Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

-件のコメント

[C188]

いつも楽しみにしています
頑張ってください
  • 2009-03-31
  • 投稿者 :
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

新規
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

-件のトラックバック

トラックバックURL
http://clowncraown.blog90.fc2.com/tb.php/110-137c128b
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

魔法少女リリカルなのはギャルゲーテイストSS『Künftiges Erwartungsbild』 十五話『眠れない二日間』(22)

『交換戯言日誌』と『戯言劇団』は・・・・・・
 『魔法少女ろりこっとん プロジェクト』。通称『ろりこっとんプロ』
 『砲撃文庫』・『創刊砲撃マ王』
 『SSをノベルゲー化プロジェクト』
 それらの三つを力強くを応援しています。

おはようございます。雪奈・長月です。
リリカルマジカルご苦労様でした。
サンタアンダギー ……
マドレーヌ箱詰め(九個入り)……
ケフィアもどき……
栄養ドリンク……
それらはおいしかったですか?
まあ、良いですが。
とにかくご苦労様でした。
購入した物や、貰った物でニヤニヤさせていただいてます。

今日は日曜日。
今も、涼香様の時空管理局ラジオ進行中!
砲撃文庫より出版『涼香様が見てる』で復習しましょう。
人生は狂気の沙汰ほど、めしかゆうまです。
ひとまず涼香様は自身の身体をご自愛ください。
そしてココに来る皆様も身体に気をつけて下さい。

最近、此処も廃れて来たので寂しいです。
家も寒ければ、人間関係も寒いです。勿論、心も寒いです。
進んで関われろうとして下さる方はいないものですかね。
私の企画に乗っかろうとする方がいても良いんですけどねぇ。
・・・・・やっぱり、いるわけ無いですよね。
「私ならこの先こうするのに~」というのがあれば、書いても構わないのに・・・・・
「私なら、自身のキャラでこんな話を展開するのに」と言って書いたら良いのに・・・・・・
私が書かなかった可能性を書いても構わないんですよ?
して下されば、『(私の話)をこう展開しますかっ!』といった具合で楽しいのに・・・・・
という事で、私も『アナザールートプロジェクト(ALP)』でも立ち上げますかね。
連絡先は、私のメルアドか・・・・専用掲示板で
最近、調子悪いです・・・・・・・・・

過去の部分が読みたい方は『戯言劇団』へ。(改名しました)
ある種のカオス空間なのでご注意下さい。
基本的に『交換戯言日誌』で掲載した分の保存庫でありますが・・・・・・
今回はとある方のSSを掲載いたしました。
興味のある方は、『演目:梟戦記』にどうぞ。

他に何かありましたら、『幻想寓話』へ。
匿名でも構いません。ご自由にお使い下さい。
使う場合、スレッドは出来るだけまとめていただけるとありがたいです。



魔法少女リリカルなのはギャルゲーテイストSS『Künftiges Erwartungsbild』 十五話『眠れない二日間』(22)

