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幕間

〈五時九分 羽ver〉

「あ~あ、何で僕はこんなに運がないんだろ。せっかくいろんなとこで祭りをしてるのに……
 それに、行きたいところもあるし」
 羽は勤務中だがうなだれてしまっている。
 今の捜査課は警備に廻る部隊と店で働く部隊に分かれて仕事を行っていた。
 黒い靄を身体から出している者が精神に異常をきたして暴れているのだ。
 中には、その黒いもので体調を崩す者もいる。
 警備担当の者はその暴力行為の鎮圧と、体調を崩した者の保護をする仕事が犯されていた。
 その中で風切羽は警備に廻る部隊に振り分けられていた。
 そうしていると後ろから背中をおもいっきり叩かれた。
「っっっっ!」
 羽は声にならない悲鳴を上げ、背中を反らす。
「なんや、塩らしいやないの」
 羽は声がした方向へ振り向く。
「神威さん、痛いんですけど」
「そないな背中見たら叩きたくもなるよ。まあ、ほんまに羽かっちゅうんは自信あらへんかったけどな」
「どこか変わったところ、ありましたか?」
「それはな~…」
 神威はそう言いながら両手で羽の顔を固定し、顔を近づけていく。
「ちょ、ちょっと神威さん!?」
 どんどんお互いの顔の距離が近づいていく。
 もう少しで顔がぶつかるというときに神威が顔をずらし、羽の顔の正面から避けて、ピアス穴の空いた羽の右耳を甘噛みした。
 羽の脊髄に寒気に似た感覚が走る。
「んっ、くっ、んぁっ」
 羽は艶っぽい声を出している。
 神威はその声を聞き、耳たぶに空いた穴を中心に歯を使ったり、舌を使ったりして攻め始めた。
「んっ、んんっっっ…」
 神威は同時に羽の着ている制服のボタンを外し始めて、二個ほど外すと服の中に手を入れて弄っている。
「か、神威さん…」
 羽は声を絞りだし、神威の名を呼んだ。
 神威は耳から口を離し、囁き始めた。
「羽がいつもと違うのはこ・こ・だ・よ、いつものピアスをしてないんだ~」
「っっ!」
 神威の言う通り、年末年始と言うことで羽はピアスを外していたのだ。
「それに一回あのピアスの住人が独占しとる羽の耳を食べてみたかったんよ~。形もいい具合やしね」
 神威は羽の耳を一舐めして言う。
「う、ぐっ、離してくださいっ!」
 羽は力を振り絞り、神威を引き剥がした。
 というより神威を押すことを推進力にして羽が動いたと言った方が正しい。
「なんや~、うちのテクで腰がガタガタやないの~」
「う、うるさいですよ」
「もうちょい楽しませてくれたってええやん、なかなかいい声で鳴いとったんやし」
 羽は神威から距離をとろうとしている。だが足に力が入らない。
「なんや~? 足に力入らへんのやない?」
「そ、そんなこと、それよりどうしてここにいるんですか」
「ああそれか、ほんまは店の方で人手が足りんから誰か引っ張って来いゆう話やったんよ。せやけど羽を見とったら、止まらへんねん…」
 神威は恍惚とした顔で羽に近寄っていく。
 羽は逃げようとするが足に力が入らない。立っているのもやっとの状態だ。
 一歩一歩神威は羽へと近づいていく。
「もうちょっとぐらい、食べさせてぇや…」
「うっ、神威さん…」
 神威は羽にしなだれて首に舌を這わせる。
 「ん~、ええねぇ首も」
「う、んっ…」
 そのまま神威の舌は耳へと動く。
「ま、また耳、なん、です、かっ、んぁっ」
「ほんまに羽はいい声で鳴いてくれるなぁ、攻めがいあるわ~」
 そう言って、舌先で羽の耳をなぶる神威。
「そうなんか~、羽は耳や首があかんのか~」
「そ、そんなこと……え!」
 いきなり声をかけられ驚く羽。
 そこにいたのは、はやてだった。
「なんや、はやてやないの、一緒にやらへん?」
 羽は凍りつき、神威は依然として舐めたり噛んだりしている。
