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[C229] お久しぶりの更新ですね!!

時空管理局ラジオのレギュラー放送終了は悲しいです。
 でも悲しみと同じくらい今回のお話…待ったかいがありました。
 みっちゃんの奇抜な言動が前回の話より更に鋭さ
 を増していますね。
 お久しぶりに書かれて内容部分等もだいぶお忘れに成られていたと書かれており不安を持っていましたが、全然気に成らないくらい自然で良かったです。
 ただ今回のお話はみっちゃんとはやてがメインだった為か若干ヴィヴィとクレアの出番が少なかった気もしますが…それは次に期待しています!!
 そしてこのお話でみっちゃんがどれ程まで強いかと言うのを思い知ったシーンが私にはあります
 それはみっちゃんが召喚魔法に置ける詠唱と装備発動のシークエンスに置ける起動手順を主導で行ったシーンです。
 全て自らの口で述べて組み上げると言うのはなのはの世界ではデバイス中心の魔法の組み立てが多いので一部の人達以外はやられていなかった…それをああも易々とライフワークともいえる自然な動作で出来た所から技量の高さをうかがい知りました
 た…たぬきに変身した!! 場面では思わず笑ってしまいました。
 ちびたぬきを担いでタヌキに変身って言う案は最高ですw
 しかしその後の突入部分からギャグでありながらも真面目な部分を描ききっておられるのがやはり凄い。
 二つの事柄を上手く噛み合わせてるのが相当考えられていると思わせる部分でした。
 後は彼の底知れぬ器が魅力的ですね。
 はやてに敢えてセクハラすることで緊張を解きほぐす場面は並みの男の方では出来ないですもの。
 底知れぬ器がどうなるのか、ヴィヴィ、クレア、みっちゃんは何者か? はやてはどうなるか? 楽しみが着きません。
 応援しております
 無理なさらないようにこれからも頑張って下さい!!
 では
  • 2011-10-02
  • 投稿者 : 白野杏
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魔法少女幻想戦記 リリカルはやて KronoDriver07

今夜、『時空管理局』のラジオがレギュラー放送最終回。
また、物語を始めようかな。そう思った矢先の出来事でした。
――終わりは始まりと共に。確かに、確かに……そう言いますが……。
これは皮肉が利きすぎてんじゃないかと思います。ああ、マジ喜劇です。
瑣末な幸福と不幸は硬貨の表裏のようなものと言いますが、余り重ならないで欲しかったです、この偶然。
最近生きる事が億劫になるほど乾いていますから、せめて面白いSSを書こうと思った矢先ですので、ずっしりきますね。
自然な流れというのは決して止まることなどなく、いつかは終末に至るもの。
小説や漫画などの創作物では、決して覆る事のない真理といえるルール。
それは物語書きとして分かっているはずなのに、それでも終わらないでいて欲しいと思う私がいる。
「魔法少女リリカルなのは」の中では異端なこの作品を知ってもらうすべがなくなるというのもありますが、
それ関係なく、執筆の苦労に喘ぎながらも頑張って書いた大切な理由の一つが喪失するのはやはり悲しい。
本当に、これから寂しくなりますね。
では、これは一つの区切りとして。
とりあえず、今までお疲れ様でした。涼香様。
涼香様の時空管理局ラジオは不定期になるようですが頑張って下さいませ。
これから、私もがんばってみます。
でも一つ心残りががあるならば……
時空管理局ラジオで第137回(2010/04/03)に
私が文章初のX-Deep達成して以来、
誰も、文章でX-Deepを取る人が出なかった事

……ですかねぇ。

