ガンド!」
 アルフィトルテの指先から巨大な魔弾が撃ち出され、レンの腹部に命中する。
「オゥ! イエィス! ギューシィポォリィイエィス!!」
 何故か奇妙な断末魔を残し、レンはベッドに沈む。
 その顔は妙に幸せそうであった。



次回は幽霧が誰かとお買い物に行く話です。
その誰かは投票で決めたいと思います。
読者の皆様。よろしくお願いします。
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中身が濃く、うまい感じに戦闘シーンがめり込まれていました。
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レンさんはそのままなのは当たり前、まぁあと1ヶ月以上は入院決定な気がする・・・・
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長らくコメント出来ず、申し訳ありません
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フラグが色々と立ってきたな~と感じがします
なのはさんのルートでいいのではないかと思いました(何
本当にどのルートに入るか判りませんね……

幽霧の能力もどうなるんでしょう……
それに幽霧もどこに向かうのでしょうかね……

レン……君はもう戻れないんだろうか……

色々周囲が騒がしいようですが、気にせずにいままで通りいればいいと思います
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まとめて読んだので一気に感想書かせてもらいます。
幽霧くんはやっぱり創るほうの人だったんですね。しかっり受け継いでいるんですね
いろいろなフラグが立ってきてますねwでも、なのはさん濃い目ですね!あまあまでしたww
女の子って言われて落ち込む幽霧「くん」が可愛くってw
レンさん・・・不死身だったんですねw病院からはでられなさそうですけどw君は生き延びることができるか?
ナタネさんとシャマルさんの言葉・・・気になりますね
そして何より、幽霧無事に(?)退院できたんですねw
戦闘の描写が熱かったです!
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いろいろ大変そうですが、
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なのはさんとのバトル、短くても濃すぎるが故に死合にしか見えない私がいます
とはいえ、伏線や謎が複数登場して混迷を助長した休息というか入院期間
どんな意味合いを得て、どんな意味合いを綴り、どんな意味合いを失うのか
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胸の奥に秘めたる想いを糧に、歩むは騒乱の道

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Author:雪奈
「交換戯言日誌」を見に来て下さってありがとうございます。
終焉の引き金を引くのは貴方。
物語の続きを作るのもまた……
読んでいる貴方なのです。






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