〈一時四十四分 アリサ〉

「とりあえず、新年おめでとう。アリサちゃん」
「……そうね」
 【砂糖の王冠クラウンオブシュガー】のオープンテラスで乾杯するすずかとアリサ。
 すずかは【甘味処『華蝶風月』】の制服である藍色の色無地にエプロンをつけた和風給仕姿で、アリサは赤色を基調としたメイド服だ。
 紅茶の入ったカップで手を温めながら嬉しそうな顔を浮かべるすずか。しかしハーブティーを啜っているアリサは逆に不満そうであった。
 そんなアリサにすずかは微かな笑みを浮かべながら訊ねる。
「やっぱり……今、目の前にいるのが私だと不満?」
「……」
 すずかの問いにアリサは無言で返す。
 無言を肯定の意と取ったすずかは口元を少しだけ緩ませながらニヤリと笑う。
 その笑みは諜報部を従える若き女性部隊長、雪奈・長月一等陸佐を髣髴とさせた。
 諜報部部隊長を髣髴させるようなすずかの笑みに、アリサは背筋が寒くなるのを感じた。
 きっと今までの経験が脳裏に蘇った事がアリサに恐怖心に似た何かを抱かせたのであろう。
 怯えるような表情を浮かべるアリサにすずかは笑みを深める。それはまるで獲物を見つけた肉食獣でもあり、下位の者をいたぶる事で快楽を感じる傲慢な女王のようでもあった。
 このままだと埒が明かないと思ったのだろう。笑みを若干柔らかくしつつ、すずかは身を乗り出してアリサの頬に触れる。
 時折見せる親友の艶かしい微笑みに内心、ドキリとするアリサ。
 目を細めつつすずかはアリサに問う。
「……やっぱり、ユーノ君じゃないといやっ?」
 すずかは服が濡れないようにする為、とっさに前方へ魔法陣を展開。
 彼女の髪と同じ色をした菫色のミッドチルダ式魔法陣が展開され、アリサが噴いたハーブティーから身を守った。
「汚いよ。アリサちゃん」
「うん……ごめん」
 その叱咤に対し、アリサは口元から垂れている物をハンカチで拭う。
 ほとんど心ココに在らずと言った状態のアリサを見ながらすずかは目を伏せ、聞こえないように小さく呟いた。
「……私はアリサちゃんと居られて、とても楽しいよ」
 友達になってからずっとアリサに手を引かれ、その隣で共に歩んできたすずか。
 アリサは『劫火を宿す御剣フランベルジュ』と同じ銘を持つデバイスを振るう陸士として。
 すずかはアリサのデバイスの整備を担当し、補佐する開発員として。
 持ちつつ持たれつつの関係をずっと続けてきた。
 色々と無茶をするアリサと、それを笑顔でフォローするすずか。
 出会った小学校の頃から今まで―――そしてこれからずっと続いて欲しい。
「ん? よく聞こえないからもう一度言ってくれない?」
 しかしアリサはこんな時に限って、すずかの小さな独り言を聞き取った。
 正直な事を言うとすずかは改めて同じ事を言うのは恥ずかしかった。
 でも、きちんとそれをアリサに伝えるのも良いかもしれない。
 少し躊躇いながらもすずかは言った。
「―――嬉しいよ」
「―――へっ? どういう事?」
 意味が分からないというかのように首を傾げるアリサ。
 既に心情を吐露してしまったすずかの勢いは止まらなかった。
「私はアリサちゃんと居られて、とても嬉しいって言ってるのっ!」
 そう言ってすずかはそのままテーブルから身を乗り出し、強引にアリサの唇を奪った。
 いきなり強引にキスを奪われたアリサは突然の事に思考が停止する。しかし、顔だけはみるみる内に赤く染まった。
 まさか親友であり、パートナーでもあるすずかにキスをされるとは思っていなかったのであろう。
 予想だにしていなかった事態に慌てふためているアリサにすずかは言った。
「次期当主の重みで壊れそうになった時、アリサちゃんを救ったのはユーノくんだと言う事は分かってる。分かっているよ。それでも―――」
 その目はとても真剣で、アリサの事を一途に想っているのが判った。
 しかしそれが故に、すずかの心が病んでるようにも思えた。
 アリサが居なければ生きていられず、そのまま死んでしまうような儚さもある。
「ユーノくんにアリサちゃんは渡さない」
 アリサは狂気が宿っているかのようなすずかの目に恐怖を感じた。
 意識を保っていなければ、飲み込まれてしまうかもしれない―――月村すずかという魔性の美しさを持つ者に。
 それに飲み込まれてしまったら最後、こっちもすずかに溺れてそのまま依存してしまうかもしれない。
「だって、アリサちゃんがいないと…私はダメだから……」
 再び顔を近づけてくるすずか。青みがかった黒の双眸は潤み、紅く染まった頬や唇はとても艶かしい。
 そして首の辺りから刺青らしき文様がすずかの肌が浮かび上がっている。
 熱い吐息が漏れるすずかの唇が近づいてくる中、呆けていたアリサが動いた。
