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魔法少女幻想戦記リリカルはやて KronoDriver02

今回は一部の部分が予想以上に長くなってしまった為、「おいでませ新世界(仮)」ではなく
『契約』というシーンの一つとして掲載させていただきます。
では、これを書くきっかけや参考なった素晴らしい方々に改めて感謝しつつ、話を始めたいと思います。

魔法少女幻想戦記リリカルはやて KronoDriver02『契約』
 †

「ただいまぁ~」
 明らかに疲れた様子で捜査指令室に入るはやて。
「おかえりなさいです。はやてちゃんっ!」
 やつれた主をリインフォースツヴァイは笑顔で元気良く出迎える。
 ずっと書類作業をしていたのだろう。ついているのはスタンドの電気だけで、指令室は真っ暗であった。
 両脇に『夜天の書』と無名の書を抱えつつ、彼女はよろよろと自身の席へと歩いていく。
 重さがそれなりにあったのだろう。机の上に抱えていた本を少し乱暴に置いたはやては軽く息をついた。
 そして倒れ込むように、己の椅子に身体を沈めるはやて。
 椅子を回し、窓の方へと身体を向ける。そこにはきらびやかな夜景が広がっていた。
 部屋の天井と外の夜空を見上げながら、ふと物思いにふける。
 煙にまかれたが、あの質問は明らかに何かしらの意図があってしたものに間違いない。
 あれは良くも悪くも天才だ。冗談を口にしても、意味のない質問をするとは思えない。
 それ以前に、あの内容は明らかに重要機密クラス。そう易々と口に出せるものではないはずだ。
 過去を操作して未来を変える。それが可能となれば、存在する戦略兵器などあってもないようなものとなる。
 歴史改変のリスクは未知数であるが、その行動にメリットがないわけじゃない。
 そもそも、はやてもスカリエッティもそれなりの立場にいる人間だ。
 あの場で出来る回答は、あれしかなかった。
 易々と頷けば、スカリエッティの良いようにされるのは避けられない。
 椅子によしかかりながら、彼女は机の引き出しからあるものを取り出す。
 鎖が通された金のベルカ十字架。それは『夜天の書』の原典につけられていた装飾。
 それは、あの『書』が確かに存在し、「彼女」がほんの一時であるがはやてと共にあった証であった。
 鎖にぶら下げられたそれを眺めながらはやては小さく呟いた。
「過去をやり直し、未来を変える……か」
 実はあの時、はやてはスカリエッティにされた問いにどきりとしてしまったのだ。
 何故ならば彼女の頭の中をとある人物の影がよぎったからだ。
 それは勿論、あの冬の日に空の彼方へと消えた「彼女」の事に他ならない。
 『祝福の風』リインフォース。今はツヴァイがいるから、アインスと呼称すべきだろうか。
 時折、はやては考えてしまうのだ。
 『夜天の書』の管理人格であるアインスに幸せはあったのだろうか。
 もしかしたら、アインスも救える術はあったのではないだろうかと。
 だからこそ、スカリエッティのあの問いは目を逸らす事の出来ない甘い毒だった。
 あの『過去』を改変し、彼女の笑顔を見るハッピーエンドを取り返せるならば――
「は、は、はっ……はやてちゃんっ!」
「……それは、夢や」
 歯を食いしばりながら、はやては頭の中で渦巻く誘惑を振り切るように呟く。
 明らかにさっきの事を引きずって、想いに振り回されてるのは彼女自身分かっていた。
 過ぎ去ってしまったからこそ、過去なのだ。取り返す事など、出来るはずもない。
 彼女も笑顔のハッピーエンドなど、もはや幻想だ。
「リイン。帰るで~」
「は……はやて、ちゃん?」
 早く帰って、さっさと寝よう。気分を引きずってたら間違いなく、明日の仕事の支障になる。
 何故か慌てているリインに声をかけたはやてが振り返る。
 そして、部屋の中にいた「それ」に彼女も思わず目を剥いた。
 磨き抜かれた紅玉を思わせる澄んだ目ではやてをじっと見ていたのはなんとも形容しがたい生物だった。
 紡錘型のシャープな顔つきに、滑らかそうな皮膚。
 ヒレはまるで翼を広げたような大きく、胴体は蛇のように長い。
 三角形の背びれや尾びれから、はやてはもしかするとこれがスカリエッティの言っていた「次元海豚」ではないかとふと考える。
 しかしその考えが頭をよぎったのはくまで、ほんの一瞬。
 目の前でとぐろを巻くようにして宙に浮いているそれは海豚というより、龍と呼んだ方がしっくりと来る外見であった。
 覗き込むように見つめてくるつぶらな瞳の中に優しさや人懐っこさを感じるが、それ以外は見る者を威圧するものだ。
 とにかく、これが何でここに出現したか――それを考えなければならない。