そんなかんだで本当にひさしぶりの執筆作業。
KronoDriver06書いてから、四ヶ月近く間隔ありますからね。
内容覚えてない。時間がない。執筆センスが上がってない。
とにかく、悲しい三重苦の修羅場なう。
作者の私ですら色々忘れてかけてましたから、久しぶりの皆さんもいちいち昔の記事を探るのは億劫な事でしょう。
なので、下に『総集編(笑)なう』と称した記事を作っておきました。

魔法少女幻想戦記 リリカルはやて KronoDriver07 『混沌の戦争ウミ

 †

「ん~、まぁ……それでも」
 クックックッと喉奥で意地の悪さが分かるような声を漏らし、口を三日月に歪ませて嗤う。
 そしてはやての方へと向き直ったミドガルズは、腕を広げて哄笑する。まるで、はやてが昔読んだ小説に登場する悪魔――
 ――ファウストをはめたメフィストフェレスのように。
「宿命から逃げられないけどな★」
「はっ……?」
 そう言って彼は意味が分からず首を傾げる彼女の手首を掴んで引き寄せる。
 歯を剥き出しにしたその笑みはどこか餌を前にした獰猛な鮫か何かを彷彿させた。
 今もピエロのように戯けているが、その中に己の道を阻む者を破滅させる事を厭わないという狂気が混じっていた。
 これはそう受け取ったはやてが臆病なだけなのだろうか。
 彼が立ち向かおうとしている相手は丘の向こうにいる戦争そのものだと分かっているはずだ。
 なのに、はやてはなんだか自分自身が被食者になっている気がしてならなかった。
 そしてミドガルズは瞬時にはやてを引き寄せた手を離し、巻きつけるようにしてその腕を彼女の腰に回す。
「きゃあっ!」
 それに対し、うぶな可愛らしい悲鳴をあげるはやて。
 確かに彼女は同姓に対し、胸を触る等のセクハラを日常的に行っている。
 だが――
 実を言うと逆に彼女がそんな事をされる経験は余りなく、意外と男性との直接的な接触に免疫がなかったりする。
 だから彼女は恥ずかしさと共に彼の手がそっとわき腹に触るその感覚に妙なこそばがゆさを感じ、思わずそんな声が出てしまったのであった。
 自身ですら予想だにしていなかった声に顔を真っ赤にして慌てて口を押さえるはやて。
 流石のヴィヴィも一瞬だけ固まり、クレアはどこか気まずそうに顔を背けた。
「くくっ……」
 ミドガルズも唖然としていたが、すぐに我に返って忍び笑いし始める。
 緊迫感のあった状態でのそれで気が抜けしたらしく、ヴィヴィは軽くため息をつく。
 今から戦場の飛び込むという状況でこんな醜態を晒したのが恥ずかしくて仕方ないのだろう。はやては顔を真っ赤にするして俯くしかない。
 真顔で何気なく腰に回した手でうな垂れる彼女の横腹をくすぐるミドガルズ。
「うひゃあっ!」
 気分が落ちている所にそんな事されるとは思っても見なかったのだろう。その口から再び可愛らしい鳴き声を上げた。
「なにすんのやっ!」
 明らかにおちょくられている事が癪なのか、はやては声を荒げる。
 それに対し、ミドガルスは楽しいといわんがばかりにニヤニヤと笑いながら返す
「少なくとも、気分転換になっただろ?」
「……うぅ……」
 その返答に何も言えなくなってしまうはやて。
 彼の言うとおり、さっきまで感じていたものがいつの間にか薄れていた。
 まだ胃がキリキリしているが、少なくとも不安や鬱屈とした気持ちは払拭されている。
 だからこそ、ミドガルズにその心を見透かしていると言わんがばかりに図星を突いていることが悔しかった。
 しかし今の彼女に出来る事といったら不機嫌そうに唸る事だけだった。
「さて、いこうか。生娘ちゃん♪」
 威嚇してくるはやてをより挑発しながら彼は頭に乗せていた狸のお面を被り、かかとを鳴らして足元に魔法陣を展開。
「そんじゃあ……征きますかねっ」
 彼は小さくそう言って地面を蹴り、はやてを抱きながら空高く跳躍。