「今日の獲物は羽やったか…」
「はやて、うちは今めっちゃ楽しいねん。たとえ雪奈さんが呼んでいようと止められへん…」
「さっき呼んではりましたけど?」
 神威は羽を舐めるのを止めた。何故か汗がだらだらと垂れ流している。
「そらほんまかい! あかん! どこで呼んどったんや!?」
「そりゃあ、お店に決まってますやん」
「いつ!」
 声からして、明らかの焦りまくっている。
「さっき。だから呼びに来たんですよ」
「う、くぅぅぅ、背に腹は代えられへん、またあとで続きしよな、羽。ほんまにあかんわぁぁぁ!」
 そう言うと神威は羽を解放し、走ってどこかへ行ってしまった。
「羽、大丈夫か?」
 解放されて足下から崩れ落ちた羽にはやては駆け寄る。
「いえ、あまり大丈夫とは言えませんが、なんとか」
「そうか、なら私と第二ラウンド、いってみいひん?」
「ええ!」
「ふふふ、冗談やって」
 はやてはけらけら笑っている。
 羽の方は余裕もなくへたり込んでいる。
「もう、そんな冗談はやめてくださいよ~」
「せやけど…」
 はやては話しながら羽の耳に触れる。
「ピアスがないんは新鮮やね」
 はやては耳をつまみ、揉み始めた。
「うっ、う…ん」
「なんやほんまに弱かったんやな、耳」
 まだ揉んでいる。
「は、はい、昔から、なん、です、よっ」
「へぇ~。なんやろ、楽しなってきた。神威さんの気持ちわかるわ、羽ええわぁ」
「あ、んっ、あのっ、そ、そろそろ、離して、くだ、さいっ。んぅっ」
 途切れ途切れに言う羽。声も少し高いので、女の子みたいだ。
 端から見ると男装をした少女と少し年上の女性がいけない事をしている様にしか見えない。
「え、う~ん。でも最後にちょっとだけ、イタズラしてもええよね…」
 はやては耳を離し、羽が安心した瞬間に、少しはだけている胸元から首筋をつたって耳まで一舐めした。
「んうぁぁっ」
 羽は気を抜いていたせいか少し大きめに声を出してしまった。
「はやてさん、ずるいですよ…」
 羽ははやての不意打ちを受け、ぐったりしている。しかもうっすらと涙目だ。
 はやて自身ももうちょっと羽で遊んでいたいと思っていた。ミイラ取りがミイラに鳴ってしまう事も分かっている。
 でも、もうちょっと羽をいじりたい。
「あの、はやてさん?」
 はやては頭を抱えて自問自答していた。
「あ、ああ、大丈夫や」
 はやては自身にさっきのが最後だと言い聞かす。
「?」
 羽ははやての顔を凝視し、不思議そうな顔をしている」
 はやては生唾を飲み込む。
「ほなら、早く店の方にいこか」
 不思議そうに見つめる羽のせいで、はやての襲いたいという衝動は収まるどころか強くなる。
「ちょっと、手を貸してもらえませんか、疲れちゃいました」
 羽ははやてに手を伸ばす。
「あ、うん、ええよ」
 襲いたいという衝動を必至に押さえながらはやては羽の手を取って引き上げた。
 羽はよろよろと立ち上がり、はやてに支えを求めた。
 はやては羽に肩を貸した。すると羽は組んでいる肩を中心にくるりと回り、はやての耳の裏側辺りに強く口付けをした。
「ちょ、な、ふぁ…」
 はやては力の抜けた声を出している。
 羽が少し口を離して今まで口を付けていた部分を軽く舐めた。
「ふ、あぁん」
 はやてはより大きく喘いだ。
 羽は顔を離すとまた回り、もといた場所に戻った。
「な、羽…」
 はやては顔を真っ赤にして羽にキスされたところをさすりながら少しうつむき気味にしている。
 羽は赤い顔でにやにやしている。
「仕返しです」
「な…」
「僕ばっかりやられて公平じゃないですから」
「だからって…キスなんて…」
「見えませんよ」
「へ?」
「髪に隠れてますから」
「な、なんや。ってそういうことやなくてやな…」
 二人は肩を組みながら店へ向かった。
 その顔は真っ赤だったという。



