Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

-件のコメント

[C213]

視点を変えて事件を見つめなおすと言うのも良いものですね。
 見る人が違えば、起こっている事態、視線を向き合わせた状態で正面からやりあっていては判らぬような事も見ることができてすごく新鮮です。
 今回の二人、涼香さんと寒天さんのコンビも良いですね。
 好戦的な面を見せる寒天さんと冷静に周りを解説する涼香さん。
 口調から見る限りではかなりピッタリなコンビに見えます。
 次も期待してます頑張ってください
 応援しています
  • 2010-12-05
  • 投稿者 :
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

新規
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

-件のトラックバック

トラックバックURL
http://clowncraown.blog90.fc2.com/tb.php/156-cd9cd84e
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

幕間②(サクサク読めるようにマックーマっ!)

〈五時十七分 クラナガン駅前〉

 新たなる年を迎え、興奮が冷めやらないクラナガンの駅前。
 今からどこかに出掛けるのか、早朝でありながらも多くの人で賑わっている。
 その駅前にある噴水の縁に一人、少女が眠気まなこで周囲の風景を眺めていた。
 彼女の目に映るのは仲睦まじい恋人たちやいかにも幸せそうな家族連れ。
 人々の顔には笑顔が浮かび、憂鬱そうにしている少女とは正反対であった。
「何で、私……こんなとこにいるんだろ……」
 溜め息をつきながら一人ごちる少女。
 本当ならば、彼女にも目の前を通り過ぎ行く人たちと同じように連れ添う相手がいて、その人と共に歩いて笑いあっているはずであった。
 しかしそれは数ヶ月前の出来事によって、彼女の脳裏に浮かぶそれも儚き幽夢に変わったのである。
 もしかしたらその時の出来事を機に、少女は不仲である彼ときっぱり別れるべきであったのかもしれない。
 しかし彼女にはそれは出来なかった。
 何故ならば彼女は今でも恋人と呼べる仲であった彼の事を嫌いになる事が出来ずにいたからだ。
 それに気づいたのは、あの病室で彼に失望してその場から逃げ出した後の事。
 飛び出して行った時は憤りで頭が一杯であったのは確かだ。しかし兄と一緒に暮らしているマンションの自室で冷静になると、痛みと共に胸の辺りが苦しくなった。
 別れてから現在に至るまで、彼女の心が休まる事はなかった。
 まるで心に大きな穴が開いてしまったかのような空虚感を覚え、いつのまにか涙が出て来て寂しさだけが募っていく。
 それからというもの、どんな時でも何をするでも少女の頭に浮かぶのは彼の事だった。
 不仲の恋人と想うと、いつのまにか涙が出て、胸が締めつけられて苦しくなる。
 今思い返すと、あれは特別誰かが悪いといったものではないと彼女は考える。
 きっかけとなった出来事は幾つかの偶然が重なった結果で、言ってみれば間が悪かったのではないかろうか。
 もっと言えば、もしかするとただの見間違いかも知れないと割り切った上で彼と接するべきだったのかもしれない。
 ありふれた言葉だが、大切なものは失ってからその価値が分かるもの。
 彼から距離を取る事で彼女は恋人がどれだけ大切で、どれだけ彼が自らの生活の一部となっていたのか分かった。
 しかし恋人に向かって自分から嫌いといってしまった手前、彼と仲直りをする為に自分から動くのは気まずかったのだ。
 それをずるずると引きずってしまい、引くに引けない状態のまま今に至る。
 だから今が格好の機会であるはずのに、復縁を切り出す為に彼を呼び出す事も出来ずにいたのである。
 昨日も彼女は冷え切った部屋に引き篭もり、部屋に引き篭もって塞ぎこんでいた。
 この少女が身も心も恋人の事を欲しているのは確かだ。
 しかし、何かしようとすると手が震えてどうしようもなくなるのだ。
 そんな彼女が部屋を飛び出し、冬の寒さとある種の虚しさを感じながらこの場から一歩も動かない理由。
 それはこの少女もまた、友人に呼び出されてこの場にいるからである。
 自分の意思では外に出られずにいた少女にとっては、その友人に少なからず感謝していた。
 そろそろアルバイトを掛け持ちしているその友人が来る頃だろう。
 連絡が来たときは居酒屋で仕事をしていたのか、背後で喧騒が聞こえた。
 少女もそのアルバイト先である居酒屋の場所を知っていたから、友人が来るのにどのくらい掛かる事は予想出来た。
「……明日陽ぃーっ!」
 人ごみをかきわけて、一人の少女が彼女の方へと走ってきた。
 名前を呼ばれた明日陽は立ち上がり、向かってくる少女に向かって手を上げる。
 肩にショルダーバックを掛けた少女は彼女の元にたどり着くと膝に手をつき、荒い息を吐きながらも挨拶をする。
「はぁ……はぁ……ごめん。明日陽……ちょっと、遅刻……した……」
「良いよ、ガーランド。私も少し前に来たばかりだから」
 そして二人はゆっくりと歩き出す。
「……え~っと、そういえば明日陽」
「…・・・なに?」
 どこか言葉を選んでいるようなガーランドの声に、少し間を置いてから反応する明日陽。
 いつもの元気な感じがしないのを訝しむ彼女にガーランドは意を決したかのように言った。
「ジオレンスさんと仲直りできた?」
「……ぅ……ぅぅぅっ……」
 その問いに対して口をつぐみ、うつむきながら唸る明日陽。
 やはり恋人の話を出されると気持ちが暗くなるようだ。
 彼女の雰囲気で大体の事を察したガーランドは軽く溜め息をつく。
 やはり自分でも予想していたとおりの状況に友人は陥っているようだ。
 あの透明過ぎる子の読みが当たり過ぎている事が個人的に癪であったガーランドであったが、この状況を打破する為には仕方ない事であった。
 予定したとおり、明日陽を呼び出す前に打ち合わせのとおりに動くしかない。
「……ガー…ラン、ド……ぉ……?」
 無言の彼女を不審に思ったのか、じっとみつめてくる明日陽。
 隣の少女の浮かべるその表情はどこかなきそうであった。
 余計な心配をさせてしまったと内心で反省しつつも、ガーランドはすぐに気分を切り替えて笑みを浮かべる。
「まぁ、今は全部忘れてガッツリ食べてガッツリ飲もうか♪」
 空元気全開の彼女はそう言って、明日陽の手を引いて走り出した。