 二人のじゃれあいに拍子抜けていたクレアとヴィヴィも顔を引き締め、己の身体に魔力を付与して身体力強化を行うと、先に跳んだ彼を追いかけるように鉄火場へと出撃する。
 ミドガルズに抱かれているとはいえ、何の予兆もなく空中に身を投げ出す羽目となったはやてといえば――
「きゃあぁぁぁぁっ!」
 驚きの余り、情けなく悲鳴を上げるしかなかった。



 戦場へと向かっているミドガルズたちであるが、その手段にはやては驚きを隠せなかった。
 今、三人が使っているのは飛行魔法ではない。あくまで魔力付与による身体強化での跳躍で目的地へ向かっているのだ。
 だからその軌道はどちらかと言えば、直線ではなく軽く放物線を描きつつ落下するようなものとなる。
 しかし丘から見える距離であるとはいえ、流石に一度の跳躍で戦場にたどり着くのは無理である。
 そこで彼らが行った方法は空中に魔力を集束させて一時的に高密度の床を作り、まるで飛び石を跳び越えているかのようにそれを足場に跳躍して高速移動しているのだ。
 しかしそれでも彼らの魔力運用技術や制御能力が上手いのだろう。感覚としては走っているというよりかは、本当に空を飛んでいるかのようであった。
 ミドガルズにしがみついているはやてがそこで思い出したのは、ナカジマ姉妹の扱っている《ウィングロード》だ。
 あれは地上を発生基点にして太い魔力の帯を作り出し、そこを走行している形だが――
 魔力運用とその制御。それらを限界まで突き詰めた末に行き着く形が、ミドガルズたちが今実際に行っているものとなるのではないだろうか。
「た~ん、た~ん、たぬきの×××××は~」
 ただ空を駆けているだけでは暇になったのだろうか。立体的で妙にリアルな狸のお面を被ったミドガルズが歌を歌い始める。
 しかしその童謡は明らかにこの場にそぐわない上にセクハラじみている歌詞だった。
 暢気に歌を歌っている場合なのだろうか。はやてがそんな事を考えたその時。
 ミドガルズと彼女の前方に魔法陣が展開される。回転するそれをくぐり抜けた瞬間、彼の身体が肥大化。
 纏っていた衣服が弾け飛び、全身から茶色の毛が一斉に生え、人の姿を失う。
 弾け飛んだものが一度魔力に変換され、その体を覆って新たな皮を構築する。
「風に揺られて、ぶ~らぶら~。ぶ~らぶら~」
 そして彼が次のフレーズを歌う頃には既に、その外見は福々とした身体に巨大な陰嚢を持った狸へと変わっていた。
 煙管を口に銜えて、頭には編み笠を被り、ちゃんちゃんこをまとった姿はまさしく――ミッドチルダの居酒屋の店先にもいるような狸の置き物そのものだった。
「と、みせかけてっ!」
 狸になったミドガルズは空中に新たな床を構築。踏み割る勢いで彼は体重を掛けて力強く踏み締める。
「打ち出せ青春っ!」
 高い弾力性を持ったそれは巨大化け狸へと姿を変えた彼の太い両足をしっかりと受け止め、その反発力で彼の身体を空高く飛ばした。
 砲弾よろしく打ち上げられたその巨体は強風を巻き起こしながら空へ昇って行く。
 反発による勢いを失って来ている事に気付いた時には既に戦場どころか、地上から見えた険しき山脈すら見下ろせる所まで来ていた。軽く目線を下に向ければ、はやてたちが先ほどまでいた森の端から端まで見渡せるくらいであった。
 次元航行艦ならともかく、単独で普通に飛行魔法を展開した程度では至れない高度区域に思わず彼女もぎょっとする。
 しかしはやてが本当に肝を冷やすのはこれからだった。 
「必っ! 殺っ!」
 いきなり目を大きく開いて力強く咆哮するミドガルズ。その目から放たれる光はとてつもなく怪しげなものであった。
 それに呼応するかのように魔法陣が球体状に展開。
 まるで壊れないように強度を上げるが如く全方位展開型の防御魔法が幾重にも張られていく。