 はやてが椅子から立ち上がった時、机に置かれた一冊の本から光が発せられて独りでに開く。
 それはスカリエッティが『夜天の書』のサブとして作った無銘のストレージデバイスだった。
 閉め切っているはずなのにその本を中心にして室内で突風が発生する。
 同時に綴じられていたはずのページが次々と外れていき、風に捲き上げられたかと思うとそのまま空中に浮いた。
 はやてと謎の生命体を隔てるように展開され、紙に再び文字が浮かび上がる。
 その生物の鳴き声だろうか。空気を振動させるような音が発せられた。
〈汝が……あたいを呼んだのかい?〉
 つい先ほど発せられたのは言葉ではなかったはずだ。
 なのに、頭では目の前にいるそれが何を言っているのか、はやてには分かった。
 この動物は精神感応能力があるのだろうか。はたまた、スカリエッティがデバイスに変換機能を搭載させたのだろうか。
 はやてが冷静に状況判断をしようとしていると、その生き物は楽しそうに鳴いた。
〈ああ、これは懐かしいっすなぁ〉
 言語変換の不備なのだろうか。ニュアンスは分かるものの、口調がどこか定まっていない。
 感嘆するような口振りで、それは言葉を続けた。
〈古代ベルカの『鉄血と真夜の盟約状』を持ち出されるなんて久しぶりだ〉
 その生き物が視線を向ける先にあったのは、はやてがスカリエッティの研究室でサインをしたページ。
 飛び出した言葉に、はやては再びぎょっとする。
 鉄血と真夜の盟約状。その単語は、彼女も聞き覚えがあるものだった。
 それはその名の通り、血と夜に賭けて制約を守らせるマジックアイテム。
 ただし、今では管理局と聖王教会が重要文化財に指定している代物である。
 命の源であり、肉体的な『個』の存在を構成させる最大要素である血。
 そして、今現在では様々な言語や流派の存在する魔術の原初にあたる混沌の象徴である夜。
 この二つに賭けて、約束や契約を厳守する。
 ある意味で、それは魔法を扱う者としての誇りを賭ける事でもあった。
 その契約を形にして遺されたのが、この『鉄血と真夜の盟約状』なのである。
 強制力が余りにも強く、膨大な魔力を使って修正は出来ても破棄は不可。
 作り方も秘匿されている上に、作れる者が少ない。
 その二つの点の為に、重要文化財であると同時に古代遺失物クラスの危険物となっている。
 何故、そんなものがここにあるのだろうか。考えるはやてに、その生き物は問いかけた。
〈悲しみのない世界を作る。これが貴方様の祈りなのかな? かな?〉
「!?」
 発せられた質問に、はやては動揺する。
 どこかふざけるような口振りで、その生き物が口にした言葉。
 それは、彼女があの日から心の奥底に持っている願い。
 雪の日に、泥にまみれて泣きながら立てた誓いであった。
 何故、目の前にいるこの龍なのか海洋生物なのかよく分からない生物が知っているのだろうか。
 心を揺さぶられている彼女を見ながら、それは言った。
〈――悲しみのない世界を作る。それを幻想ではなく、真実にするなら……必死にならなければ損ではないか〉
「―――」
 その言葉に思わず、はやては感動せずにはいられなかった。
 何故なのか彼女自身も分からない。しかしその言葉には胸を熱くさせる何かがあった。
〈そして悲劇を迎えないとしたら考え抜いて、その悲劇を覆して、その先に進まないといけないよね?〉
 続けられる言葉に対し、はやては口を開く。
「それは――」
〈うん。貴殿の願いを叶える為には、お前が英雄にならねばならないんや〉
 はやての心を読んだかのように、その生き物は彼女の言葉を引き継ぐ形で答えた。
〈もしも……これはイフという例えのある仮定の話や。もし、君が何もしなかったら〉
 そこで言葉を切り、龍のような姿をしているそれは軽くこうべをたれた。
 間を取るようにゆっくりと顔を上げたその生き物は彼女をじっと見つめる。
 口は笑っているような形でゆがみ、どこかはやてを嘲笑しているかのようだった。
〈貴君は、世界をつまらなくする為に力を貸す事が出来る人間にございまする。残虐な喜劇を担う者の一員と言ってもいいわ〉
 明らかに皮肉っている表情が、はやての癇に障った。
 だが、いつのまにかその言葉に納得している部分もあった。
 息を呑んでいる彼女に、それは訊ねる。
〈それはつまらねぇし、貴殿の望むところではあるまいて〉
 さあ。
〈あんたはどっちなのかしら?〉
「どっち……とは?」
 問い返すはやてに、それは口角をより引き上げた笑みを持って答える。
〈貴方は己の理想を妄想し、この現実に自分勝手に絶望するだけなのか。ただ引き篭もって立ち止まってるだけか。それとも。新たなる可能性と時間を作り出し、世界を動かす者なのかね?〉
 問いかけたそれは己の前に巨大な魔法陣を幾重も展開。その形状はミッドチルダ式とも、ベルカ式とも違うものだった。