〈五時二十六分 クラナガン自然公園〉

 寒天と涼香が現場に到着した時、既に戦況は終結へと近づいていた。
 空には背中に黒い翼を生やした少女がおり、その上には黒い物が混じりながらも虹色の魔法陣が展開されている。
「寒天さん……これは……」
「あぁ、やばいな」
 今より少し昔、『妖精遣いウィザード』と呼ばれていた涼香の言葉に彼も同意する。
 使用できる魔法が限りなく少ない寒天でも、周囲の空気で何が起こされようとしているのか分かった。
 あんなものが発動されたら、軽く見積もってもクラナガン自然公園全域がその餌食になる。この場にいる自分たちも間違いなく蒸発する事は間違いない。
「めんどくせぇが、マガジンの半分ぐらい使い潰せばいけるな」
「血気盛んなのは良いですが……ちょっと待て」
 己のデバイスを抜いて天使を狙う寒天であったが、涼香は腕を突き出してそれを止める。
 いきなり行動を止めにかかった相方に舌打ちしながらも彼は空を睨んだ。
 よく見ると自分たちを守るようにして広域展開型の防御結界魔法が展開されていた。
 しかしその結界に不審な点があった。それは、その魔法と思われるものがミッドチルダ式でもベルカ式でもないこと。
「どういうことだ……? おい」
「オリジナルの魔導式であるのは確かだと思いますが……」
 己のデバイスを展開させて、その魔法の構築を調べていた涼香も首を傾げる。
 彼自身もミッドでもベルカでもない魔導術式の使用者であるが、その結界魔法にはありえない点があった。
「魔力を動力源としてないんですよね……これ」
「……なんだと?」
 彼からもたらされた情報に、寒天は目をむかずにはいられなかった。
 魔導術式が何であろうとも基本的に、魔法を発動させる動力として魔力を必要とする。
 しかし、クラナガン自然公園に残っている多くの一般人を守るように展開されている結界は魔力を必要としていない。
 涼香と寒天の持っている常識で言えば、動力も無いのに魔法が起動している事になる。
「これは……どういうことだ?」
「分かりません……けど」
 人ごみで前に進みにくい状況でありながらも、その先端にいるであろうその使用者の方を見つめながら涼香は言った。
「こういう常識外れなのを後々相手取らないといけなくなる日が来る事は確かですね」


スポンサーサイト

1件のコメント

[C213]

視点を変えて事件を見つめなおすと言うのも良いものですね。
 見る人が違えば、起こっている事態、視線を向き合わせた状態で正面からやりあっていては判らぬような事も見ることができてすごく新鮮です。
 今回の二人、涼香さんと寒天さんのコンビも良いですね。
 好戦的な面を見せる寒天さんと冷静に周りを解説する涼香さん。
 口調から見る限りではかなりピッタリなコンビに見えます。
 次も期待してます頑張ってください
 応援しています
  • 2010-12-05
  • 投稿者 :
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

新規
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

0件のトラックバック

トラックバックURL
http://clowncraown.blog90.fc2.com/tb.php/156-cd9cd84e
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

Appendix

プロフィール

雪奈

Author:雪奈
「交換戯言日誌」を見に来て下さってありがとうございます。
終焉の引き金を引くのは貴方。
物語の続きを作るのもまた……
読んでいる貴方なのです。






無料アクセス解析

最近の記事

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。