 はやては嫌な予感がした。この狸が予想通りの事を仕出かすつもりなら、それは洒落にならないくらいヤバい。
 彼女が軽く視線を頭上に向ければ、球体の外に周囲のそれとは別の魔法陣が展開されていた。
 勿論、その魔法陣の中心には風船の如くゆっくりと膨張していく魔力球が。
 色んな意味でぞっとするはやて。
 獣化系統の変身魔法魔法で巨大狸に姿を変えているこの男は冗談抜きで、狂気の沙汰としか思えない馬鹿げた突入方法で戦争に介入する気のようだ。
 途中で離れない為だろう。けむくじゃらな身体に全身を押しつけられるはやて。
 右腕で力一杯押しつけられたはやては息苦しさを感じた。だが、その温かい身体は毛でふさふさとしていて肌触りがよく、どこか太陽の匂いがした。
「メテオインパクトぉぉぉぉっ!」
 どこか楽しげな声で吠え、ミドガルズは展開した魔法を発動。
 魔力球に溜めこまれていた魔力が間欠泉よろしく噴き出し、防御魔法をまとったミドガルズたちを地上へ叩き落とす。
 奔流の勢いによる加速で、フェイトのソニックモードも真っ青な速度で地上へと落下していく二人。
 位置エネルギーが運動エネルギーに転換され、徐々に加速度も増していく。それによって、搾り出されるように内臓が押し上げられる感覚に、はやてはまたもや口から何か出そうになる。
 その上に身体自体が疲弊している為にはやての意識は飛びそうになっていた。
 しかし今から戦場に乗り込むのだ。出来るだけ足を引っ張らない為に、彼女は歯を食いしばって耐えた。
 どのくらい経っただろうか。轟音と共にはやての体を抱いているミドガルズの身体が大きく震える。
 その腕から力が抜け、下ろされるはやて。瞬時に彼女は状況確認の為に周囲を見回す。
 魔法を使って仕掛けた長高度からの質量攻撃によって、そこには予想通り見事なクレーターが出来上がっていた。
 さっきまで結界魔法で守られていたから気づかなかったが、空気摩擦によって焼き焦げた地面から上がる熱気で微妙に暑い。
 突入した威力も相当なものだったのだろう。深くえぐれたすり鉢状の底から見える空はいつもより遠かった。
 落下地点に人がいたのではないかとはやては危惧していたが、焼き焦げたそれや血の臭いがないあたり、それは杞憂であったようだ。
 確かに紛争中ではあるが、予想外の状況に少なからず気が動転しているのだろう。殺気まで感じていた周囲の殺気は薄れ、今はどちらかといえば困惑している空気だった。
 普通ならここから奇襲をかけるのが常套だろう。こちらはどう打って出る気なんだろうと上を見上げながらふと考えるはやて。
 その時、獣化魔法を解除したミドガルズの黒い袖が彼女の腰に巻きつく。
「ふぇっ!」
 いきなり腰を抱かれたはやては驚きの余り、またもや少し甘みが混じった声が漏れる。
 そしてすぐに顔を赤らめる彼女。彼は相変わらず面白いものを見つけたかのようにニヤニヤと笑う。
 同時に二人の足元に虹色の魔法陣が展開。ミドガルズは急速に回転するそれを蹴って跳躍する。
 風を切りながら深いクレーターのふちに着地する二人。目の前には武具も身体も血まみれになった男たちが驚愕で目を大きく開いていた。
 きっと誰もが隕石衝突という自然現象の体を借りた襲撃方法でやってくる人間がいるなどと思っていたことだろう。
「オーダー」
 はやてたちの背後。もはや崖のようになった穴の向こう側から女性の声が聞こえた。
 ゆっくりと音源の方へ振り向くはやて。そこにはヴィヴィとクレアが自分たちに背を向けて立っていた。
 その手には武具を携え、ミドガルズの側にいる者と同じように固まっている敵に眺めている。
 まるで自分のたちの”戦争”を始める合図を待っているかのように。
 彼は銜えていた煙管を口から離し、火皿の先を眼前の者たちに向けて笑いながら命令を下す。