 どういう魔法が発動されるのか、はやても見当がつかない。それでも現代の人間が扱える容量の魔力ではないことだけは確か。
 複雑でありながらも精緻な魔法陣で、発動者であるそれとはやてが隔てられるような形となる。
 それは静かに問いかけた。
〈大きな壁にぶち当たり、諦め切れずに飛び越える。お前にそれが出来るのか?〉
「―――」
〈不屈の精神を持ち、才能に恵まれず、それでもなお……這い上がれるかい?〉
 その言葉で今、はやての頭に思い浮かんだのは――とある親友たちのことだった。
 フェイト・T・ハラオウン。そして、『エースオブエース』の名を冠す高町なのは。
 二人はどんな難事件であろうとも立ち向かい、血反吐を吐きながらも困難に立ち向かってきた。
 時に彼女は思う。自分が二人の隣にいる資格はあるのだろうか――と。
 所詮、自分は魔導師としての資質をもっていたという理由で『夜天の書』の管理人格であったリインフォース・アインスの資質を受け継いだだけ。
 己の持つ資質を駆使し、その身に宿った力で世界と時代を動かしていく二人。
 それに比べ、関わった事件は二人より多くともこの才能は常人の域を出ていないはやて。
 三人合わせて『エースオブエース』と呼ばれる時もあるが、あくまではやては添え物程度。いわば、場を盛り上げる道化に過ぎない。
 あの二人よりも強い夢はあるが、その程度でしかない。
 目の前にいるそれの言葉を借りれば、「理想を妄想して絶望し、ただ立ち止まっている」に過ぎないのだ。
〈絶望のフィナーレには、まだ早すぎると思いませんか? フロイライン〉
 お前の心は見透かしていると言わんがばかりに、それは諭すように言った。
 その言葉で、自己嫌悪によって沈みつつあったはやての心が再び火がともった。
 龍の如き巨体と威圧感を持ち、海豚の如き滑らかな身体と皮膚を持つその生き物は挑戦的に言った。
〈なら、僕と契約して、世界を面白くしようぜ〉
 既に、はやての目はその動物にくぎづけだった。
 まるで夢物語のような事を語るそれの眼には周囲のものさえ狂わせるような狂気が宿り、
 歯を剥き出しにして笑うそれから放たれる威圧感はまさしく、獰猛な肉食獣のそれ。
 熱意と狂気にまみれた赤色に、はやては蛇に睨まれたカエルのようであった。
「……上等や」
 身体を震わせながら彼女はそう答えた。
 はやては思う。「棚から牡丹餅」というような展開を待っているだけではだめなのだと。
 対するその生き物は、ただ静かに、よろしい、とただ肯定するように鳴いて告げた。
〈信念と覚悟を力に。誇りを翼に。祈りを杖に。凶器を刃に。願いを己の魂と生き様を賭けて、己の正義に殉じたまえ〉
 同時に展開された魔法陣がゆっくりと回り始め、魔法が発動される。
「させませんっ!」
 今までは静観していたものの、流石に主の危険を察知したのだろう。
 結界魔法を展開しようとしたリインが、はやての前に躍り出る。
 その時だった。
「あぁっ!」
 魔方陣に触れたリインの身体が少しずつ崩れていく。
 最初に着ていた服が一瞬で消滅し、突き出した手の先から消えていく。
 まるで、彼女の身体を分解しているかのように。
 そのまま耳をふさぎたくなるようなリインの絶叫が部屋中に響いた。
「リインっ!」
 目の前で壊されていく家族の名を呼ぶはやて。
 しかし体の崩壊は止まらず、むしろ速度が速くなっていった。
「は……はやて、ちゃ……ん……」
 痛みをこらえるように、苦しそうな声でリインは主の名を呼んだ。
 それが彼女が主であるはやてに遺した最後の言葉だった。
 まだ胸の辺りまで残っていた身体が、解けて消えてなくなる。
 ――そう、それはまるで、はやてが冷たい雪と泥にまみれて誓いを立てた日。
 安らかな顔で灰色の空へと消えて行ったリインフォース・アインスと同じように。
 予期せず喪失に、崩れ落ちるはやて。そして目に涙を浮かべながら、目の前のそれに吼えた。
「リインに……リインに何をしたんや!」
 怒りに熱く燃える彼女と正反対に、龍のようなそれは氷の如き冷ややかな声で淡々と告げる。
〈安心したまえ。あるべき姿へと、還っただけである〉
 その言葉が終わるか終わらないかの内に、展開されていた魔法が発動される。
 周囲に浮かんでた紙は瞬く間に分解されていき、細かい粒子へとその姿を変えた。
〈受け入れるといい。それがてめぇの運命だ〉
 家族を失って悲しみに沈むはやてに向かって、それは突き放すかのように宣告する。
 無慈悲で残酷なそれが、彼女の聞いた最後の言葉であった。
 そして全てが光で白く塗りつぶされ、はやての意識も途切れた。

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