 白くて長い人差し指がすずかの額に触れ、アリサの口から魔法の詠唱が紡ぎ出される。
「汝に安らかな眠りを。大いなる厄から迷いし旅人を護るが如く、その暖かさで包め……眠りの火」
 アリサの指から小さな火種が発生。その火を額に押し付けられたすずかの瞼は少しずつ落ちていく。
 そしてついには、テーブルに突っ伏してスヤスヤと眠ってしまう。
「ふぅ……危なかったわ…」
 寝息を立てるすずかを見ながらアリサは深い息を吐き出し、溢れ出した冷や汗を拭う。
 いきなり突拍子も無い事をして来た事には驚いたが、すずかの首から刺青らしき物が這い上がっている所から違和感を得た。
 同時に貞操の危機を感じ、アリサは魔法ですずかを眠らせたと言うことだ。
「どうにか、まとまったようですね」
 背後から声を掛けられるアリサ。そこにいたのは、時空管理局第21特殊編隊『ナイツ』の部隊長であるリオ・アーシェラであった。
 アリサはリオを親の敵であるかのように睨み付けながら訊ねた。
「……いつから見てたの?」
「確か、『……やっぱり、ユーノ君じゃないといやっ?』の辺りでしょうか」
「全部じゃないのよ!?」
 突っ込みを入れるアリサにリオは真顔で言った。
「ほら、『人の恋路を邪魔するものは、集束砲撃魔法ブレイカーを喰らってしまえ』と言うではないか」
 それでも、部下の貞操の危機なら助けろよとアリサは思った。
 でも、なのはならば好きな人との仲を邪魔しに来るものには容赦なく砲撃魔法を叩き込みかねない。
 しかし今はそんなどうでもいい思考を奥に押しやり、アリサはリオをじっと見ながら訊ねた。
「何か用かしら? アーシェラ部隊長。まさか、本当にデバガメしていただけとか言わないでしょうね?」
「不破恭耶陸曹長を撃墜した対象は俄然、クラナガン中を逃走中」
「私にその追跡をしろと?」
 にらみつけてくるアリサの問いに首肯し、リオは正式に命令を下す。
「アリサ・バニングス三等空尉には、撃墜対象の追跡と巻き込まれた人たちの保護をよろしくお願いします」
「……了解」
 下された命令にそう言って返し、席から立ち上がるアリサ。
 そして、そうそうと何か思い出したかのようにアリサはリオに告げる。
「ちょっと冷えてきたので、すずかをスタッフルームで寝かせてくれないかしら?」
「うむ、了解した」
 アリサの頼みに頷いたリオは突っ伏して眠っているすずかを抱きかかえた。
 リオは片腕を両膝の裏に通し、もう片方ですずかの背中で支える体勢―――いわゆるお姫様抱っこをする。
 流石、『ベルカの剣聖』と呼ばれる局員。同性を抱きかかえているとはいえ、妙に様になっている。
 諜報部によって発行されている『時空管理局のしおり』で掲載されている『女性局員千人以上に聞いた、抱かれたい局員五十人』のランキングで、男性局員を差し置いて載ったのは伊達ではないようだ。
 すずかをお姫様抱っこしている今の姿は一幅の絵になるほどの魅力があった。
 さしずめ―――騎士と姫と言った所か。
「じゃあ、頼むわね」
 リオから背を向け、歩き出そうとするアリサ。
 それをリオが引き止める。
「ちょっと聞きたいのだが」
「何かしら?」
 ちらりと振り向く事で顔だけをリオの方へと向けるアリサ。
「アリサはスズカ開発員の事をどう想っているのですか?」
「……」
 しかしアリサはすぐにその問いについて答えようとはしなかった、
 すずかを抱きかかえた状態のまま、リオは更に言葉を重ねる。
「あれがこの子の本心と考えてよろしいのでは?」
「もし、アレがすずかの本心でも―――」
 肩耳につけたイヤリングを人差し指で指で軽く弾くアリサ。
 金具が消失し、中に紅と翠の紋章が入った半透明な白の宝玉が宙に浮かぶ。
 浮かぶ宝玉に魔力が集束し、穂先が剣のように長い槍の形を形取る。
 槍の形を取った魔力の塊を掴むアリサ。表面についていた魔力が周囲に溶けていき、その姿を現す。
 穂先は剣のように長く、操りやすいように柄もそれなりに長くなっている。
 アリサは自身の操るデバイス―――相棒であるすずかが調律している『劫火を宿す御剣フランベルジュ』の柄を握り、柔軟運動をするかのようにそれを軽く振り回した。
 槍の穂先が描く軌跡に沿って魔力が衝撃波のように放出される。
 改めて『劫火を宿す御剣フランベルジュ』を構え直したアリサはリオの問いに応えた。
「いつものすずかが言わないと意味が無いわよ」
「なるほど、そういう事ですか」
 真意を悟ったのか、冷やかすかのようにニヤリと笑うリオ。
 自信満々に言ったものの、流石に冷やかされると恥ずかしいのだろう。
 『眠りの火』によって眠るすずかを抱き上げるリオから背中を向けた。
「じゃあ、行って来るわ。アーシェラ部隊長」
 革靴がトンと地面を叩く音が響いた時には既にアリサの姿は無かった。