〈五時十二分 寒天&リンディ〉

「もう新年ですね。寒天さん」
「……ええ、そうですね。リンディさん」
 寒天はリンディとデートしていた。勿論、『中華【覇道軒】』の仕事を抜け出して。
 正確にいうとリンディがお店に来た途端、首都防衛部隊の局員全員で寒天をリンディに差し出したのである。
 二人を送り出す時、首都防衛部隊に所属する局員全員がまるで申し合わせたかのように親指を立てたのはいうまでも無い。
 そして二人を送り出す局員たちの顔はとてもいい顔だった。
「もう新年なんですね」
 早朝でありながらも騒がしい周囲を眺めながら寒天は呟く。
 実をいうと、隣で歩くリンディの顔を見ることが少し恥ずかしかった。
 彼自身も元旦と大晦日は間違いなく、リンディとデート出来ないと思っていた矢先のことだ。
 心の準備も出来ずに流されるまま、この状況に陥ったのである。
 時空管理局首都防衛部隊の分隊長をしている寒天でありながらも、柄にも無く緊張しているのであった。
「そうですね」
 リンディは緊張している寒天の横顔を見ながら、無邪気に笑って彼に言った。
「では、今年もよろしくお願いします」
 そう言って、頭を下げるリンディ。そんな事をされて恥ずかしくなったのだろう。
 少しどもりながらも寒天は挨拶し返す。
「こ………こちらこそ。」
 やっぱり照れているのだろう。その頬は仄かに赤い。
 寒天の横顔をチラリと見るリンディ。その顔はまるで悪戯を思いついた子供のようであった。
 意を決した彼女はいきなり寒天を呼んだ。
「寒天さん」
「なんでしょうか? リンディさ……」
 彼はいきなり声を掛けてきた彼女の方へと顔を向ける。
 その笑みに妖艶さを滲ませながらリンディは寒天の首に腕を回す。
 彼女の何の脈絡も無い行動に驚く寒天。しかし動く事が出来なかった。
 何故なら、彼は情欲で濡れた彼女の若草色を思わせる緑色の瞳に吸い込まれていたからだ。
 ゆっくりと瞼を閉じたリンディの顔が寒天に近づいていく。
「ん……」
 そして二人の唇が重なりあった。
 内心、ドキドキしながらリンディは唇を離す。
 彼女の目の前には顔を真っ赤にして硬直している寒天の姿があった。
 ある意味で女の子らしいささやかな悪戯が成功したリンディは花が咲いたような可愛らしい笑顔で彼に言う。
「今年初めてのキス……ご馳走様です」
「こちらこそ……」
 寒天は顔を赤らめながら、苦笑しながら笑う。
 苦笑する寒天に顔が眩しくて、リンディは俯いてしまう。
 リンディが顔を真っ赤にして俯いてしまったので、寒天も俯いてしまう。
 その時だった。まるでその空気を台無しにするかのようにいきなりオペレーターから緊急通信が入る。
 こんな時に無粋な真似をするのは一体誰だと思いながら、寒天はうな垂れたまま通信回線を開く。
[こんばんは。寒天一等陸尉]
[……涼香?]
 寒天は驚きの余りキスの恥ずかしさを忘れたかのように顔を上げる。
 首都防衛部隊のオペレーターかと思ったら、何と涼香から連絡が入ったのだ。
 まさか所属する部署の変わった元同僚から緊急通信が入るとは思いもしなかった。
「なんだ?]
[寒天一等陸尉に緊急任務です]
[ほう?]
 緊急任務が入ったことに寒天は再び驚きの声を上げる。
 通常なら、陸尉や空尉の階級を持つ局員に緊急任務が入る事は珍しい事だったからだ。
 それも寒天は首都防衛部隊の一等陸尉。任務はそうとう深刻な事態に陥っていることになる。
「任務の内容は?」
[緊急任務の内容を説明します。各地で立て続けに起きている暴行の鎮圧ならび、犯人の拘束による騒ぎの停止を命じる……だそうです]
 緊急任務の内容に寒天は首を傾げる。何故ならば腑に落ちない部分があるったからだ。
「ストライカーのチビ共はどうした?
 その関係ならあいつらの方が得意だろ」
[スバル・ナカジマ一等陸士は任務の失敗で病院に収容されました]
「そうか……」
 寒天はどこか犯人に感嘆しているような声を上げる。
 まさか突撃力のあるスバルが既にやられているとは思わなかったからだ。
 驚きながらもあくまで冷静に愛用の拳銃を取り出す彼。
 ズボンのポケットに入れていたカートリッジと特殊弾頭の数を確認する。
 そして、拳銃の銃底にマガジンを叩き込んでカートリッジを装填。
「了解した」
[五時二十分を持って、寒天一等陸尉に緊急任務を命じます。
では、失礼します。また後で]
 そう言って、涼香からの緊急通信が途切れた。
 寒天は申し訳なさそうにリンディに頭を下げる。
「すみません」
 頭を下げる寒天にリンディは笑顔でやんわりと言う。
「良いですよ」
 リンディは両手で耳の辺り押さえ、寒天の顔を上げさせる。
 そして、