「……雷鳴の如き速さで、押し通せゲラデリーニエ・ブリッセン
 その声は呟いている程度の小さな声で、普通なら対岸の二人に聞こえるはずだった。
「……ヤーヴォール」
「了解いたしました」
 しかしヴィヴィとクレアは彼の声がちゃんと聞こえているかのように返事を返す。
 そして彼女たちの声に混じった響きが、はやてにはどこか嬉しそうにしているように聞こえた。
「……さて」
 キセルを銜え直したミドガルズは楽しくて仕方ないというかのような獰猛な笑みを浮かべ――
英霊擬似再生式召喚術ヴァルトラルシステム解凍アンロック展開型術式の起動開始システム・イグニッションならびに、戦略術式の励起開始システム・オーバーロード
 己の背中に魔法陣を展開。高速回転する虹色のそれは血を撒き散らかすように中心から徐々に緋色へと染まっていく。
「蒼と紅の空を超越し、遥か遠き異界の彼方より来たれ。銃を相棒とし、それに命を預けながらもその一発に宿る奇跡を信仰するわが盟友」
 足元にも同様に円環が浮かび上がり、周囲にばらまかれた魔力を吸い上げていく。
「運命とは万難を断ち切る力なり」
 詠唱から察するに、彼が発動しようとしているのは召喚魔法。
 ただし、長さと魔力の量から察するに十小節以上の簡易儀式クラスの代物。
 キャロがヴォルテールを召喚する際のものとほぼ同じ階梯ものだ。
 何を呼び出す気なのだろうと、はやては隣で見守る。
「英雄とは絶望から退かぬ強者であり、魔弾とはその絶対を崩す必中の一撃なり」
 周囲に漂っていた血霞がその背中に殺到し、人のような形状を作り上げる。
 驚き固まっていた相手も本能的に何かを感じ取ったのだろう。武器を構えて襲い掛かってきた。
「『戦国の詐欺師』―――の名において、命ずる。我が声に応え、我が前に来たりて……その姿を現せ」
 発動直前に使用者を始末する事で魔法を未然に防ぐ算段なのだろう。剣を振り上げ、雄たけびを上げて突っ込んでくる戦士。
 しかしもう遅い。既に必要な言葉を結び終えたミドガルズは笑みを深めた。
 そして頭をかち割られかけているにもかかわらず、人を食ったような顔のまま漂々とした口調で言った。
「――さぁ、ダンスの時間だぜ。相棒」
 その言葉と共に、彼の背中にいた紅の人形がいきなり動き出して右腕を突き出す。
 破裂音と共に、向かってくる敵に向けて突き出されたそれが跳ね上がる。
 射出されたそれは相手の額にぶち当ててふっ飛ばし、そのまま昏倒させた。
 炸裂の衝撃で人形の表面にひびが入り、破片がパラパラと剥がれ落ちる。
 真紅のそれは左手で己の顔を掴み、自らの皮をひっぺ剥がした。
「仰々しいそれ……わざわざ必要か?」
「……!?」
 どこか呆れているような声を漏らした人形に驚くはやて。
 真っ赤なそれの下から表れたのはなんと鋭い目つきをした青年の顔だった。
 どこか人形のものとは思えない彼の声に対し、ミドガルズはカラカラと笑う。
「様式美って、大切じゃね? まぁ、とりあえずだ」
 数にしては多数に無勢。それに加え、はやてが魔法が満足に使えない状態の事を考えればミドガルズ一人で相手しなけばならない。
 明らかに不利どころか無謀としか言いようもない状況。
 しかし浮かべた笑みを全く崩そうとしない彼からは自信で満ち溢れていた。
「分かってないこいつらにダンスマナーを教えてやれ」
 それどころか死と言う形での己の敗北など信じていないかのようであった。
「その黒ウサギの足……お前ら、まさか『死神ウサギハンニバル・ハウゼ』の」
 はやての腰で揺れているウサギの足に目をつけた者が目を大きく開いている。
 何故かその足は震えており、後ろにあとずさろうとしているのが分かった。
「そんな大層で物騒な名前じゃねぇよ」
 何を恐れているのか分からないはやてを尻目に、ミドガルズは嘲笑しつつ吐き捨てる。