〈一時五十分 綺璃斗〉

 イルミネーションできらびやかに彩られた表の通りに対し、薄暗い裏路地。
 二人の恋人が仲睦まじく歩いていた。きっと初詣に行く途中であろう。女性は着物を着ている。
「やっぱり、裏路地を選んで正解だったよな」
 自身の選択が正しかったと言うかのように言う青年。得意げな彼氏に彼女も笑顔で肯定した。
 そのとき、金属がぶつかり合う音がした。まるで甲冑を着た人が歩いている様な。
「なんか。変な音しない?」
「ああ、そうだな」
 恋人の問いに青年は頷きつつ、前方を見つめる。
 ガチャンガチャンと金属のぶつかり合う音を奏でながら、何かが向こうから歩いてくる。
 しばらく経った後だろうか。正体が電柱の電灯に晒された。
 有り得ないと思えるその姿に恋人たちはギョッとする。
 見たままの言葉を借りるのならば、それは甲冑を着た騎士。
 しかし、それを騎士と形容するにはおかしかったかもしれない。
 騎士の甲冑と形容するには禍々しすぎるからだ。そして、禍々しい殺気と黒い靄を噴き上げている。
 あえて言うのならば、悪魔の甲冑。甲冑は黒い靄で作った恋人たちに歩み寄る。
 恋人は逃げる。常識的にも本能的にも危ないと感じたからだ。
 しかし、騎士も逃がさない。見た目は鈍重そうだが、動きは速い。
 騎士は鎚を振るい、青年の背中を打つ。青年は壁に叩きつけられる。
 青年の恋人は自分の恋人が壁に叩きつけられた事に気付かず、とにかく走る。
 とにかく逃げ切らないといけないと心が警鐘を打っていた。
 騎士は見逃す気はまったくない。むしろぐちゃぐちゃに壊したい。
 着物が着慣れていないのであろう。青年の恋人は着物に足を取られて転倒する。
「あ…あっ……あ……」
 女性は腕を使ってでも逃げようとする。
 でもそんな足掻きをしても意味が無い。騎士は易々と女性に追いついた。
 黒い靄で作った漆黒の鎚を振り上げる騎士。そして、力任せに叩きつける。
 鎚は這ってでも逃げようとする女性の足を叩き潰す。
 ―――ボキリ。骨が折れたときの不快な音が響いた。
「ぎゃああっぁぁぁぁぁっぎゃぁあぁぁゃいじゃいゃぁう!!」
 痛みに悶える女性が撒き散らす声が裏路地に響き渡る。