 ちゅっ………

 またもや不意打ちではあるが寒天の頬に優しく口付ける。
 名残惜しむようにゆっくりと唇を離し、リンディは笑顔で言った。
「お仕事……頑張って下さいね」
「はい」
 寒天はリンディに手を振られながら走り出した。
 犯人がいるであろうクラナガン自然公園上空には既に虹色の魔法陣が展開されていた。



〈五時十五分 甘味処【華蝶風月】〉

 捜査課部隊長の八神はやては早朝から仕事に追われていた。 
 既に酒を飲んで酔っ払った状態で来店する客への対応。
 何故か精神に異常が起こした者が引き起こす暴動の対処。
 暴動鎮圧での負傷者や体調不良を訴える客への応急処置。
 やるべきことやらないといけないことが山積みで、てんやわんやの状態となのである。
 今も甘味処の営業と周囲の警備で部隊を二分化し、同時並行で動かしている為に彼女の心労は募る一方であった。
「はぁ、何でこんな時に限って仕事多いんやろ」
 そんな彼女の思いを汲んだのかのように通信が入る。
[おはようございます……には、早すぎますね。こんばんは。八神はやて二等陸佐]
「なのはちゃんとこの戦略分析官やんか……何か用ですか?」
[和服姿が可愛いですね。おそ「切ってええか?」申し訳ありません。緊急任務です]
 確かに、ステイ・クラウゼヴィッツ戦略分析官は真面目な時は不利な戦況を一気にひっくり返すくらい有能で冷静沈着な軍師だ。
 しかし本人曰く、長時間真面目ではいられないらしい。真面目ではない時は彼を尊敬する者たちがドン引きするくらいの変態っぷりを発揮する。
「クラウゼヴィッツ戦略分析官が連絡ちゅうことは、合同任務かいな?」
「ええ、そうなりますね」
 柔らかな笑みを浮かべるステイ。何故か身体から黒い靄のような、どこか邪なものが漏れ出ている。
 彼から出ているそれはまるで精神に異常をきたして暴れる者などから出ているものであった。
「そして、特別チームなんやろ? メンツはどうなってんのや?」
[首都防衛部隊の一個中隊と寒天さん。後方部隊の涼香さん。他の隊から狙撃主や特殊技能に優れた局員を数名。そして私こと、ステイ・クラウゼヴィッツですね]
 ステイからもたらされた情報に口の端を引きつらせるはやて。
「『凶弾の暴君』の寒天に、『妖精遣い』の涼香。そして『単身軍団』のステイ・クラウゼヴィッツ……
 今は無き首都防衛部隊遊撃隊。通称『H2O』のトライハイエンドかいな……大盤振る舞いやな」
[まぁ、首都の嬉々となればそういうもので。それと……]
 驚愕するはやてとは正反対に、彼の表情は以前笑みそのものであった。
 しかしその表情が次の言葉で少しだけ沈んだようなものに変わる。
[私たちなど、まだまだです。寒天さんならまだしも、私と涼香さんは『H2O』……ハイエンドオブハイエンドから偶然にも教えを乞うことが出来た立場です。良くて、弟子と言う立場です]
 そう言うステイの表情はまるで、己の技量が低いとあざ笑うかのようであった。


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「交換戯言日誌」を見に来て下さってありがとうございます。
終焉の引き金を引くのは貴方。
物語の続きを作るのもまた……
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