道化者オイレンシュピーゲル、と名乗りたいところだが……」
 右手で銜えていた煙管を口から引き抜き、軽くそれを回したかと思えば、
「あえて名乗るなら……『悪名高き殺戮猟犬ブラオンレイト・マーダーハウンド』だな」
 管を硬く握って火皿を突き立てるように、虹色の魔法陣が展開された後方へ拳をたたき付ける。
接続完了コネクト鍛錬開始エンゲージ。“壬生谷の妖刀ブレイドワークス01”」
 そして少し早口で謳うように詠唱を終えると、鞘から刀を抜くが如く魔法陣から煙管をそろりと抜いた。
 次の瞬間、煙管と共にずるりと魔法陣から出てきた代物には、敵の軍勢どころか味方であるはやてまで仰天する。
 なんと、煙草の草を詰めて火をつける部位が太刀の刀身へと姿を変えていたのである。
 驚く敵勢を睥睨しながら、どこか妖しげな光を放っている刀を回し、
「さて、お集まりの血気で盛ったバカサルども」
 悪戯っぽくウィンクし、悪びれる事もなく、いけしゃあしゃあとそんな事をのたまう彼。
「散るなら散るで、その散り際は華々しくやろうぜ?」
 その笑みはどこまでも純粋無垢で――吐き気を催すくらい、悪意に充ち溢れていた。
 はやては思った。昔、ヴィータがなのはの事を「悪魔」だと称した事があった。
 しかしあの純粋でまっすぐな彼女にその呼び名はちぐはぐだと言えるくらい合わない。
 真に「悪魔」と称するならば――
 周囲のものさえ狂わせるような狂気が宿し、
 自分以外の存在を盤上にある駒の如く気安く扱い、
 周囲を掻き回してお祭り騒ぎを巻き起こす事を享楽とする――
 ミドガルズ・カヘクスヴェリアのような人間ではないだろうか。
「楽しい戦争の時間を始めようじゃねぇか」

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 お久しぶりに書かれて内容部分等もだいぶお忘れに成られていたと書かれており不安を持っていましたが、全然気に成らないくらい自然で良かったです。
 ただ今回のお話はみっちゃんとはやてがメインだった為か若干ヴィヴィとクレアの出番が少なかった気もしますが…それは次に期待しています!!
 そしてこのお話でみっちゃんがどれ程まで強いかと言うのを思い知ったシーンが私にはあります
 それはみっちゃんが召喚魔法に置ける詠唱と装備発動のシークエンスに置ける起動手順を主導で行ったシーンです。
 全て自らの口で述べて組み上げると言うのはなのはの世界ではデバイス中心の魔法の組み立てが多いので一部の人達以外はやられていなかった…それをああも易々とライフワークともいえる自然な動作で出来た所から技量の高さをうかがい知りました
 た…たぬきに変身した!! 場面では思わず笑ってしまいました。
 ちびたぬきを担いでタヌキに変身って言う案は最高ですw
 しかしその後の突入部分からギャグでありながらも真面目な部分を描ききっておられるのがやはり凄い。
 二つの事柄を上手く噛み合わせてるのが相当考えられていると思わせる部分でした。
 後は彼の底知れぬ器が魅力的ですね。
 はやてに敢えてセクハラすることで緊張を解きほぐす場面は並みの男の方では出来ないですもの。
 底知れぬ器がどうなるのか、ヴィヴィ、クレア、みっちゃんは何者か? はやてはどうなるか? 楽しみが着きません。
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Author:雪奈
「交換戯言日誌」を見に来て下さってありがとうございます。
終焉の引き金を引くのは貴方。
物語の続きを作るのもまた……
読んでいる貴方なのです。






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