 チンピラたちが歩いている。その顔は楽しそうだ。
 それもその筈。見知らぬ人をカツアゲした挙句、その人の恋人をその人の前でレイプしたのだから。
「んぁ?」
 一人が何かを発見する。それは一人の女性であった。
 壁にはその女性の恋人が壁に打ち付けられて気絶している。
「うぇ……へっ……へ………」
 チンピラたちは笑う。こんな所に女が落ちていると。
 さっき強姦した女は不細工であったが、今回は割りと上玉だ。
「おうおう。そこのお姉ちゃん。こんな所で倒れてたら危ないぜぇ」
 一人が女の顔を持ち上げる。
 泣きじゃくって鼻水や涎が垂れているが、拭えば問題ない。
 しかし、チンピラたちは気づいていなかった。
 女性の恋人の頭から血が垂れている事や、彼がよしかかる壁にベットリと血がついている事に。
 そして―――自分たちに忍び寄る狩人の存在。女性は餌で、自分たちはその餌に釣られた悲しき獲物である事に。
「オレたちみたいな狼に食われちまうぜぇ」
 ガタガタ震えている女性に手をかけようとしたその時、轟音と共に一陣の風が吹き抜ける。
 そして、男は頭に感じた衝撃によって意識を刈り取られる。
「なんだお前は!!」
 他のチンピラたちが叫ぶ。
 そこにいたのは、漆黒の騎士。騎士が握っているのは大きくて長い漆黒の棒。
 おそらく、最初の一人はこの棒で殴られたのだろう。
 チンピラたちに歩み寄る騎士。コレは本気を出さないとやばいと思ったのか、ナイフを抜くチンピラたち。
 突然、騎士は体重を前に倒し地面を強く踏み蹴る。騎士はチンピラたちに肉薄する。
 そして持っている棒をフルスイングする。振られた棒がゴウっと凄まじい音を立てながら風を切る。
 渾身の力で振り抜かれた棒はチンピラたちを薙ぎ払った。
 何人かは壁に叩きつけられてズルリと落ちる。後頭部からの出血で壁に血が塗りつけられた。
 意識が残っている何人かは激痛に耐えながら、這ってでも逃げようとした。
 しかし、黒い騎士が獲物をそう易々と逃がすはずがない。
 黒い靄から槍が精製され、逃げようとする人たちの四肢を貫く。
「ぐぎゃあぁぁあぁああああああぁぁああぁぁぁあぁさあぁぁぁ」
 チンピラたちの痛みによる悲鳴が不協和音となって響く。
 更に騎士は黒い脚甲をつけた足でチンピラたちの身体を蹴る。
 その蹴撃によって、骨が折れた。
 醜い悲鳴が更に響く。



 一人の少女が道を走っていた。
 お稽古事の帰りだろうか。手には黒い手提げバックが握られている。
 そして、とある角を曲がる少女。そこで彼女が見たのは、醜い鳴き声が聞こえる闇。
 隙間風と一緒に錆びた鉄のような臭いが流れてきた。
 深い闇と黒くて濃い靄でうまく見えない。しかし、少女の背筋に寒気が走った。
 少しぼやけてだが、少女には見えたからだ。闇でも隠せないものが蠢いているのが。
「ひっ……」
 怯える少女は遠回りになっても良いから逃げようとする。しかし、手や足の感覚が鈍くて力が入らない。
 心臓の動悸が全く収まらす、喉の奥から急速に乾いていく。まるで長距離のマラソンをし終えた時のような感覚。
 そして自身の持っている体力を全て使い切ったかのような疲労感があった。
 少女は闇の向こうから来る者を待つ事しか出来ない。まるで祭壇に捧げられた生贄ヒツジのように。
 手には錫杖を持ち、黒い靄を噴き出しながら、それは深い闇と黒き靄から姿を現す。
 無差別に理不尽な暴力を振るう堅固なる漆黒の騎士が。
「あっ……あ……ああああああああああ!!!」
 恐怖の余り、少女は自身の喉が痛くなる事をいとわずに吠えた。
 そうでもしないと、正常な意識を保つ事が出来なかった。
 騎士は目の前にいる彼女を叩き潰さんと、その錫杖を振り上げる。
 しかし少女は恐怖で身じろぎする事すら出来なかった。指の一本さえ動かせず、騎士から目を離す事すら出来なくなっていた。ただ細い息だけが口の奥から吐き出される。
「あっ。あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!」
 少女は判断した。もう駄目だと。自分はこの漆黒の騎士が振るう暴力によって死ぬのだと。
 諦めた彼女は必死に目を瞑ろうとする。最後までこの漆黒の騎士を見ていたくないから。


スポンサーサイト

1件のコメント

[C188]

いつも楽しみにしています
頑張ってください
  • 2009-03-31
  • 投稿者 :
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

新規
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

0件のトラックバック

トラックバックURL
http://clowncraown.blog90.fc2.com/tb.php/110-137c128b
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

Appendix

プロフィール

雪奈

Author:雪奈
「交換戯言日誌」を見に来て下さってありがとうございます。
終焉の引き金を引くのは貴方。
物語の続きを作るのもまた……
読んでいる貴方なのです。






無料アクセス解析

最近の記事

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。